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捨てられる予定の皇妃ですが、皇帝が前世の推しだと気づいたのでこの状況を楽しみます! 関連話  作者: 池中織奈


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「なんとか、丁度良いぐらいリラックスして皇妃として生きていられるようになりたいものだわ」―新米皇妃、頑張ります⑩―

 ランジネットは朝から元気である。

 目を覚ましてすぐに自身に仕える者達にどういった指示を出すかというのを考えていた。



 ランジネットは皇妃として生きていくのに、まだまだ自信が足りない。自分の行動が正しいのか否かを思考すると、どうしようもないほどもどかしい気持ちになったりもしていいる。

 ただヴィダディと会話を交わして、改めて……そこまで気負う必要はないのだと実感した。




 もちろん、先のことを何一つ考えずに行動を起こすことはリスクがある。だからといって、ただただ心配ばかりをして躊躇するのも問題なのだ。




(なんとか、丁度良いぐらいリラックスして皇妃として生きていられるようになりたいものだわ)




 そんなことを考えながらランジネットは甘い物をよく食していた。何をどうするかという相談を周りの人達と共にしている。その場で食べることが好きなランジネットは、お城に勤める料理人達の作ってくれたものだ。

 ランジネットがいつも楽しそうに食事を摂っているので王城勤めの料理人達もそれはもうやりがいを感じていた。



 前皇妃であるマドロールも食べることは好んでいたものの、ランジネットほどではない。それにマドロールの場合だと一言でもお礼を言ってしまえば、ヴィツィオが嫉妬をすることも多かった。マドロールはそのことを理解しているので、特に夫が嫌な思いをしないように心がけていた。




 ランジネットの場合は、ヴィダディは父親ほど心が狭くないので美味しかった料理の感想などをよく告げている。

 ランジネットはマドロールよりもお城で働く者達にとって身近な存在ではあった。




 先日のパーティーでの出来事で、皇妃になったランジネットが不快なおもいをしたというのは周知されつつある。幾ら無害そうな見た目をしていたとしても、彼女はあくまで皇妃であるというのを周りに知ら示すためにも。

 舐めてかかってはいけないと牽制の意味も込めて。

 それがランジネットには必要であった。周りから侮られて良いことなど何一つないのである。





 もし仮にランジネットが何も動かなくても上手く事が回るような体制が出来ているのなら別であろうが、そんなものは皇妃になったばかりの彼女にあるはずがなかった。




 直接どこかに赴いて、何かをするということはしていない。もちろん、必要であればそういうことも行うが……皇妃という立場で軽率な行動をすることは避けたかった。

 皇妃として、どういう風にあるべきかというのを考えれば考えるほどランジネットは分からなくなる。

 それはおそらく、その立場に正解というものがないからだろう。

 それぞれの皇妃にとっての正解の形が全く異なるのだ。ランジネットは前皇妃であるマドロールにそのままなりたいわけではない。




(一歩ずつだけど、自分の立場を確立して、この皇妃って立場を誰にも渡さないで生きて行きたい。……子供も欲しいわ。跡取りが居なければ、側室などを求められるかもしれないもの)




 前皇帝夫妻は互いに思いあっており、側室を取るなんてことはなかった。もし仮に跡取りが生まれなかったとしてもヴィツィオはマドロールを手放さなかっただろうし、幾らマドロールが受け入れたとしても側室を娶ろうとはしなかっただろうが。

 ヴィダディとランジネットの間に子供が産まれなかったら――側室の存在をほのめかす存在は出てくるだろう。それこそ、自分の娘などを側室にしてこの帝国での影響力を強めようとする存在などもきっといる。



 『暴君皇帝』の息子であるヴィダディの妻に自分の娘を押そうとするものは少ない。余程、権力欲があるものぐらいである。




(子供かぁ……。きっとヴィダディとの子供が産まれたら可愛いだろうな。幼い頃の姿絵を見せてもらったりもしたけれど、とても愛らしかったもの。それに何よりも好きな人との子供だったら、幾らでも欲しい。流石にお義母様ほど子供を産むことは出来ないかもしれないけれど。私に子供が産まれたら、周りももっと私を認めてくれるような気もするのよね)




 ランジネットはそんなことを考えながら、用意されている甘味をバクバク食べている。




 考え事をしているせいなのか、最近のランジネットは食欲が増していた。こうして過ごしているランジネットの様子を見るとただのんびり過ごしているだけに見えるかもしれないが、きちんと皇妃としての公務は行っていた。

 お茶会なども適度に行って、自分の派閥の人間を増やしている。何にしても、交友関係を広げておくことにこしたことはない。

 ヴィダディは有能な皇帝ではあるが、人脈がそこまであるかと言えば普通である。そこまで人に心を許さないのが彼である。社交的であるわけでもない。




(さて、どのくらいのタイミングで謝罪をいただけるかしらね?)




 お茶会の場でもしっかり、件のことは広めている。ランジネットは侮られて黙っているような存在ではないというのを示している。だからといって、誰にでも攻撃的なわけではない。

 やられっぱなしではないということと、自分がどれだけヴィダディと良好な関係かということ。

 もし不仲説でも流されたらたまったものではない。貴族間での噂というのは決して馬鹿に出来るものではないと、ランジネットは知っている。



 ――そうして行動をしているうちに、パーティーで謝罪のなかった貴族令嬢が謁見を求めてきた。目的は謝罪である。


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