第6話 閉店後
昨日の夜に登録したばかりだしまあ焦ることはない。そう思い二日が経ち、俺は「食べ飲み処 ばくばく」でだし巻きにかぶりついていた。
「この前竜さんに楽しめってアドバイスもらったじゃないですか、実践したくてマッチングアプリ登録したんですよ、チップルってやつ」
「そうなんだ、いま主流だもんね。オレもしたことあるよ」
竜さんがでかい炊飯器の蓋を開けて言うと、結構な量の湯気がモワッと出てきて炊きたてのご飯の匂いがした。
「始めてから三日経つけど全くマッチングしないんですよね、プロフィールの内容が悪かったかなあ」
「ふふ、違うね。オレは君がマッチしない、できない理由がわかるよ。
…しょうがないなあ、常連さんだし助けてやるか!店終わったら連絡するからライン教えてよ」
そういって竜さんはスマホを取り出し、俺達は連絡先を交換した。
店終わったからばくばくへ来て、とラインが来たので俺は待ってましたとチャリで向かった。夜中だがフリーターもどきの学生の身分であるため全く問題はない。
「お疲れさまです」
チリンと鳴らして看板の電気を落とした店に入ると、竜さんは割烹着でなくTシャツにスウェット姿で椅子に座っていた。
「お疲れさま、まあ座りなよ」
俺は椅子に座ると、
「時間作ってもらってありがとうございます。」
と素直な感謝の気持ちを伝えた。
「オレも結婚してそうゆうのだいぶ離れちゃったんだけど、モテるようになるの手伝ってあげたくなっちゃって。その代わり女の子も連れてきていっぱい飲み食いしてよ」
竜さんは楽しそうに笑って言った。




