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17.最悪は重なるもの

更新遅れてすいませんでした。実家の畑仕事を手伝ったら酷い腰痛になっちゃって……椅子に座るのもって感じです。とりあえず自分のペースで書かせてもらいますね。今回はその為短めです()

 瀬流 憂は"特別な人間"ではない。


 優れた頭脳や強靭な肉体を持っている訳でも無く、むしろ人より劣っているとも言える。

 自分に対する"明確な殺意"、"死の恐怖"、"悪魔の監視"と普通の人間ならば引きこもり、最悪自殺しているだろう心的外傷(トラウマ)を抱えながらも立ち向かうのは"家族の危機"という大義名分(言い訳)があるから。


 そう……瀬流憂の精神はとっくに限界を超えていたのである。


「あぁもう!! 何なんだお前らは!? 僕をどうしたいんだ!!!!」

「五月蠅いわね、急に大声を出し……ん、何かしら。声?」


 突然の憂の奇行に白い目を向ける杉江であったが、ふと何かの声が聞こえ耳をすます。


「____ス」


 声が近づいて来る。


「ねぇ、何か聞こえない?」

「ああ!? なん、だ……ッ!!」


 憂はその声に聞き覚えがあった。


「ぁぁ……な、なんでアイツが、ここに!!」


 忘れもしない。


 "殺意(あの)の声"だ。


「殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス」


 最悪とは重なるもの____殺意の怪物との再会だ。


「殺スゥウウウウウ!!!!!!」

「「ッ!!」」


 旧校舎を取り囲んでいた塀が破壊され、その場に硬直する二人。

 思惑、疑問、憤り。それら全てが"狩られる獲物の恐怖"へと書き換えられ、一瞬にして濃密な殺意が場を支配した。


「そ、そうだ!! ()()!!」


 憂の言う"アレ"とは怪物対策の為に買ったプリンの事。とはいえ、それで怪物を対策出来るという確信は無く、ぶっちゃけ賭けに近い。しかし今はその賭けを信じるしか他に方法が無かった。


 だが、()()()()()

 あんなに買い込んだプリンが一つも鞄に入っていなかったのだ。


「!? な、ない!? どうし」

「殺スゥゥゥゥ!!!!!!!!」


 立て続けに起こる最悪に動揺する憂。しかしそれは怪物の知る事ではなかった。


「あぁあ……ぐぇッ!! ッひぇぃ!!」


 隙を見せた憂目掛け突進する怪物であったが、運が良いのか悪いのか憂は動揺からその場で転び、ギリギリで突進を避ける。もし後一秒でも遅れていたら……考えただけで体の震えが止まらない。


「殺ス殺ス殺スゥゥゥゥ!!!!!!!!」

「出来ればそのまま彼と遊んでいて欲しかったのだけれど、仕方ないわね……逃げるわよ」

「あぁ、んん?? えぇ!?」


 壁にめり込んでいた怪物が再び狙いを定めると、杉江は立ちすくむ憂の腕を()()()()()()()()

 予想外の行動に困惑する憂であったが当然無視された。


 すると杉江は胸元から"筒状の何か"を取り出し、勢い良く怪物に投げつける。次の瞬間、"ドンッ"と大きな爆発音が辺り一面に響き渡った。


「な、何だアレ!?」

「火薬詰め込んだだけのコケ脅し爆弾よ。そんな事より早く逃げましょ」

「あ、あぁ……」


 コケ脅しとは言え爆弾。ダメージが入ったせいなのかは分からないが、怪物は動きを止める。

 そして「今がチャンス」と手を引く杉江の勢いに負け、状況の飲み込めないままその場から逃げ出す憂であった。


「ァ……アア…………殺スゥゥ……!!」



 怪物の右目が紅の殺意に揺れる。




ちなみに怪物君の武器はハルバードと死神の鎌を足して割った感じです。


モチベアップのための感想評価ブクマ待ってます。

@iu_331

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