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双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


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神代からの伴侶

想像していたBBQのイメージと違う。

想像していたのは、炭火のバーベキュー台にトングで肉や野菜を焼きながら紙コップでビールを飲んでワイワイ騒ぐ。

あ、いやいや、お茶を飲む。


だが、目の前には白いクロスを敷いたテーブル。その奥では白い巨塔のような白衣のコックが完璧な焼き加減でお肉を焼き、私の眼の前にある小さい網の上に乗せていく。


そのお肉を口に入れると、溶けていくような肉ではなく、柔らかいがしっかりとした肉の旨味があり、肉汁が溢れ出す。

プロが焼いたと感じる絶妙な焼き加減だ。

カリッカリに焦げたお肉なんて絶対に出ないだろう。


周りを見渡すと、パパやママは大人達のテーブルで、花形のご両親とワイングラスを傾けながら談笑中。


雅孝爺さんとキララ婆さんは、兄さんと麻美さんとでテーブルを囲んでいる。

話題はもう曾孫についてだ。

中坊カップルにする話題ではないと思う。

まぁ、我が家にはもう少子化という問題は無いようだ。


「ごめんなさいなのにゃぁー

送信先間違えたのにゃ」

さて、見たことない猫耳金髪少女が椅子をピッタリと私に引っ付けて、何やら謝っている。

知らない人とは話さない事にしているので相手にしない。


「そうだ!

 舞は野菜が好きだから

 私の野菜をあげるのだ

 機嫌を直すにゃ」

そして私の皿の上に人参やピーマンが積み上がっていく。

嫌いじゃない。

でも、そんなに食べられないのだけど。

コックさんがじろりと睨んでいるが、こいつはお構いなしだな。


隣に座っている姉さんからメッセージが届いた。

『咲夜の絡みは面倒だから、許してあげたほうがいいよ』

問題ない。

私の中では知らない猫耳金髪少女。


『咲夜って誰!?』

完全に知らない他人だというていで私が返信を返すと、姉さんはクスクスと笑っている。


『それよりこのブレスレット何?』

気がつくと、姉さんに付けて貰ったブレスレットが変な剣に変わっていた。

この猫耳金髪少女が言う通り、銃刀法違反で捕まるかもしれない厄介なもの。

ぜひお返ししたいのだけど。


『舞に返すように言われただけだよ

 それより、前世の記憶はどれぐらい戻ったのかな?』


誰から!?

いや、なんで姉さんは私に前世の記憶があるって知ってる?


返信で悩んでいると、姉さんが肘で私をつつく。


「後で人がいないところに行こう」

姉さんが耳元で小声で伝え、少し微笑んだあと、コックさんに肉の追加をオーダーした。


まぁ、食べる事に集中しよう。


「にゃ!」

野菜が一杯積まれたお皿を隣の猫耳金髪少女に突き返すと、こいつは相当嫌みたいでグイグイと押し返そうとする。


「野菜嫌いなんて子供。

 ちゃんと食べないと太る。」


「にゃあ!

 咲夜は子供じゃない。

 十分発育しているにゃ!

 子供は舞の方なのにゃぁー」


む。

この他人はシャツを開けて誇らしげに、胸に巻いたブラジャーなるものを見せつけてきた。


ちっ。

恥じらいというものはないのか。


「咲夜様、はしたないですわ!」

小華が立ち上がって注意し始めた。

もっと言って。

いや、いっそ追い出してくれないかな?


ただ、小華をよく見ると顔色が良くない。

大丈夫かな。


「お嬢様。

 気分が悪いのですか?」

ずぶ濡れだった美人さんが心配そうに声をかける。


「そうですね。

 少し寒気がしますわ。」

やはり具合が悪いようだ。


「大丈夫か?

 無理せず休んだほうがいいぞ。」

高柳さんが心配そうに声をかけると、彼女はほほ笑んで返す。


「肉は私がしっかりいただくにゃ」

そして欲望に忠実な猫耳金髪少女は、小華の前の網に乗ったお肉を光の速さで回収し始めた。


「申し訳ありませんわ。

 私、部屋で休ませていただきます。」

部屋に戻るようだ。

心配なので、一緒について行くと伝えて席を立つと、姉さんも一緒に来るようだ。


結局、小華は私達とは別の部屋で休む事になったので、自分達の部屋に移動した。


丁度いい。

姉さんには色々疑問がある。


「さて、姉さん。

 私に前世の記憶があるとどうして知ってるの?」


「隠し立ては無しにするね。『旦那様』」


旦那様!?


