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58.冬木 咲理

お久しぶりです。。。

更新するする詐欺して申し訳ございませんですた。。。

頑張って投稿しますので、これからもよろしくお願いします。。。

 冬木はごく普通の一般家庭、父母娘の三人家族で暮らしていた唯の少女であった。


 これと言った幸福も不幸も無いが、冬木はそんな家族を愛していた。

 それはモクラスと契約し「人肉を食さなければならない」という過酷な運命を背負わされてもなお、家族の平和を守ろうとする程に。


 皮肉にも、それが冬木の精神を崩壊させた一番の原因となってしまった。


 人を殺せば殺す程、人を食べれば食べる程、家族に対する隠し事は増えていく。しかし「隠し事がバレるかもしれない」と慌てる事は()()()()()()()

 確かに殺人が罪に問われる事は理解しているが、人を食べる行為自体が可笑しいとは思えなかった。【忌避感】を失った冬木の前では人も動物も等しく"食材"であったのだ。


 そして、「人を食べるは悍ましい行為だ」という()()を思い出した時にはもう既に手遅れになっていた。


 この頃だろうか、「自分のナニカがずれている」と感じ始めたのは。


 「人を食べる事はいけない事だ」

 「食事のどこが悪いのだ」


 いくら考えても人を食べてはいけない理由が分からない。周りの人の考えが理解出来ず、まるで自分一人だけ取り残されたかのような"恐怖"。今までの自分と今の自分の違いに困惑し言い寄れぬ"不安"。


 そう、冬木からは人としての常識が消えていたのだ。



 「冬木 咲理として生きる事を諦め、常識通りに生きる」、その生き方はまるで()()()()をする人形そのもの。

 恐怖と不安の中、それでも両親を安心させる為にいつも通りに暮らす…………そんな地獄を常人が耐えられるはずもなく、冬木の精神は崩壊。元の人格や人形になった理由さえも消えてしまった。


 そんな人形に残されたのはたった一つの"夢"、地獄からの解放____自分の死。


 精神が崩壊した今、冬木が頼れる柱はこの夢だけ。自殺する事も出来ない冬木は夢を殺してくれる(叶えてくれる)存在をずっと探し求めるのだった。




~~~~~




「やっと、やっと私の夢が叶うんだぁ……!!」


 そして今、冬木は両手を組み、感動のあまり涙をこぼしていた。

 その一方で冬木の変わり様に啞然とする憂と杉江だったが、一先ず新たに生まれた疑問を解決する事にした。


「あーその()()ってのは」

「私の夢を叶えてくれる王子様なんですから当然です♡♡♡」


 夢を叶えてくれる憂はまさに"白馬の王子様"......との事。完全に壊れていた冬木の精神だが、どうやら「夢が叶う」と言う希望によって強引に形を取り戻したらしい。


「……まぁいい。最後のピースを集めに行く。冬木も付いて来い」

「はい!! 憂様♡」

(もう駄目ね、この子……)


 多少トラブルはあったものの、当初の予定通り冬木を戦力に加える事に成功した三人は冬木が血塗れの服から着替えた後、最後のピースが居る病院へと向かった。




~~~~~




「……もう一度言ってくれないか、弐」


 全陰陽寮に協力を要請する為本部へと向かおうとした御井は現在、目の前の大男に足止めをされていた。


 大男の名は(())。零博士専属護衛《番号隊》の一人であり、その片目には彼らが歯車目と呼ばれる所以である"歯車"が嵌められている。


 そんな弐から告げられた言葉は御井にとって信じられないものであった。


「零様より本日から三日間、()()()()()()()()()が出された」

「ふざけるなァァァ!!!!!!」

「…………」


 御井の怒号が部屋中に響き渡る。弐は何も言わず、ただ無言で顔を俯かせていた。


「十年前の惨劇を忘れたのかッ!! "最悪の震災"が再び起きようとしてるんだぞ!!!!」

「……すまない、私では零様に進言する事は不可能だ」


 三日もあればONEは必ず攻めて来る、予知染みた直感が御井を焦らせる…………が、御井が、否全ての陰陽師がその命令に背く事は出来ないだろう。

 人払いの札や戦闘服を始め、陰陽師にとって無くてはならない代物を作り出して来たのは他でもない零博士その人。名実ともに陰陽寮を支えてきた零博士は本部:通称《本家》での発言力も当然高く、歴代当主でさえ逆らう事は難しいのである。


 しかし、このままではONEを撃退する事が不可能なのもまた事実。


「クソッ、何か打つ手は無いのか……!!」

「こちらも出来る限りの事はしてみる。応援に行けなくても避難勧告くらいは出来るはずだ」

「……すまん。お前に当たっても仕方ないと分かっているのに」

「謝る必要は無い。ましてお前は震災の当時者、感情的になるなと言う方が無理な話だ」

「ありがとな……っと、こうしちゃいられん。早く帰って対策を練らねば」


 弐の励ましに何とか立ち直った御井はそそくさと部屋を出ようと後ろを向く。


「…………御井」

「ん、何だ」


 ドアノブに手をかけた御井に思わず声を掛ける弐。今の御井の後ろ姿がどこか"あの人"に似ていたせいだろうか。


「死ぬなよ」


 御井は自分を心配してくれる弐に対してふてぶてしく笑い、こう言い返した。


「俺を信じろ」




おまけ(設定説明)

陰陽寮のトップは歴代当主が代わり替わり務めています。しかし零博士は長年陰陽寮を支えてきた実績がある為、実質的な陰陽寮トップは零博士とも言える状況になっています。


ちなみに冬木♡♡♡の喋り方が変わってますが、あれが冬木(人形)本来の喋り方です。もう壊れてるからね、仕方ないね()

冬木(人形)の見た目はメガネ無し(ガンギマリ目)・ボサボサロングヘアーですかね……


感想☆ブクマは作者のモチベを上げます。

Twitter→@iu_331

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