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俺の森を荒らすな!  作者: 妖怪クミン振り
序章 大森林への帰還
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俺を覚えている者達

《第3層 亜人集落》


ここからはある程度開墾された地帯が続く。

湿地帯なんかよりも格段に歩きやすいだろう。

そして重要なのは……そこに居を構える亜人達。

彼らから何か話が聞ければいいのだが……

そのためにも……お土産が必要だろう。

目の前には第3層固有エネミー、化け草の群れ。

……やるしかない。

その辺の木の棒を手に突撃する。


「うおおおおお!おお……お?」


不思議と敵対されない。化け草も割と手当たり次第に襲いかかるエネミーの筈だ。

……ダメ元で聞いてみるか。


「なあ、お前のきのみ、持っていっていいかな」


『ええ。熟れているものは余りありませんが』


「!?喋った!?」


『?あなたは精霊でしょう、ハイド。なら植物の声が聞こえるのはおかしなことではありません』


「そ、そういうものか。と、とりあえずきのみは貰っていくぞ。ありがとな」


『いいえ。亜人達に会えばよろしくしてくださいね』


「ああ、そのつもりだ。じゃあな」


……まさか穏便に済むとは。

にしても、今の俺は植物と話せるらしい。

……そういえば種族を植物精霊にしてたっけなぁ……

これも実際にハイドになった影響……だろうか。

知らない間に人間を辞めていたというのは中々に奇妙だ。……ちょっと気味が悪いな。

そういえば、ハイドになってるならスキルとかどうなってるんだ?使えるのか?使い方は?

……わからん。この辺も亜人達から聞き出せればいいんだけど……


そうして亜人達の集落を目指し歩を進めた。

場所は覚えている。確かこっち側に……あった。


「誰だ!!ニンゲンか!?……なんだハイドか」


「……俺のことを知ってるのか?」


「当たり前じゃ。集落でお前の姿を知らん者などおらん」


「いや、俺はお前を知らないんだけど……」


「そりゃそうじゃろ。ワシの祖父が生まれるより前にお前は消えたからな」


「…………え?」


俺にとって大森林はつい昨日までゲームの中にあった場所だ。

なのにこいつの祖父が生まれるより前から、俺はいなかった?

一体どれだけの時間が経ってるんだ……?


「……ともあれ元気そうでなにより。あ、これお土産な」


「……熟れておらんではないか。まあいい。差し出されたからにはこちらも何か差し出そう。何がいい?」


「話を聞かせてくれ。今この森はどうなってる?」


「この森は今ニンゲン達から侵攻を受けている。かれこれ何百年になるか……」


「……待ってくれ。今、何百年って言ったか?」


「言ったが?」


「何百年!?」


「何を驚いておる。お前が姿を消してからそれくらい経っておるぞ」


「……それに侵攻って……!?一体何故……?」


「さあな。ワシらにはわからんよ。じゃが何かを欲しがってるらしい」


「ふぅむ……ありがとう。助かったよ。あ、そうだ。スキルの使い方とかって分かるか?」


「何じゃ1個に対して2個も要求するのか?……まあいい。他ならぬお前じゃからな。スキルはこんな風に使う。『スナイプ』」


亜人が近くの樹に矢を放った。

まさか、本当にゲームみたいにスキル名を唱えるだけなのか?

そもそも使えるのかすら分からなかったが──試してみる価値はある。


『アウェイキングブルーム』


メキメキと音を立て、一株の紫陽花が生えた。


「おお……なるほど。助かったよ!」


「ふん。じゃがこの紫陽花は片付けて行けよ」


「分かってるって。『ロストブルーム』」


さぁっと砂になるように、紫陽花は枯れていった。


スキルの使い方は理解した。これなら我が大森林最大の魔境も越えられるかもしれない。


「して、お前はこれからどうする?」


「色々知るためにも5層を目指そうと思って」


「成る程。ならば気をつけて行くことじゃな。第4層がどんな場所か。お前も知らぬわけではあるまい」


「勿論。俺は製作者だからな」


そうして亜人達の集落を離れ、第4層、原生林を目指した。

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