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双子美少女姉妹の妹の方にTS転生してしまったわ  作者: はるお


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巨大な蛇

目の前の大きなモニターには、私の部屋の水槽が映し出され、その中をニシキヤッコがゆっくりと泳ぎ、カクレクマノミのペアがイソギンチャクをモフっている映像が映っている。

スマホを操作して給餌器を動かすと、粒餌が水槽内に落ちる。

すると、ニシキヤッコはダッシュで餌に突進してバクバクと食いつく。


カクレクマノミのペアはイソギンチャクをモフることをやめず、流れてきた餌だけパクっと食べて直ぐに戻る。

私はその映像をボーっと見ながら姉さんの話を整理する。


時間と共に記憶が蘇り、完全に戻ったら呪いのお化けは瞬殺出来る位の力があるらしい。

言い換えれば、はるか昔の記憶が蘇らないと、襲われて殺されてしまうということだ。


だけど、前世の男性だった記憶が戻るのは正直怖いし、今持っている男性とは別の男性の記憶が蘇るというのはかなり微妙。

と言うか、絶対にいやなんだけど。


神通力という言葉に少し心が躍ったのは事実だけど、はるか昔のおじさんだった時の記憶の完全版がついて来るらしい。

だけど、おじさんの記憶が戻らないと死んでしまう。


姉さんが目をそらしながら言うには、記憶は蘇らず神通力も大して使えずに死んでしまう未来が見えていたらしい。

だから、最悪の未来を伝えて、変えようとしているそうだ。

そして、今は死んでしまう未来は消えて、霧の中のように見えなくなっているらしい。


つまり未来が変わったという事なのだろう。

死ぬのは当然いやに決まってる。

姉さんは女神様の生まれかわりなら、退治してもらえないかなと考えた。

でも、前世のサグメさんの時も呪いを解こうとしたけど返り討ちにあったと言っていた。

呪いの本体は巨大な蛇で、杖をついて義足だったのはその蛇にやられたかららしい。


誰かに助力を頼めないかと考えたが、姉さんは追放された状態だったため、掛け合ってみてもそもそも会ってもらえないだろうとのこと。

私は高天原に戻らず出奔したと言う事で、姉さんと同様に主様という方に激怒されている状態だったらしい。


ただ、何度も何度も生まれ替わるたびに呪いで殺されている私があまりにも不憫だということで、この前、姉さんの案内で連れて行かれた神社で祓ってくれたウズメという女神様が、上司のウカとかいう女神様と一緒に掛け合ってくれた結果、この剣を返してくれたとの事。


このブレスレットは夢に見たおじさまの剣で、剣をイメージする事で具現化する。


何度かイメージしたら、直ぐに剣を出せるようになった。


ふぅ。


「うん。

 いい感じだね。」


「そう。」


「じゃあ、特訓しよっか」


「と、特訓!?

 突然、何を言うの」


「私を祀っている神社があるし、引きこもってた所も近いからこの辺りは詳しいからね。

 強くなってもらわないと殺されちゃうから頑張ろう」


そう言われると断れないのでついていく。

姉さんに引っ張られて、薄暗くなった外に出て、海に向かっていく。

正直、外にでたくない。

だって、なんか怖いから。


姉さんと外にでると、最初はゆっくり歩いていたが、だんだん姉さんの歩くペースが早足になっていく。


「舞!

 急ごう!」


「ど、どうしたの!?」


「追われてる。

 でも大丈夫。」


護衛の人に見つかったのかな。

流石に夜に出歩くのはよくない。


「違う!

 そっちじゃない!」


悪寒を感じるので後ろを見ると、見たことある黒い長い髪の女が歩いて追ってきていた。


「ひっ」

あ、あのお化けだ。

やばいやばいやばいやばいやばい。


「ね、姉さん。

 あ、あ、あ、あれって!」


「落ち着いて!」


そ、そうだ、警察に行こう。

懐から防犯ブザーを取り出す。


「大丈夫、私の秘密基地に入れば追ってこれない。」


それってどこ!


「あの神社!」


川を渡った先に鳥居が見える。


走りながらチラッと後ろのお化けを見ると、夢で見た巨大な黄色い大蛇が追ってきている。


「ね、ね、ね、ね、姉さん!

 へ、蛇ぃ!」


「わかってるわよ!

 もぉ!

 早く助けにきなさいよ!

 妹が!

 私の大切な妹が怖がってるじゃない!」


姉さんが大声で叫ぶ。


橋の向こう側から、茶色いジャケットにクーラーボックスを肩にかけ、疑似餌を付けた釣り竿をもったおじいさんが現れた。


いけない。

巨大な蛇に襲われる。


「お爺さん!

 逃げて!」


お爺さんは周りをキョロキョロ見てこちらには気づいていない。


くっ。

右手にはおじさまの剣、左手には防犯ブザー。

ボタンを押すと「ビービービー」と言う電子音がけたたましく鳴り出す。


これでこっちに気づいて欲しいと思ったが、どうやらすでに気づいているようで、なぜかニコニコ笑いながら私を見ている。


「エビス!

 遅い!」


え、エビス!

ひょっとして物凄く有名な福の神様!


お爺さんの側まで駆け寄ると、姉さんはお爺さんを盾にするように後ろに隠れた。


「ジジイ!

 やっちゃって。」


やれやれという仕草を見せ、釣り竿で橋の下の入り江を指し示し、そのまま黄色い蛇へと向けた。


入り江から巨大な何かが現れ、大きな口を開けて私に向かってきている蛇を咥え、橋の反対側の海へと入っていった。


巨大な物体は大きな鯨、いやあれはマッコウクジラかな。

マッコウクジラは黄色い蛇に巻き付かれながら、沖の方に向かって泳いでいく。


「おーおー!

 ずいぶん可愛くなったのう。

 ヤ「ストップ!」・・・」


ヤ?

お爺さんはニコニコと笑いながら、私の頭を撫でる。


「あ、え、いや、ありがとうございます。

 エビス様?」


「急いで秘密基地に戻るわよ!」


ん?

エビス様が呪いの蛇を退治してくれたと思うのだけど?


「あれは呪いの本体じゃないの。

 ほら!」


橋の向こう側から、沢山の黄色い大蛇が現れた。

私は姉さんの秘密基地という神社に向かって全力で走った。

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