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41殺すより残酷な罰

「永遠さんに関して、と言っていましたが、どこまで聞いたのですか?」


 実乃梨たち三人は、前回と同じように、実乃梨の家のリビングに向かい合って座っていた。二人に冷たい麦茶を提供して自分も席に着くと、すぐに永徳が本題に入る。


「どこまでって、相沢が《《不老不死》》から解放されるということを聞いたの。そして、それを手助けするのが」


「慎吾さんは何も悪くない!悪いのは、婚約者がいるのに、無理やり迫った私が悪いの!だから、慎吾さんには手を出さないで!」


「永遠さん……」


 実乃梨の言葉に、相沢が永徳を守ろうと会話に割り込んでくる。いつの間にか、永徳を名前呼びにしている。永徳も満更でもなさそうに、頬を緩めて相沢をかばいだす。


「栄枝さん、申し訳ありません。僕が悪いのです。婚約者がいるのに、永遠さんのことを……。だから、攻めるのなら僕だけにしてください」



 これは、何かのドラマか何かだろうか。お互いがお互いをかばおうと必死になっている。見ていて反吐が出そうな会話だった。まるで、実乃梨が二人の仲を裂いたような気分だ。相沢は実乃梨と同じ不老不死とは言っても、実乃梨とは正反対に位置している人間だった。実乃梨と同類ではなかった。永徳も実乃梨に優しくしてくれたが、女性としては見ていなかった。女性として見られていたのは相沢だった。それだけわかれば十分だ。


「そうですねえ。相沢はもう、不老不死ではなくなるのだから、それを待てば、簡単に殺せます。永徳さんは、普通の人間とは言え、護衛会社勤めで、簡単には殺せない」


 二人の顔におびえの表情が見える。実乃梨は自分が今、どんな表情をしているのかわかっていた。きっと、それはそれは、人には見せられないひどい顔をしているだろう。しかし、目の前の二人に取り繕う必要はない。これから二人には、それぞれ地獄を味わってもらうのだから。




「じゃあ、まずは相沢から発表しましょう。選択肢は与えましたが、どれにするのか、決めましたか?」


「あ、あんなの一択しかないでしょう。慎吾さんには悪いことをしたと思っているから、私に払える金額ならいくらでも支払うわ」


「賢明な判断ですが、それでは私の心は満たされない」


 相沢に示した選択肢は三つ。

①永徳と一緒に心中自殺する

②永徳の婚約者に謝罪を入れて、慰謝料をはらう

③《《あの方》》に電話して自殺する


 どう考えても、普通なら死ぬことを嫌がり②を選ぶだろう。相沢も当然②を選択する。しかし、そんなことはとっくに予想済みだ。だから、さらに条件を追加する。


「不老不死は一人の力では解除できません。必ず、異性の存在が必要です。だから、共犯者として永徳にも責任を取ってもらいます。まあ、殺しはしませんよ」


「約束と違うわ。彼には手を出さないって」


「手は出しません。永徳、婚約者のことを教えなさい。別にその女を殺すわけじゃないわ。聞くところによると、その婚約者は不老不死で悩んでいるのでしょう?それを解決してあげる」


 実乃梨は相沢と永徳の会話から、永徳の婚約者には何か問題があり、いまだ結婚に至っていないことを知った。トラウマだとか言っていたので、男に強姦でもされたのかもしれない。それが原因で異性と触れ合うことが難しいのだろう。だとしたら、実乃梨が永徳に与える罰は一つと言える。


 実乃梨は話をしている途中で、スマホを取り出した。そして、着信画面を開いて、これから電話する相手を二人に見せつけた。



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