唸れ、俺の錬金ハンマー!
カシュアの森で厳選して厳選して厳選して、俺は二種類の長細〜いバネを採集した。
種類や効果が違うバネを靴底のいくつかの場所に組み込む事はもちろんたやすいけれど、それだと最初は使い勝手が悪いだろうから、ひとつのバネを細かく切って同じ素材を仕込む事にしてみたわけだ。
これならゆずの体重の掛け方や踏み込む勢いの強さで、細かく調整が可能だと思う。
そんで、実際に使ってみて反発力を強めたいところとかにはもっと強力なバネを仕込むとか改良していけばいいし。
ゆずを採集に出して、俺は黙々と錬金に勤しんだ。
俺の錬金ハンマーが唸り、錬金釜からは異様な光が常時閃光を発している。
今回の目玉はブーツの強化だ。特につま先から脛のあたりまでの強度は相当重要だと思うんだよな。なんせゆずときたらかかと落としや回し蹴り、正面からの蹴りと使わない場所がない。全般的に金属でも仕込んでやろうかと思ったが、柔軟性が失われるのは嫌だ。
結果、この世界で最も硬度の高いウルツァイト鉱石を練りこんだ布を作ってみた。
柔軟性もあり、しっかりと足を保護してくれるいい素材ができたと思う。これを太ももまで守るベースの素材として使えば防御は完璧だろう。さらに関節がなくて柔軟性をあまり気にしなくていい脛のあたりには薄く軽く加工したウルツァイト鉱板を仕込んでやった。
つま先と足裏、踵は柔軟性よりも攻撃力重視だ。
1mmほどの厚みを持たせたウルツァイト鉱板でしっかりと補強する。表面に鋭い凹凸を作ってダメージ増を狙ってみた。見た目にはさほどわからない程度の凹凸ではあるが、擦れたりした時には威力が上がってくれる筈……上がってくれるといいなあ、結構苦労したし。
特に踵の部分は5cmほどの高さを持たせてあるからその分攻撃力も高い。バネが仕込んであるから攻撃の勢いも増すはずだ。
デザインとしては編み上げブーツが可愛いと思うから、編み上げにはしてあるが、この前ゆずに毎日履くのがメンドクサイとクレームを入れられたから、今度は目立たないところにファスナーを付けてある。布地でしっかり隠れるように作った自信作だ。
これでもう文句はあるまい。
ちゃんと自動浄化機能もつけておいた。女子力が上がったせいか、このところのゆずは注文が細かいのだ。
いや、女性陣の注文が細かいのか?
好感度管理のために女性陣とよく冒険に出かけるようになったゆずはちょいちょいご要望を聞いて帰ってくる。
やれ長期間着てるから自動浄化機能がほしいだの、いやフローラルな香りがいいだの、フリルがついててほしいだの、アクセサリーがほしいだの、言いたい放題だ。ついに化粧品の開発まで頼まれている始末だ。
……おっと、思考がそれた。
とにかく、まずはゆずのためのブーツが満を持して完成である。
ああ、早く使ってほしい。




