対面前
翌日、早速看破を行うためにギルドの対談室を使いそこに今回の対象をそこに呼ぶことになった。
「じゃあ俺はどうすればいい?」
俺は先に対談室に入って待っているアヤに、自分は何をするのかを聞く。
「そうですね……ナオヤさんは私の横で、件の冒険者さんが何かしそうだったら止めに入ってこれるようにしておいてください」
「それはいいんだが……彼女はどうする?」
俺とアヤが話しているのを嫌悪感剥き出しに、警戒心マックスでこっちを見てくる女騎士を親指で指差す。
アヤはその女騎士を見てため息をつき、話しかける。
「ミネルバ、いつまでナオヤさんを目の敵にしているのですか?」
ミネルバと呼ばれた女騎士はすごい勢いで俺を指差して大きな声を出す。
「アヤ様!こいつは貴方様に無礼なことを言って侮辱したんですよ!!」
確かに初めて会ったときにかなり失礼なことを言ったが、アヤも気にしないと帰るの前に謝ったときに言っていた。だからミネルバが何かいう筋はないはずなんだが……
そのことをミネルバに言ってみると……
「うるさい!たかがCランクの冒険者が私に口出しするな!!」
と言われてしまった。
結局はアヤに注意されても気に食わなかったのか、そのまま対談室の入り口の方を警備すると入って部屋を出て行ってしまった。
「……あの護衛はいつから?」
「もう彼女と一緒に行動するようになって半年になりますが…いつもあんな感じなんですよ……」
声がかなり疲れたような声色をしていたので、かなり苦労してきたのだろう。
それにしても……
ミネルバの魔力が不自然なくらいに乱れていたのは、たんに彼女の気が短いからだろうか?
♢♢♢
それから今回の看破対象の冒険者の資料をアヤからもらった。
名前はサリン、性別は男、冒険者としての活動は意外にもまだ初めて三年ちょい。魔法は使えないが迷宮から手に入れた雷を発生させ、操る魔法が付与された魔法剣を所有している。町でのサリンの評価は冒険者からの評判はいいが、住民からの評価はそこまで良くはない。
なんでも高圧的な態度で宿屋には何かあったら文句を入れて、食事の味が気に入らなかったら金を払わず帰るなどかなり迷惑なことをしているようだ。
だが冒険者ギルドに苦情を入れるとサリンが苦情を入れた本人に取り消すよう圧力を入れるらしい。
なんともまあ……。
「なんでこんなのを冒険者ギルドはBランクに上げたんだ?」
「それは私も同意しますが……どうやらコネのようで」
「なんだよそれ……」
上層部に何か黒いものを感じるんだが……
「そんなんで冒険者ギルドは大丈夫なのか?」
「……今回はそのコネのことも含めての不正調査なので」
そっとアヤは目を逸らす。
そんなんで大丈夫なのだろうか?
それから今回のことをしばらく話していると、ミネルバがノックしてきた。
「アヤ様、サリンが到着したそうです」
「わかりました。ではこの対談室に通してください」
アヤがそう言うと対談室の扉が開いて、ミネルバと一人の男が入ってきた。
さて、仕事開始だ。