姉さんの右手に錫杖が現れ、くるくると回した後にどんと床に立てて、ポーズを取る。


「生まれは高天原!

 未来を知り、心の裏の裏を探り当てるはお手のもの。

 葦原下りた若日子ワカヒコが、うつつを抜かすその門へ

 使いに来たりし 雉の鳥 『不吉な鳥』とそそのかし。

 天の返矢降らせし始末

 神の御心に逆らいて、世に蔓延し天邪鬼!

 神話に名高き 裏切り者!

 堕ちた女神!

 天探女あまのさぐめたァ、あたいの事だァッ!!」


・・・


「え、え~と。

天邪鬼?」


「そっちじゃない。」


「天野サグメ(あまのさぐめ)?」


「それは一つ前の前世であなたの妻だった時の私の名前。」


夢に出てきたあのサグメさん!

つまり、前世の嫁が今の姉さんという事か。


自称女神らしいから、あ、そういえばワカヒコ様の時のかな。

ということは、イケメンのおじさまの夢で見たサグメ様ってこと?


「自称じゃない。

 自分の事をイケメンって、ナルシストなのかな。

そう、その黒衣の美女が私」


自分だって、美女って言ってるんだけど。


「事実だからね」


あ、心読まれてる。

ちょっと嫌なんだけど。


「私の目を見ないか、話をしなければ、結構読みにくくなるかな」


まぁ、話下手な私にとってはある意味便利かもしれない。


「そういう風に考えるのは、やっぱり旦那様位かな」

姉さんは嬉しそうにクスクス笑っている。


確かあの夢では、サグメ様は裏切ったワカヒコ様を騙して返し矢で成敗したんだっけ。

姉さんは名高い裏切り者って言ってたけど、裏切り者はワカヒコ様だよ、ちょっと違うと思う。


「あ〜、いや、それじゃなくて。

嘘ついて他の神様達の個人情報をガッツリいただいてしまった事で、嘘つき!裏切り者!という事になったんだよ。

神話でさぁ、上手く切り取られて、私、めちゃくちゃ言われてるのよね。」


あ、そんな事を夢で言ってた。

寂しそうな顔で言っているのを見ると、ちょっと胸が痛いな。


あ、そういえば、心を読むなら私のスマホのチェックとかいらないんじゃ。


「神通力っていうのは少しずつ覚醒するからね。

もうスマホは見せなくていいよ。

わかるようになったから。

個人情報見放題だからね」


個人情報見放題って……。


えっと、私はあのおじさまという事?

でも自分の姿を離れた所から見るような夢っておかしくない?


「それはあなたの神通力の一つ『千里眼』の力だよ」


神通力!

わ、私にもそんな特別な能力があったのか!


そういえば、前世のイケメンおじさまの名前って何ていう名前なのかな。


「自分の神名を思い出す事で旦那様の神通力は完全に覚醒する。

だから教えてあげない。」


そうなんだ。


「あ、でも、忠告。

 今度はあの女に情けはかけない事。」


あの女?


「ワカヒコの嫁。

 ペットショップで襲われたお化けの親玉のこと。

 あの女は武神であり雷神でもある。

 とにかく強い。

 旦那様はあの女に勝ったのに、ワカヒコが★になったことを悲しむあの女の涙に絆された」


おじさまは優しいんだな。

いや、流石ははるか昔の私。

イケメンだし慈悲深い。


はっ。

やれやれという感じ。

何か問題あるの?


「その後、あの女にヤマタノオロチをけしかけられて、旦那様は瞬殺されたけどね」


そ、そうなのか。


「ヤマタノオロチはもういないけど、あの女は私に呪いをかけているのよね」


どんな呪い!?


「私の旦那様になった殿方はワカヒコと同じように★にする呪い。」


・・・


姉さんの旦那にあのお化けが襲ってくるのか。

怖いな。

可哀想に一生喪女確定じゃないか。


「旦那様と私は『永遠に伴侶』になるという誓いがあるから、転生しても無駄無駄無駄ぁ。

なわけ。

ずっと狙われるのは舞なんだよ?」


げ、私はか弱い女の子なのだけど。


「ヤマタノオロチに負けてから今まで、何度も転生したけど旦那様の神通力は全く戻る事はなかった。

今は戻り始めている。

神通力が戻れば、元々、旦那様は戦闘特化の守護闘神。

あんな呪いの亡霊程度なら間違いなく勝てる未来しか見えない。」


そ、そうなんだ。

未来が見える姉さんなら、勝ち確定って事だよね!?


あれ!?

なんで目をそらすの!

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