ルー・ブライア
「ひしぶりナオヤ」
「久しぶりだなルー。少し背は伸びたか?」
部屋に入った瞬間抱きついてきたかつての仲間、そしてバンピィの祖母であるルーに話しかける。身長のことを頭を撫でながら聞いてみる、これが俺たちの挨拶だった。
「伸びてないわよ!見たらわかるでしょうが!!」
「相変わらず身長のこと聞かれるとキレるのな…」
お互いに少し笑いながら、すぐに真面目な顔つきになる。
一応、ちゃんとした再開だしな。あの時の約束を果たすとしよう。
最初に話したのはルーだった。
「剣の勇者ナオヤ・イスミ殿。今回、我が孫バンピィ・ブライアのクラド帝国からの送還の任務を受けてくれて礼を言う。……そして、500年ぶりにかつての友、兄貴分に再び再会できたことを本当に嬉しく思う」
「ありがとうございます、カイエ領主ルー・ブライア様。剣の勇者、ナオヤ・イスミ500年の時を経てこの異世界に帰ってきました。私もかつての友人、ましては妹分に再び再会できたことを嬉しく思います」
「「……ぷっ」」
少し真面目な雰囲気を漂わせていたが、すぐに俺とルーは吹き出してしまう。
「クク……やっぱだめだ…クク」
「ふふ……そうね、やっぱり私たちには似合わな…ふふ」
そういって俺たちは笑ってしまう。
笑う前のやりとり、これは最初の召喚が終わって帰る前に約束したことの一つである。帰る前にお互いに再会したら一回だけ、真面目な雰囲気で少しやってみようと話していたのだ。
「やっぱ普通に砕けた話し方にしようぜ?」
「そうね……じゃあ改めて久しぶり、ナオヤにい」
「久しぶりだな。その呼び方も」
最初は普通にナオヤって呼んでいたのに。
「やっぱりこっちの方がしっくりくるもの。今は確かに私の方が年上だけど、兄貴分なのは変わらないし」
「それもそうだな」
それからはしばらく、俺がまた召喚された理由やクラド帝国での一悶着。
そしてアルメリアとの再会(魂だけ)とかを話した。
ルーもこの500年であったできこととかを大まかにだが説明してくれた。
そして20分ほど話して、俺は気になったことを聞くことにする。
「そういえばルー、お前あんないい男どこで捕まえたんだ?」
「え?」
「アルレルだよ」
俺が名前を言うとルーは顔を真っ赤にしてあわあわしだす。
「なっなんで知って…」
「だって俺たちをか家まで送り届けてくれたのアルレルだし」
「え!?」
聞いてなかったのか驚くルー。
アルレル…多分あいつの悪戯だろう。
「それで?アルレルとはどこで出会ったんだ?」
「……アルレルとは幼馴染。昔から仲良くしてもらってた貴族の息子だった」
「ほーう。それでそれで?」
妹分の恋愛話は面白そうだ。
ニヨニヨしながら話を続けるように促す。
「あの戦争が終わったあと…私も魔族の貴族だし、結婚しなくちゃってなって……お見合いすることになったんだけど」
「それがアルレルってことか?」
「……うん」
ふーん、まあ日本ではお見合いなんて上流階級の話だから実感ないけどこっちの世界じゃ当たり前だったな。
「それで?」
「私はもともと結婚する気なんてなかったし最初は断ったんだ。でもアルレルは私が初恋だったみたいでずっと好きでいてくれたみたい。諦められないからってずっと私にアピールしてきて…」
「根負けして結婚したら自分がぞっこんになってたと」
「……はい////」
俺の一言に耳まで真っ赤にして頷くルー。
いやーそれにしても……
「ルーにそんな乙女チックな一面があるとは思わなかったなー」
「なっ?!何よそれ!!まるで私が乙女じゃないみたいじゃない!!」
「だって俺が知ってんのはわがままが服着て歩いているような感じぐらいしかないからさ。ちゃんと青春してるんだなーと思って」
「うがーー!!何よ!ニヨニヨしないでよ!!吸い尽くすわよ!!」
どうやら恥ずかしくなってきたのか叫んでいた。
いいな…こういうの。
少し寂しくもあるけど、ちゃんと幸せに暮らしているのを見るのは。
俺は顔をまだ真っ赤にして叫びながら言い訳しているルーの姿を見ながら、和むのだった。




