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第1章 バラが舞う 第1話

灯里side



「 私これからどうなっちゃうの…?」


私は、これまでごく一般的な家庭で育った。フツーの公立の小学校に行ったし、中学校も地元のフツーのとこだった。


それでも楽しく過ごしてきた。お母さんとお父さんが支えてくれてたおかげだ。


お母さんは専業主婦で、毎日明るく灯里を支えた。お父さんは口は少ないけど私のことをしっかり見守っていてくれた。


少なくとも私は幸せだった。


それなのになぜお嬢様になったのかって?

私もまだよく理解できていないんだけど、最近 祖母から突然電話がかかってきて…


「 お前は実は養子で、本当の親に15歳になるまで育ててくれ、と頼まれていた。だから、4月からは本当の親の元へ戻り、聖ジブリール学園に行って、お嬢様として新しい道を歩むのだ。 」


と言われたのだ。正直 何を言われたのか分からなかった。


お母さんとお父さんは本当の親でなかったという事実も悲しく、本当の親がどのような人なのかも気になった。


お母さんとお父さんは


「 私たちも悲しいわ。最初は頼まれたから仕方ないと思っていたけれど、ここまで大きく育ってしまうと離したくなくなるものね。今まで私たちと過ごしてくれてありがとう。」


と言ったのだから、やっぱり悲しくなった。


しかし、祖母の言われたとおり、本当の親の元へと戻り、聖ジブリール学園?という学校に行かなければならない。


そんなこんなで、私は戸惑いと悲しさを胸に、新しい家へときたのだが…なにこの豪邸。

門はあるし、噴水とかなんかあるよ!?

教科書で見たことあるよ、こんな感じの宮殿。なんだっけ、ヴェルサイユ宮殿。あれみたい。


すると門が勝手に開いた。


「 わぁ…っ、すごい… 」


そっと足を踏み入れると、フワッと花が舞った。この花は…?


と、入ってすぐに男の人が立っていた。


「 やぁ、灯里。大きくなったな」


あれは… 本当のお父さん…?

スーツを着ていて、顔は剣幕そうだが、優しさを含んでいた。


「 こ、こんにちは。えっと… 」


お辞儀をして挨拶をするが、緊張のせいか、かしこまってしまった。


「 ハハッ、無理もないな。しかし、心配しなくていい。私のことはこれからお父さんと呼んでいいのだぞ。」


と笑顔を向けて私に握手をしてきた。


「 あら… 灯里ちゃん写真で見せてもらってはいたけど、こんなに可愛らしくなったのねぇ。 」


お父さんの後ろからヒョコッと美しい、長いブロンドの髪が目立つ女性が出てきた。これはお母さん…だよね?


「 あ、こんにちは。えっと、お母さん…? 」


と、疑問形で挨拶してしまった。間違えた…


「 まぁまぁ!灯里ちゃんからお母さんって呼ばれちゃったわぁ!可愛いわねぇ〜!」


咄嗟にハグをされてしまい身動きが取れなくなった。


「 こらこら、お母さん。灯里が苦しがっているじゃないか。」


「 あら、ごめんなさいね。灯里ちゃん大丈夫?」


「 あ、いえ!大丈夫です。」


なんだが、怖かったけど優しそうな感じの人で安心した。


でも どうして私を15歳まで預けていたのだろう?


「 あ、あの… どうして私を今まで違う両親と住まわせていたのですか?」


すると、2人とも急に真面目な顔になった。ヒソヒソと2人で話し始めた。聞いちゃいけなかったかな…?


すると、お父さんが口を開いた。


「 そうだね。少し複雑な事情があるんだが、私たちでは育てられなかったんだ。それで、私の会社で信頼をしていた、君の元お父さんに頼んだんだ。15歳まで育ててくれ、ってな。」


元お父さんの会社の人…?関係がよく分かんないな。


「 複雑な事情って言っても変なことじゃないのよ。私たちが自立できなくて、少し時間が欲しかったの。それで灯里ちゃんを預けてたの、ごめんなさいね。 」


お母さんは申し訳なさそうに微笑んだ。


「 本当に急にこんな風に戻してしまって申し訳なかったな、灯里。」


なんだか私は複雑な思いをもったけど、こうして本当のお父さん達の元へと戻ったのだから、その事実に目を向けなければならない。


「 それで、灯里。祖母から聞いていたと思うが、お前は4月高校生だな。聖ジブリール学園に入学してもらうな。 」


「 あ、はい。その… 聖ジブリール学園って、どんなところなんですか?」


「 うーん… 聖ジブリール学園はお母さんの母校で、女子校だ。さまざまなお嬢さんがたくさんいらっしゃるよ。」


うーん、女子校なのか。少し怖いなぁ。


「 灯里ちゃん、聖ジブリール学園はとても良いところよ。1度入学前に見にいくといいわ。」


クスクスと笑いながら話してくる様子は可愛らしい少女のようだった。母校というのだから、昔のことを思い出したのかもしれない。


「 分かりました、それで… 私はどのように生活すれば…? 」


「 あぁ、それは心配ない。お前にはこの淑女、フィアナに付いてもらう。身の回りのことはフィアナに任せればよいぞ。」


と、後ろに立っていた、優しそうな女性は私に向けてお辞儀をした。これって、あの、まさかのメイドさん?


「 お目にかかります、灯里お嬢様。わたくしフィアナと申します。なんなりとお申し付けください。」


ひゃー!すごい、本当にメイドさんっているんだ…


「 あ、こ、こちらこそよろしくお願いします!」


ガバッと礼をしたせいで髪の毛に舞っていた花びらがついてしまった。


その光景を見てお父さんとお母さんは笑っていた。


「 じゃあ、これからよろしくな、灯里。」


あぁ… これから私の生活はどうなるのだろう…


遅くなりました。

やっと本編に入りました。

すっっごくマイペースに進めていきます…

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