作戦開始「白花視点」
今回は白花鈴の視点で書いてみようと思います。
始まるところは直也と別れて、七葉と研究資料などを集めているところからです。
では、どうぞ。
私と白崎さんは直也くんがクリアリングしてくれた部屋を一つ一つ漁って、今回の研究資料を探していた。
「うーんなかなかないわねえ……」
白崎さんが部屋の中にある本や紙を見て唸る。
私も何か研究の資料らしきものがないか探すが、あまり成果はいいとは言えない。
「やっぱり研究所である地下にあるのかしら?」
「でも今伊澄くんが今そっちに行ってるんだよね?」
「そうよ、今警備の人たちを始末しながら下に向かっていると思うわ」
白崎さんの言葉に私は少し動きがとまってしまう。
先ほど、直也くんが部屋を制圧した時に始末したらしき警備の人死体を思い出す。
どれもナイフで一突きで死んでいた。
しかもどの死体も同じ場所を突き刺してあった。
どれだけ人を殺す経験をすればあそこまで正確に同じ場所を突き刺せるのだろう。でもそれがこの世界の常識だ、命は日本と比べて軽く扱われている。
そんな世界に今いることに足がすくみそうになるが、今はそんなことで立ち止まってはこれから二人についてはいけない。
私はしっかりと気合を入れて研究資料を探す。
すると一枚の紙を見つけた。他のものとは違い見慣れない魔法陣のようなものが描かれている。
「白崎さん。これ」
「ん?……すごいわ白花さん。お手柄よ」
そう言って白崎さんはその神の魔法陣に手を置く。
すると魔法陣が輝きだしてゲームで見るようなSFじみたウィンドウが現われる。白崎さんはそのウィンドウをスライドして写っている文字を読んでいく。
一応、私も召喚されたことでこの世界言語は自動的にわかるようになっているが専門用語などが使われているのか読めるがよくわからない。
でも真剣にその資料を読んでいる白崎さんを見るとどうやら今回の研究の資料らしい。
その資料を死んでいく白崎さんの顔がだんだん険しくなっていく。
「マズイわね……」
「え?」
「私と直也が召喚された時は、まだ人間の魔物化はできたけど異常な再生能力しかなかったんだよね。でも、この研究資料を読んでみると今の研究状態なら他の能力をつけれるみたいなのよ……」
私の方を見ながらそう説明してくれる。
だが私の知識がまだあまりないのに気がついてか、さらに追加で説明してくれる。
「この研究で生まれた魔物には、備え付けの再生能力の他に別のオプションとして他に能力をつけるってこと。例えば……」
そして白崎さんが例を言おうとした時、私たちの後ろから声がかかる。
「強酸性の液体を噴射できるようにしたり、身体に触れた場所を腐らせるとかね」
「「!?」」
私たちは驚いて声のする方を向く。
そこには白い白衣と女性服をきた……ガチムチのおじさんがいた。目も血走っていてなんかはぁはぁ言ってる……
「「変態??」」
私と白崎さんの言葉がかぶる。
するとおじさんは顔を真っ赤にしながらおこる。
「誰が変態よ!!私は天才科学者イター・ヘンよ!」
「「やっぱり変態じゃん」」
「ムキー!!!」
私たちの言葉で地団駄を踏むへんた…イターさん。
漫才のような掛け合いをしながらも、私は腰にある短剣に、白崎さんは髪留めに手を掛ける。警戒は怠ってはいけない、なぜなら先ほどまでそこにはいなかったのだから。
私たちの反応にイターさんはいきなり真顔になって話だす。
その姿はすごく不気味だ。
「良いわね……あなたたちみたいな可愛い子たちをあの肉塊に帰るの、すごく楽しそう」
「言ってなさい。逆にその研究資料を燃やしてあげるわ」
髪飾りを魔法の杖に変え、イターさんに構える。
イターさん自身も拳を構え、私たちを見据える。
「じゃあ、いくわよ?」
私も短剣を抜き放ち、覚悟を決めて走り出してくるイターさんを白崎さんと迎え撃つのあった。




