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第20話 シオリ③


 ちょっと待ってくれ、朝起きたらって、それは泊まるってことか?セックスするって事だよな?

 

 

 俺は少しの時間考えた後、俺はさも自分が誠実な男であるような顔で言った。

 

 

 「それはやめとこう。そういうのはちゃんと付き合ってる人とするべきだ。もっと自分を大切にしたほうがいい」

 

 

 しなだれかかるシオリに伝えた。溶けそうに甘く柔らかかったシオリの身体はピタリと固くなった。

 

 

 俺は女から愛される、モテる男になりたいと常々思っているが、セックスがしたいわけじゃない。表向きの俺の気持ちは。

 

 

 しかし本当の気持ちはセックスに対して自信がない。性経験のない俺では経験豊富なシオリをがっかりさせてしまい、俺はまた傷ついてしまうだろう。それが嫌なのだ。本当はこれが泊まらないと答えた理由だった。

 

 

 シオリはゆっくりと俺から離れた。

 

 

 「そっか。こんな男に遊ばれてばっかりの私となんてしたくないよね。ごめんね」

 

 

 違う、俺は。

 

 

 「違う、そんなんじゃない」

 

 

 「いいよもう、私、帰るね」

 

 

 シオリは普通の顔で、何もなかったかのように駅の方向へ歩いて行った。

 

 

俺は黙って下を向くことしかできなかった。

 

 

 川辺を吹く風は雨へ変わり、俺の顔にモザイクをかけた。

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