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洞窟迷宮1

 俺とバンピィがずぶ濡れになる原因は、少し前に遡る。







 


 ♢♢♢


 「おいバンピィ!勝手に奥に進むな!」


 「大丈夫じゃ!私は夜目が聞くから!」


 カイエにバンピィを送り届ける途中にある洞窟迷宮の内部、俺は走り回るバンピィを俺は追いかけていた。


 結局バンピィは約束を守らず、俺の前に出て勝手に先行している。

 さすがはルーの孫というのわけか。


 全く嬉しくない。


 「だから俺より先に行くな!お前はこの迷宮の罠とか知らないだろう!!」


 「大丈夫じゃって、私に限ってそんなことはーー」


 バンピィが言い終わる前に足元からガチャンと大きな音が鳴る。

 下を見ると大きな落とし穴が口を開けていた。


 「え?」


 「だから言ったのに!!」

  

 俺はいきなり現れた落とし穴に驚いて動きが遅れ落ちそうになっているバンピィの腕を掴む。ギリギリ間に合った……。


 「全く、だから言ったんだ……」


 「すまんナオヤ、助かったのだ」


 「じゃああげるぞっ……て、ん?」


 バンピィを上げようとした時後ろから音が聞こえたので振り向く。

 するとさっきまで通路だったところから大量の水が流れてきていた。あっ、そういえばこの辺りの罠は水流式だった。


 「バンピィお前泳げるか?」


 「泳げんが……なんでじゃ?」


 「じゃあ……俺から離れるなよ」


 俺はそのまま落とし穴に落下し、バンピィを抱きかかえ流れてくる水流に備える。すぐに俺たちを激流が俺たちを飲み込み、息ができなくなる。

 

 「!!??」


 バンピィはいきなり泳げない水の中に入ったことで混乱しているのか暴れる。

 だがこんな激流の中で離れると追うのが難しくなる、俺はさらに力強く抱え離れないようにする。


 それからしばらく、俺たちはその激流に揉まれていた。















 で、激流からなんとかバンピィを抱えたまま逃げて現在、説教をしていた。


 「まずは反省してくれ、この洞窟迷宮のは強い魔物は出ないが罠の数が多いんだ。何も知らないでいくと詰むようなものもある」


 「……はい」


 「俺は平気でもお前は死ぬ可能性がある、だから本当に勝手な行動はしないでくれ。お前が死んだりなんかしたら俺がお前の婆さんに殺される」


 「……わかった」


 まだ気にしているのか、うつむいたまま気分が暗いままのバンピィ。

 俺はバンピィの頭に手を乗せて、優しく撫でる。


 「反省してくれているのなら別に怒りはしない、だからいつもどうりにしておけ。その方がお前らしい」


 「…わかった」


 それから少し笑いながら答えてくれるバンピィをいて安心する。

 

 「よし、行こう。この場所からなら最短ルートで行こうと思えば行けるからな」


 「わかったのだ!ナオヤ」

 

 「今度は勝手に前に出るなよ?」

 

 「う……出ないのだ!」


 俺は少しバンピィを茶化しながら外へと向かう。

 さてと、迷宮はまだまだ先が長い。しっかりした意思を持ってもらわないとこの迷宮は難しいんだ。





 ♢♢♢



 この洞窟迷宮は大きく分けて三つの階層からなっている。

 現在、俺たちがいる第一下層、流されるまでいた上層、そして俺らのいる第一下層よりさらに下にある第二下層だ。


 今回、俺はさらに下の第二下層に向かっている。

 その理由は第二下層にはこの山を一気に越えることができる転移魔法陣があったはずなのだ。


 確かアルメリアが五百年前の戦争の時に迷宮に入り込んできた敵軍を奇襲するために作ったらしい。確か魔法の道具の結界で劣化の心配はないかと思われる、まあ魔法で保護しているのだから確実に劣化はしていないだろうけど。最悪の場合心の中にいるアルメリアに聞いて直せばいい。


 

 俺はそう思いながら洞窟迷宮の中を進むのだった。


 











 「なあ、ナオヤ。ここは迷宮なのか?」


 「?そうだぞ」


 「ならなんで魔物がいないのだ?」


 「ああそその事か。ここのダンジョンコア、転移魔法の魔法陣に魔力を供給するために改造してあるんだそうだ」


 この迷宮には魔物はいない。

 転移魔法の魔法陣に供給するための魔力がそのダンジョンコアの魔物を生成する機能を潰して余った部分の魔力を使っているからだった。


 「もともと魔族しか知らなはずの迷宮だしな。基本的に地下へ続く通路を知らないとここはただの洞窟だ。迷宮に区分されるのはこの第一階層と第二階層だしな」


 「そうなのか…ん?なんでナオヤは知ってるのだ?」


 そういえば俺が前の召喚で召喚された勇者だってこと教えてなかったな。


 「ああ、それはーー」


 簡単に俺が前回召喚された勇者であること、そしてバンピィの祖母であるルーと仲間だったということを話した。


 「え!?そうだったのか!?」


 「ああ、教えてなかったな」


 「ナオヤが剣の勇者だったなんて驚いたぞ?」


 「そうかい?」


 「なあなあ、昔のルーお祖母様はどんな人だったのだ?」


 「わがままが服着て歩くようなやつ」


 「え?そうなのか?」

 

 「え?違うの?」


 「お祖母様はとっても優しいのだ!たくさんお菓子も血もくれたのだ!」


 「ええええ!?」

 

  あのルーが?嘘だろ!?


 「そ、そんなに驚くのか?」


 「だって俺の中で知っているあいつは傍若無人で、わがままで、すぐ泣く、精神年齢が10歳ぐらいから変わってないようなやつで……」


 「そ、そんなに……」


 俺がブツブツいうことに逆に驚いているバンピィ。

 いやだって……なあ?


 『私も驚いたわ』


 俺の中にいるアルメリアがわざわざ言うようなくらいだぞ?

 昔俺がルーのお菓子間違って食ってしまった時ぎゃん泣きしたくらいだ。


 し、信じられん……。


 あいつ…何があったんだ?

 結婚できたのもそうだけど、あいつがそんな…人に自分のものを分け与えるようなことができるわけがない。


 『あの子も成長したのかしらね』


 そうなのだろうか?



 


 


 


 


 




 どうも、椿です

 さて第二章が始まります。予定では

 第二章ではまずバンピィをカイエに送り届けた後、ルーと他の生きているかつての直也の仲間たちに会いに行く章になりそうです。ちなみにルーの他の生きている仲間は三人。


 一人はもう名前が出ているロベルト、男で七葉が少し関係ある話です。


残りの二人ももう設定ができています。

どんなキャラか予想してみてくださいね。


 ではまた(´・ω・`)ノシ




 

 

 


 


 


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