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本当にすぐに終わらない

おっさんの首を刎ねた七葉は俺の方に歩いてきて話しかけてくる。

 

 「終わったわよ直也」


 「そうか?よくおっさん見てみろよ」


 「何をいってんの、変態ならさっき殺したでしょ……」


 俺が指をさした方を見ると首がなくなったおっさんの体が気持ち悪い動きで起き上がってきていた。


 七葉はその光景を見て思わず「キモ!?」と声を上げている。

 だが俺はそんな七葉を見ながら白鋼と黒鋼を出して警戒する。おっさんの体に流れる魔力が七葉と戦った時のものとは別物だったからだ。


 しかもこの魔力には覚えがある。


 「……直也」


 「ああ……光輝の魔力だ」


 七葉も俺の態度を見て確認して、魔力を感じ俺に話しかけてくる。

 

 「俺が相手する。だからいまだに戦っている白花さんを助けてこい」


 「……わかったわ」


 俺の言葉を聞いて七葉はなにか言いかけたが、すぐに白花さんの助けに向かった。


 俺はその姿を見送った後、起き上がってきたおっさんの体に話しかける。


 「なあ、そこにいるのか?光輝」


 『……久しぶり、直也』


 おっさんの体から首から上がないのに声が発せられる。

 その声はひどく懐かしく……俺には憎悪が湧くような声だった。


 「生きてたなんてな。あの時俺が殺したはずなのに」


 『僕もあの時は本当に死ぬかと思ったよ、でも今こうして生きている』


 おっさんの体をどこかで操作している光輝と話すが、個人的にはさっさと終わらせたかった。


 「それで?何が目的なんだ、今のお前は」


 『……神との完全なる融合、そしてこの世界のやり直しだよ』


 「やり直し?」


 光輝はおっさんの手を大きく広げながら高らかにそう宣言し、俺はその言葉に疑問を思う。神との完全なる融合はまあわかる、実際前の召喚の時にあいつは神をくらい不完全だが融合を果たした。不完全だから俺も光輝を殺すことができた、完全な融合を果たした後また戦争でも始めるんだろうと思っていた。


 だが、聞こえた言葉は「やり直し」。

 


 『そうさ、もう一度僕たちが召喚された五百年前に世界の時間を戻し、今の経験値を持ったままやり直すことで今まで死んでいった仲間たちの死を回避してみんなが幸せな世界を作るんだ』


 光輝はさも正しいかのように言うが、俺の中には嫌悪感しか出なかった。

 

 『どうだい?直也、君もこっち側に来ないかい?』


 「は?」


 俺は光輝が言っていることが理解できなかった。

 

 『君も神の力を左半身に宿している、要するに君は僕の状態に似ているのさ。つまり君も神と完全に融合する資格を持つということ』


 「確かに俺は半身に模倣したお前の中にある神の力が宿っているが、それだけで俺がお前側に行くと思ったのか?」


 『君もたくさんの仲間を失ったはずだ。彼らを生き返らせたくないのか?』


 確かにそう言われると共感できる部分はあるかもしれない。

 だけどな……


 「そうだとしても、俺はお前側にはいかねえよ」

 

 『何故だい?君は仲間の死を、一番悲しんでいたじゃないか』


 俺の反応に驚いた感じの声色で答える。

 

 「確かに死んでいったあいつらが生き返るなら嬉しいし、その方が幸せかもしれない。だけど、それじゃあ今生きている奴らはどうなるんだ?お前の考えは俺と仲間たちが掴んだ平和を一旦なかったことにしてしまうんだよ」


 俺は黒鋼と白鋼に魔力を流し形を大剣に変化させる。

 そして前の召喚で死んでいった仲間たちを思い出しながら両手に力を込める。

 

 「だから、俺はあいつらが必死にもがいて掴んだ平和を壊すような考えのお前側になんて……行けない!」


 俺はそう叫んで、おっさんの体に走り出した。


 

 


 


 

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