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Vivid World〜彩られた世界〜  作者: 竜音(ノンイン)
収集家の剣士・イヅル編
26/30

7.決闘



──ギャギィィイイインッ!


 メタリックな身体を持ったシルバリオンランサーと日本刀がぶつかり合い、火花を散らす。

 しかし日本刀が拮抗するのは一瞬のこと。

 すぐに日本刀の刀身の色が赤く変化し、シルバリオンランサーの身体をかし斬る。



「燃え尽きろ!」



 冒険者がそう言うと握っている日本刀が赤く輝き、炎を纏う。

 どうやら炎属性を付与できる〝付与能力アビリティ〟が付いているようだ。

 確かにその〝付与能力〟であれば鉱物系のモンスターであっても有効打になるだろう。

 むしろ融かし斬ってしまう時点で天敵かもしれない。



「アイツか……。なら、助けはいらないな」



 どうやら冒険者はユウヤが知っている人物らしい。

 アイツであればモンスターに負けることはないだろう、とユウヤは考え呟いた。

 むしろ乱入すれば邪魔かもしれない。



「ん? おい、劫爪ごうそう!」



 背を向け、この場を去ろうとするユウヤに気づき、冒険者は声をかけた。

 その間もシルバリオンランサーの腕を斬り捨てており、冒険者の強さが伺える。

 通り名を呼ばれ、ユウヤは渋々といった風に振り返った。



「…………なんだ」

「お前、色々な武器を持っているらしいよな?」



 振り返った先の光景にユウヤはしばし言葉を失ったが冒険者に尋ねた。

 ユウヤが言葉を失った理由。

 それは冒険者がすでにシルバリオンランサーを全て倒していたからだ。

 そんなユウヤの問いに対して、冒険者は刀を肩に当てて問い返す。



「それがどうした」

「お前の武器をかけて俺と『決闘デュエル』しろ」



 ニヤリ、と口角を上げながら冒険者は言った。

 ここで冒険者の言う〝決闘〟について説明しよう。

 〝決闘〟とは〝Vivid World〟に存在する対戦システムであり、〝クイックヒットバトル〟と〝ライフバトル〟に分かれている。

 〝クイックヒットバトル〟は選択後に60秒の準備時間が起こり、その後10カウントが始まる。

 10カウント終了後にDUEL(デュエル)!の文字が対戦者の視界に現れ、〝クイックヒットバトル〟開始となる。

 そして、この〝クイックヒットバトル〟において攻撃の威力は関係なく、どんなに威力が小さくても先に相手の身体に当たりさえすれば勝ちとなるのだ。

 つまり、純粋に速さがかなめになる。

 次に〝ライフバトル〟も選択後に60秒の準備時間が起こり、その後10カウントが始まる。

 そして、10カウント後にDUEL(デュエル)!の文字が対戦者の視界に現れ、〝ライフバトル〟開始となる。

 〝ライフバトル〟はその名の通り疑似体力制の〝決闘〟だ。

 この〝ライフバトル〟に細かい制約はなく、その時の装備品の〝付与能力アビリティ〟も使用できる。

 そして、先に相手の疑似体力を削りきれば勝ちとなるのだ。

 つまり、如何に戦うことに慣れていて、様々な〝付与能力〟に対処できるかが要となる。



「断った場合は」

「このまま戦わせてもらう」



 ユウヤの問いに冒険者は、考える必要もないと言った風に答えた。

 このまま戦う。

 それはつまりPKをすると言っているのと同じことだった。



「……良いだろう。〝ライフバトル〟だ」

「よし」



 目の前に現れた〝ライフバトル〟の文字をユウヤはタッチし、冒険者から距離をとった。



「『紅の染血王子(ブラッディ・プリンス)』……。めんどくさいのと会っちまったなぁ……」



 視界の端で刻一刻と減っていく準備時間を捉えながらユウヤはため息を吐く。

 〝紅の染血王子〟と言うのはどうやら〝決闘〟を挑んできた冒険者のことらしい。

 つまり、相手の冒険者も通りな持ちなわけだ。

 そして、ユウヤはウィンドウを呼び出し操作する。

 ウィンドウを操作して取り出したのは両手の甲と両膝に瞳が存在している包帯の武器、〝デモニック・アーマメント〟だった。


──ポーンッ……


 そして、ユウヤが〝デモニック・アーマメント〟を装備し終えるのと同時に準備時間終了の音が鳴った。



「さぁ、始まるな。早々に倒れることは無しだぞ?」

「はっ、それはこっちの台詞だ」



  ──10──


 互いに挑発をしあいながらユウヤと〝紅の染血王子〟は意識を高めていく。


  ──9──


 油断をすれば負ける。

 それを互いに理解しているからこそ、2人は相手から眼を逸らさない。


  ──8──


 ピリピリとした空気が辺りに漂い始め、物音が消えていく。


  ──7──


 2人の視界には互いに相手しか映っておらず、他にはなにも見えなくなっていた。


  ──6──


 たった10カウント。

 しかし、2人にとってそれははるかに長く感じられている。


  ──5──


 ついにカウントが半分を切る。

 戦いの火蓋が切られるのももう間もなくだ。


  ──4──


 ゆっくりとユウヤは肩を回し、軽く身体をほぐす。

 それに対して〝紅の染血王子〟も手首を回している。


  ──3──


 2人の瞳が細くなり、獲物を狙う獣のそれのようになっていく。

 細かい理屈はすでに要らない。

 あるのはどちらが勝つのかだけだ。


  ──2──


 互いにゆっくりと構えをとり、相手を見据える。

 すでに言葉はなく。

 ユウヤは拳を固く握り、〝紅の染血王子〟は日本刀を強く握り締めた。


  ──1──


 2人の身体に力が蓄積されていく。

 それはまるで火山が爆発する直前のようだ。


  ──0──


  ──DUEL!──


 そして、0の数字が現れ、素早く反転してDUEL!の文字が現れる。

 それと同時に2人の身体は動いた。














決闘デュエル

〝Vivid World〟に存在する対戦システムであり、〝クイックヒットバトル〟と〝ライフバトル〟に分かれている。

〝クイックヒットバトル〟は選択後に60秒の準備時間が起こり、その後10カウントが始まる。

10カウント終了後にDUEL(デュエル)!の文字が対戦者の視界に現れ、〝クイックヒットバトル〟開始となる。

この〝クイックヒットバトル〟において攻撃の威力は関係なく、どんなに威力が小さくても先に相手の身体に当たりさえすれば勝ちとなる。

〝ライフバトル〟も選択後に60秒の準備時間が起こり、その後10カウントが始まる。

そして、10カウント後にDUEL(デュエル)!の文字が対戦者の視界に現れ、〝ライフバトル〟開始となる。

〝ライフバトル〟はその名の通り疑似体力制の〝決闘〟。

この〝ライフバトル〟に細かい制約はなく、その時の装備品の〝付与能力アビリティ〟も使用でき、先に相手の疑似体力を削りきれば勝ちとなる。



・〝紅の染血王子(ブラッディ・プリンス)

近接で盾なしのため、白の装備が一瞬だけ敵の血に塗れる。紳士的で王子様みたいなため〝紅の染血王子〟の通り名がついた。






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