39.冬木の告白
Ⅴ章開幕!! ついに物語も折り返しです。
九月一日、今日から二学期が始まった。
体も無事回復し、登校していた憂は今…………机に溶けていた。
「夏休み……カム、バック。ガクリ」
「どんだけ遊んでたのさ憂」
「逆……逆なんだ。夏休みが、足りない」
夏休みの大半を病院で過ごし、碌に遊べなかった学生はどうなるか。その答えは"強い喪失感を覚える"であった。夏休みを満喫していない憂は言わば充電のされていない充電器。要するにいつも以上にやる気が出ていなかった。
そんな憂の様子に柚子が苦笑いしていると、そこへ冬木が現れた。
「そんな大げさなぁ」
「おはよう!! 瀬流君、廷出君」
「あぁ、癒しだ」
「え?」
「あ、いや、ううん。おはよう冬木さん」
「おはよう冬木さん」
二人が挨拶を返すも何やら悶えている冬木。どうやら話すか話さないか悩んでいるようだ。
「? どうかしたの冬木さん」
「……あのね、瀬流君。お願いがあるのだけど」
「おー良いよ。冬木さんには色々お世話になってるしね」
「さっきまでの憂はどこに……」
柚子に呆れられる憂であったが、実際に冬木には恩があった。
例の噂があるにも関わらず、親しくしてくれる人物は今もなお柚子と冬木の二人だけ。その為二人には色々とお世話になっていたのである。因みに某学校愛は論外だ。
そんな憂の態度を見て決断したのか、冬木はポツリポツリと話し出した。
「放課後、一人で残って欲しいの」
「? 何かするの」
「うん、ちょっとね」
「ふーん、まぁ良いや。大丈夫だよ冬木さん」
「ありがとう瀬流君」
(ん? ちょっと待てよ……)
冬木が自分の席に帰っていくと、ふとあることに気が付く憂。
放課後の教室に異性から呼び出される。しかも居るのは自分と彼女の二人だけ。
「これは……告白なのでは?」
「憂、疲れてるんだよ。保険室行く?」
「優しさが辛い」
~~~~~
始業式が終わり昼休み、例の如く生徒会室に呼び出された憂はしどろもどろに説明していた。
「放課後に呼び出し、ねぇ。噂が広まっているのによく行こうと思うわね」
「うぐッ、けど本当に良い人なんだよ冬木さんは。こんな状況でも僕に優しくしてくれるし」
「…………」
杉江は呆れていた。しかしそれは女にデレつく憂にではなく、「こんな簡単な事を見落としていた自分」に対してだ。
「はぁ……呆れた。まさかそんな身近に"害虫"が居たなんて」
「が、害虫って」
「悪魔の力をただの人間に防げると思って? 洗脳の魔眼が使われている以上、冬木って子は私達側よ」
「そんな……冬木さんが? ありえない」
杉江の言葉を否定する憂。数少ない信頼がたった今、崩壊したのだ。動揺しても仕方ない。
「"変化の無い手駒"の存在……これは私の失態でもあるわ」
「僕は、僕はこれからどうすれば」
「どうするって、もう行くしかないじゃない」
「え」
杉江の矛盾した助言に憂は余計に混乱する。
「いや、でもさっき害虫って」
「だからこそよ。やっと相手が動き出したのならそれを利用しない手は無いわ。それに、私も付いて行く、今日から二学期が始まった。
体も無事回復し、登校していた憂は今…………机に溶けていた。
「夏休み……カム、バック。ガクリ」
「どんだけ遊んでたのさ憂」
「逆……逆なんだ。夏休みが、足りない」
夏休みの大半を病院で過ごし、碌に遊べなかった学生はどうなるか。その答えは"強い喪失感を覚える"であった。夏休みを満喫していない憂は言わば充電のされていない充電器。要するにいつも以上にやる気が出ていなかった。
そんな憂の様子に柚子が苦笑いしていると、そこへ冬木が現れた。
