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直也に休みはないようだ

肉塊に向かっていくと触手を飛ばしてくる。

 俺は神無月でその触手を切り落とし、走るスピードを落とさないで向かっていく。先ほど刀身を見てみたが聖剣なだけあり、応用で強化してあるので腐食でボロボロにはなっていない。

 

 腐食しないのに動揺したのか肉塊の動きが少し鈍る。

 その隙を見逃さず一気にそばに近づき肉塊を切りつける。

 

 嫌な感触とともに赤い体液が噴き出すが、そんなの御構い無しに俺はさらに切りつける。声を発するための声帯がないせいか気持ち悪い動きで痛みを表現している。


 思ったよりは強くなく見掛け倒しかと思ったが、嫌な感覚がまた走ったので一旦下がる。


 すると肉塊は姿をぐちゃぐちゃと変え始める。

 動きが治る頃には人型になっていた。


 肉塊は触手を背中から生やしながら右腕らしき場所に刃を作る。

 どうやらあの肉塊にはある程度の知能があるらしい、それに変化能力まであるときた。なんとも面倒なことで。


 俺は人型になった肉塊と刃をぶつけ合う。

 どうやら腐食させる効果はなくなったようで地面は腐食しておらず、剣戟での勝負らしい。しかもこ肉塊はかなりいい素体を使っているらしくかなりの剣戟をしてくる。魔物にされる前はかなりの剣士だったに違いないほどの剣の太刀筋を見せ、俺と打ち合ってくる。


 しばらくそのまま打ち合った後、肉塊は触手まで使った攻撃をしてきた。そうやら剣戟だけでは勝てないとわかったのだろうが、大して関係ない。


 身体強化魔法の「俊足」「金剛」「剛腕」で身体を強化した今の身体は簡単に触手を見切れるぐらいの動体視力は普通にあるし、引きちぎるくらいの腕力と頑丈さもある。触手の攻撃が増えても俺は大して苦労しないで切り落とし、引き千切り、蹴りや拳なども使って戦っていく。


 徐々に押され始めていく肉塊は焦ったように動いている。

 そのまま十分ほど打ち合っていると、肉塊が一瞬隙を見せた。

 俺は人型の肉塊の腹に深く横薙ぎに切りつける。


 肉塊は腹を抑えながら離れようとするが、逃がすわけがない。

 俺はあらかじめ発動待機状態にしておいた「監獄」で愚者の鎖を発動させる。


 鎖は肉塊の左足の方に巻きつき体勢を崩させ、大きな隙がを作らせる。


 俺は鞘に収めて、神無月の刀身にさらに魔力を吸わせて居合の構えを取る。


 「一閃……『風牙』」


 俺はそう呟いて神無月の柄を握る。

 すると大きな風が起きて肉塊がバラバラになった。


 そして俺は神無月を鞘から抜き放ち、振り切った姿でその肉塊の最後を見届けた。



 










 「それにしても、さすが500年後の世界。魔法や魔物がや弱くなったのは未だに謎らしいが、技術がすげえな」


 肉塊との戦闘を終わらせた俺は、肉塊が開けた穴の中にあった研究資料を読んでそう言った。


 どうやらあの肉塊は研究者の部屋に入った侵入者を排除する役割と重要な資料を警護する役割を担っていたようで肉塊が収納されていた壁の中に最重要の研究資料を見つけた。


 それは、データの中身を読み取る限りはただの肉塊だった人間の魔物に、様々な効果を付与する方法とその製造方法だ。でも何か足りない部分がある。


 製造方法は半分だけで、多分もう一つ何処かにある半分を組み合わせると本来の資料になるのだろう。

 

 多分研究室にはなく七葉たちが探している地上の屋敷の中にあるはずだ。

 俺は地上の様子を見てこようと地上に向かう階段の場所を目指し歩いていると地上で大きな魔力が動いているのがわかった。

 魔力の反応からして……七葉、どうやら戦闘をしているらしい。


 「はあ……休まる時間がないなあ……」


 俺は急いで地上を目指す。


 



 どうやら俺に休みはないようだ。

 


 


 

 


 


 

 

 

 

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