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響の欲しいもの

そしてあっという間に12月23日がやって来た。

今日は響の誕生日。


「よし後はデコレしたら完成だ~!」


あたしは朝からせっせとケーキ作りに励んでいた。

ホール型のスポンジを作り、その上に生クリームやフルーツをデコレーションしていく。

我ながらうまくできたと思う。

味だってばっちしだし。あたしお菓子作りは割と得意なんだよねー。



響喜んでくれるかなぁ?


さっきメールで今日の予定聞いたらお昼過ぎから家にいるみたいだった。


仕事が休みの日はお屋敷に行きにくいのでこっちに来てもらうことにした。





そしてお昼過ぎ・・・


ピンポーン


「はーい」

とドアを開けると響が立っていた。


「おいっす」


いつもはあたしがお屋敷に行く側だから、こんな風に来てもらうのはなんか変な感じがする。


「どーぞ」と響を招き入れる。


「お邪魔しまーす」


なんだろ・・なんか新鮮。

響があたしの部屋に入るのって。


「適当に座ってて」とあたしが言うと、響は水色のクッションの上に座った。真っ白で淵だけがピンクの丸いミニテーブルが前にある。


あたしはコーヒーを入れてテーブルに運んだ。

ケーキはもう置いてある。


「何これ、買って来たのか?」とケーキを指さして言う。


「あはは、違うよ。あたしの手作り」


「・・・マジで?・・やるなぁ」

と響は感心した表情で目の前のホールケーキをじっと見てる。


ケーキもお茶もセット完了。

あたしは響の対面に座る。


「じゃあ・・・お誕生日おめでとう響」


「・・ありがとう」

と照れた表情で言う。


「食べてみて」とあたしはケーキを食べやすいように切り分けて響に渡す。


「うん」と言って一口パクリ。


「どう??」


「・・・すっげーうまい」とびっくりしてる。


「やったー!」

朝から頑張った甲斐があったよ・・・。


「おまえにこんな特技があったとは驚きだな」


「見直した?」


「うん」


なんか響今日は素直だ。


ケーキの味、気に入ってくれたみたいでパクパク食べてる。

あたしはテーブルに両手で頬杖をついてその様子を見つめた。


「何だよ?」


「ううん。おいしそうに食べてくれてるから嬉しくて」


「だってマジでうまいし」


はぁ~~喜んでもらえてほんとよかった。




そして食べ終えた後・・


「キャロ、ありがとな」と優しく笑った。


どきっ


「ううん」



そしてなんとなく静寂が訪れる・・。

響がこっちをじっと見てるので、なんか落ち着かない気持ちになってきた。


誕生日を喜んでもらうことに必死で気づかなかったけど・・・

今あたしたち部屋に二人きり・・なんだよね。


どきどきどき・・・


ヤバい急に意識してきちゃった・・



「あ、あのそういえばまだプレゼント用意してなくて、何か欲しいものある?」と緊張を取り払うようにあたしは話題を持ちかけた。


「今日のケーキで十分だけど?」と片手で頬杖をついて言う。


「えっでも・・・」

何か残るものもあげたいんだけど・・・



「一つあるけど、たぶんくれないだろうしなー」


「ん??何?すごく高価なもの?」


「んーっていうかお金では買えないものだから」


「?・・・試しに言ってみて」


お金で買えないものってことはプレミアものとかかなぁ?!

想像もつかないけど・・



「キャロ」


「・・・え??」



聞き間違い・・・?



「だからキャロだって」


「!」


かぁぁぁぁぁぁ・・・

途端にあたしの顔が真っ赤に染まっていく。


「・・またそんな冗談言って・・!」


「本気だったらくれる?」とあたしの顔を覗き込むようにして言う。


「!!」


響ってば急にどうしちゃったのー?!

本気?冗談?


どきどきどき・・


もう全然わかんない 頭パニックだよ


「誕生日だから今日だけはワガママ言ってもいいだろ?」


「う・・・うん」


「じゃあOKなんだ」


「・・・・」


恥ずかしい・・・何この状況は。

でもNOなんて言えないんだよ。


だって響のこと大好きなんだもん。

もう嘘でも拒絶できない




響があたしの横に移動してくる。


どっきーっ


ち、近いってーー!


横を見ると響の顔がすぐそばに・・・。あたしのことじっと見てる。

その透き通る目に見つめられてクラクラしてきた。



「や、やっぱダメー!」とあたしは顔の前で手のひらを前に向けて顔を隠すそぶりをする。


「何で?」


「心臓が壊れちゃいそうなんだもん」

とあたしは泣きそうな顔で言った。


「・・・分かったよ」



ぎゅーーーっ



え??


響は突然強くあたしを抱きしめた。


「ひ・・響?」


「これで勘弁してやるよ」


「・・・・」


ううう・・・嬉しくてせつないような・・

なんだろう、この気持ち。




響、あたしのこと・・・好き?


あたしは大好きだよ




言葉にしたいのに今は胸がいっぱいでできない。


だけど、こんな風に抱きしめ返したら、

言葉にしなくても伝わっちゃうかな?



「明後日、帰ったら会いたい」


明後日はクリスマス。


「あ、あたしも」




伝えたい・・・


あたしの気持ち・・今度こそ







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