第11話 デート服
「ファッションのセンスが苦手なんてどうせ嘘でしょ、本当はイケメンじゃなかった俺のことが嫌だったんですよ」
アヤにブロックされた足で「食べ飲み処 ばくばく」に来た俺は、何杯目かのビールをぐびぐびとあおって言った。
「いやさすがに初めましての女の子と会うのにそのファッションはまずいって」
竜さんは楽しそうに笑って言った。
「このセットアップ高かったんですよ!今回は気合を入れたんですから」
俺は次に女とデートした時の為に一念発起し、ブランド物のセットアップを購入していた。
「最初に会うのにその服は向いてないよ、なんでペイズリー柄なのさ。しかも妙にピッチリしてるし。女の子まあまあびっくりしたと思うよ」
暗い顔をする俺を竜さんはおもちゃを見るように笑っている。
「じゃあ違う服装ならブロックされなかったって事ですか?」
「おそらくね。たいがいの女の子って結局普通が好きなんだよ。基本的に尖ってるのは好きじゃないと思ったほうがいい。
だから男の服装なんて上下ユニクロで靴は白のエアフォースワン履いてりゃいいんだよ。髪型は普通のセンター分けで2ブロックにしてれば大丈夫。長髪と短髪はモテには不向きだね」
「そういうものなんですか…」
まだ落ち込みから立ち直れていない俺に竜さんは
「次の子と会う時は上下ユニクロで行ってみなよ、たぶんブロックなんかされないから」
と言ってくれた。
「ちなみにさ、そのセットアップいくらしたの?」
「四万です」