「そんな大げさなぁ」
「おはよう!! 瀬流君、廷出君」
「あぁ、癒しだ」
「え?」
「あ、いや、ううん。おはよう冬木さん」
「おはよう冬木さん」
二人が挨拶を返すも何やら悶えている冬木。どうやら話すか話さないか悩んでいるようだ。
「? どうかしたの冬木さん」
「……あのね、瀬流君。お願いがあるのだけど」
「おー良いよ。冬木さんには色々お世話になってるしね」
「さっきまでの憂はどこに……」
柚子に呆れられる憂であったが、実際に冬木には恩があった。
例の噂があるにも関わらず、親しくしてくれる人物は今もなお柚子と冬木の二人だけ。その為二人には色々とお世話になっていたのである。因みに某学校愛は論外だ。
そんな憂の態度を見て決断したのか、冬木はポツリポツリと話し出した。
「放課後、一人で残って欲しいの」
「? 何かするの」
「うん、ちょっとね」
「ふーん、まぁ良いや。大丈夫だよ冬木さん」
「ありがとう瀬流君」
(ん? ちょっと待てよ……)
冬木が自分の席に帰っていくと、ふとあることに気が付く憂。
放課後の教室に異性から呼び出される。しかも居るのは自分と彼女の二人だけ。
「これは……告白なのでは?」
「憂、疲れてるんだよ。保険室行く?」
「優しさが辛い」
~~~~~
始業式が終わり昼休み、例の如く生徒会室に呼び出された憂はしどろもどろに説明していた。
「放課後に呼び出し、ねぇ。噂が広まっているのによく行こうと思うわね」
「うぐッ、けど本当に良い人なんだよ冬木さんは。こんな状況でも僕に優しくしてくれるし」
「…………」
杉江は呆れていた。しかしそれは女にデレつく憂にではなく、「こんな簡単な事を見落としていた自分」に対してだ。
「はぁ……呆れた。まさかそんな身近に"害虫"が居たなんて」
「が、害虫って」
「悪魔の力をただの人間に防げると思って? 洗脳の魔眼が使われている以上、冬木って子は私達側よ」
「そんな……冬木さんが? ありえない」
杉江の言葉を否定する憂。数少ない信頼がたった今、崩壊したのだ。動揺しても仕方ない。
「"変化の無い手駒"の存在……これは私の失態でもあるわ」
「僕は、僕はこれからどうすれば」
「どうするって、もう行くしかないじゃない」
「え」
杉江の矛盾した助言に憂は余計に混乱する。
「いや、でもさっき害虫って」
「だからこそよ。やっと相手が動き出したのならそれを利用しない手は無いわ。それに、私も付いて行くから」
「……はぁ?!」
「叩くなら二人の方が効率良いでしょ? ほら、作戦を考えるわよ」
「はは......もうどうにでもなーれ」
~~~~~
「来てくれたんだね、瀬流 憂君」
そして放課後。
教室の扉を開けると、そこには外を眺める冬木が窓際に立って居た。夕陽に照らされ、髪が橙色に煌めいている。
「あぁ……来たよ」
いつもより真剣な表情の冬木。今朝までの憂ならときめきの一つや二つあったかもしれないが、今は違う。
また自分を陥れるのか? 魔眼を使うのか? 殺しに来るのか?
今までに味わってきた最悪を思い出し、憂は神経を研ぎ澄ませる。
全校生徒に嫌われてる中、自分を助けてくれた冬木。
そして、"殺人鬼である"と噂を流し脅迫文を送りつけた……己の敵だ。
「お願いが、あるの」
数秒の静寂の後、冬木はその重たい口を開いた。
「私を……私を殺してください!!!!」
「…………はぇ?」
お久しぶりです。ワクチンで腕が死んでおりました。。。左腕上がんねぇよおい。
あと、4000pv感謝の極みです!!
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