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22.悪魔の同盟

メリークリスマス!!

そしてこの話で章終わらなかったよ!!

ごめんね!!

 同盟、その言葉を聞いて憂の眉間は皺だらけになった。


「同盟ぇ?」

「そう同盟、協力してくれるわよね」

「嫌に決まってんだろ」

「即決ね。理由を聞いても>」

「理由も何も……これ以上、お前ら化け物に巻き込まれたくねぇんだよ」


 殺人鬼や怪物、差出人不明の脅迫文と魔眼使いには碌な目に合っていない。憂としてはこれ以上関わりを持ちたくなかったのだ。


「一応、貴方のこと助けたつもりなのだけど」

「それについては感謝してる、ありがとう。だけどこれは別問題だ」

「そう……なら良いわ」

「え、良いの」

「えぇ……()を見て同じことが言えるなら、ね」

「彼?」


 そう言って杉江は掃除用ロッカーを見つめ始めた。釣られて憂もゆっくりと首を動かすと……


 "ガタッ、ガタガタガタッ"


「ッ!!」


 突然動き出すロッカー。あの揺れ方、中の物が落ちた程度ではああならない。

 不安と緊張を抱きながら、憂は喉を鳴らし確信する。


 中に誰か……居る。




「殺スウウウウウ!!!!!!!!」

「ぎゃぁぁぁ!!!!!!!!」


 刻み込まれた恐怖の登場に憂は堪らず絶叫する。勢い良くロッカーから飛び出して来たのはまさかの怪物そのものだった。


「に、にげ……ッ!!」


 すぐさま逃げようとするが、未だ回復しきっていないのか上手く動けない。憂は「今度こそ殺される」と思いっきり目を瞑る……が、襲われる事は無かった。


()()()()

「殺…………プリン」


 なんと、怪物は杉江の掛け声によって動きを止めたのだ。


「は? なん、どうして」

「プリンが好きだから(プリン君)、安直過ぎたかしら?」

「そーじゃなくて!! 何であいつがお前の言う事聞くんだよ!! つか何でここに居んだよォォォ!?!?!?」

「落ち着きなさい。焦る男は嫌われるわよ」

「喧しい!!」


 憂が大声を上げるのも無理は無い。頭殺意のあの怪物が"言葉一つ"で動きを止めるなんて"あり得ない状況"なのだ。

 だがそんな憂とは対象的に杉江は淡々としている。


「はぁ……貴方と同じでこの子も私が助けたのよ」

「はぁ!? お前何して!?」

「もう一度聞くわ……瀬流君、私と同盟を結ばない?」


 言葉を遮り、圧を掛ける杉江。そして憂はようやく悟った、「始めから選択肢なんて無かったのだ」と。もし同盟を断る素振りでも見せればきっと怪物を使って自分を殺しに来るだろう。杉江はそういう人間だ、躊躇など絶対にしない。

 そう、ここに運びこまれた時点で憂の逃げ道は無くなっていたのだ。


 だが、それでも諦めきれない憂。何とか状況を打開しようと試みる……が。


「……アイツが暴れ出すかも」

「プリンを与えればある程度言うことを聞くわ」

「……それなら僕は必要ないのでは」

「意思疎通が取れれば良かったのだけれどね」

「……ちなみに拒否権は」

「この子と遊んでくれるなら」

「…………」


 何を言っても杉江に反論されてしまい、撃沈する憂。

 「詰み」、その言葉が脳裏に浮かぶ。せめてもの抵抗と言わんばかりに憂の思考は既に"提案の拒否"ではなく、"どこまで妥協案を出せるか"にシフトチェンジしていた。


「じょ、条件がある……ッ」

「何かしら」

「僕は今、とある人を探している。だから、それを手伝って欲しい、なぁ……」

「良いわよ」

「なんて……って、良いのか!!」

「むしろその程度で済んで良かったわ」

「その程度……」


 最重要事項をその程度扱いされ、少しショックを受ける憂。だがもう突っ込む気力すら無い。疲れと諦めが混ざり合い、ため息どころか体が重い。


「それじゃ、これからよろしくね。瀬流君」

「殺ス」

「どうしてこうなった……」


 こうして……憂、杉江、怪物改めプリン君達3人は悪魔の同盟を結んだのであった。

 そして、この三人が世界を揺るがす大事件の引き金を引く事はまだ先の話である。


「今日はもう遅いから、説明は明日にしましょ」


 既に空は暗く、他の生徒達は皆帰宅していた。流石に学校に泊まる訳にもいかず、今日の所は一先ず解散となった3人。

 またプリン君はとりあえず生徒会室に置いておく事が決定した。杉江曰く「生徒会室の鍵は自分だけが持っており、プリンを置いておけばどうにかなる」らしい。一応精神が落ち着いているとは言え身元不明な殺人鬼に変わりなく、杉江の監視下に置いておいた方が安全なのだ。

 ……まぁそんな説明を聞いているよりも憂は早く家に帰りたかった。


「それじゃあね」

「へいへい」

「殺ス」




~~~~~




 憂の姿が見えなくなり、二人きり杉江とプリン君。

 すると杉江は冷蔵庫からプリンを取り出し、プリン君の前に出した。ゴミ捨て場に捨てられていた例のプリンである。


「プリン……プリン……」

「まさか本当にプリンが弱点だなんて……"人は見かけによらない"って本当なのね」

『……良かったのかい、藍。彼はそこの子よりも危険だよ』


 二人しか居ない生徒会室に()()()()の声が杉江の頭に響いた。


「ここを守るためなら何でも使うわ…………もう誰にも、私の居場所は奪わせない」

『何でも、か……まぁ、気を付けるんだよ』



「分かっているわ____"お父さん"」




まさかのプリン君、レギュラー入り。

次でホントにこの章終わらせます。


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