第19話 シオリ②
「私ね、男運ないんだよね、エッチしたらポイって捨てられるの多くてさ、こないだもマチアプで会って飲み行って、ホテル行って起きたらその男いないとかだったし」
「俺だって振られてばっかりだよ、毎回上手くいった試しなんかないよ」
などと過去の自分の振られた話などをしてシオリの笑いを誘い、シオリが笑ったことにより多少は緊張もほぐれてきた。
シオリはひとしきり笑ったあと川沿いの道を指差し、
「じゃあ私達仲間だねー、相手に運がない者同士であっち行ってぶらぶら歩こ!」
と笑った。俺もそうするかーと言い俺達は川沿いの道へと向かった。
川沿いの道は良い感じに風がそよぎ、酒で熱った身体が涼やかにされる気がした。いつの間にかシオリと俺は手を繋いでいた。初めて触れる女の手はしっとりと柔らかく、否が応にも手に神経がいってしまう。
川沿いに座り、シオリは川に小石を投げ、
「はーあ、こんなことばっかしてて私、幸せになれるのかなあー」
と言うので、
「そんなもん、なれるだろ」
と返した。もちろん根拠などない。そう言う以外の答えが浮かばなかっただけだ。
シオリは小石を投げるのを止め、ゆっくりと俺にもたれかかって来た。かと思うとそのまま俺にキスをした。
俺はもたれかかって来た時点で頭が真っ白になっており、その追撃で意識が飛びそうになった。自分の口からほのかに漂っている梅酒の香りがこれが現実に起こったことであることを俺に認識させていた。
シオリの豊かな胸は俺の腕に柔らかく噛み付いていて、赤らんだ顔はねだるように俺を見ている。俺は頭の中で落ち着け落ち着けと何度も繰り返した。
「俺君は、朝起きてもいるよね」




