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捨てられる予定の皇妃ですが、皇帝が前世の推しだと気づいたのでこの状況を楽しみます! 関連話  作者: 池中織奈


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「何かあった時に、私が皇妃として動けるような体制は作っておきたい」―新米皇妃、頑張ります⑦―

「わ、私は……」



 なんとか口を開こうとする者も居れば、慌てた様子のまま固まる者もいる。……一部は謝ってしまうのは負けだとでも思っているのかもしれない。

 下手なプライドがあるからこそ、なかなかすぐに行動を起こせないらしい。彼女たちがまだ若いからというのもあるだろう。



 ランジネットと同年代とはいえ、彼女よりはこういった社交界の場に慣れていないことは見て取れた。

 ランジネットは皇妃として生きていこうと腹を括っている。

 目の前の令嬢達とは、覚悟が全く違う。ランジネットに足をかけた令嬢は、この出来事を些細なことだと思っているだろう。

 ただし相手が皇妃の時点で、そんなわけはないのである。




「謝罪をしないなら、それはそれでいいわ。しかるべき対応をさせていただくから」




 ランジネットの言葉を聞いて、これ以上大事にはされないのだろうと勘違いする者も居るように見える。

 ランジネットは背が低く、どちらかというと愛らしい見た目をしている。そんな彼女が苛烈なことはしらないだろうとそう思い込んでいるのかもしれない。




(私はこの方達に舐められている。私ならばこのくらいやっても問題ないのだと思われているんだろうなとよく分かる。だからある意味、見せしめのようにはなってしまうけれど……徹底的にやるしかないわね)



 ランジネットはその場ではそれ以上何もしなかった。けれど、決して許しているわけではない。

 その真意にすぐさま気づいた令嬢は、その後慌てて謝罪をした。遅いものの、まだ謝罪をしたという事実をランジネットは頭に留めておく。謝罪をした者にも、そうでない者にもランジネットは愛らしい笑みを浮かべた。

 その笑みを見て、謝罪をしていない者もなぜか勘違いをしているようだった。



 ――皇妃は気を良くしたのだと。




(……私はちゃんと謝罪をしたのならばおさめるとそう言ったのだけど。それなのに謝罪をせずに許されると思い込むなんて愚かなことだわ。こういう人たちが、色んな勘違いを起こして大事を起こすのでしょうね)



 ランジネットは、人と敵対したいわけではない。ただこういう時は、きちんと対応をしようとそう決めているのだ。




(パーティーが終わったら、ちゃんとヴィダディに相談しよう。どういう風に謝らなかった彼女のことをどうするかを決めないと。やりすぎないように、それでいて舐められないようにというのは、少し難しいわね)



 ランジネットは様々な思考を巡らせる。



 その後もランジネットはにこやかな笑みを張り付けつつ、パーティーをなんとか乗り切る。

 ランジネット自体は、パーティーが嫌いなわけではない。どちらかというと楽しんではいる。ただし、今は皇妃になったばかりなのもあり、緊張の方が勝っているが。




(何度も回数を重ねれば、もっとパーティーを楽しめるかしら。料理が美味しいのは凄く良いことなのだけど、流石に食べてばかりでやってきた方々と交流を出来ないのもいけないわ。食い意地を張りすぎている皇妃なんて思われるのは勘弁したいもの)



 彼女は食べることが好きだ。だからパーティーで用意されている料理の数々を見ると、すぐに食べたくなってしまう。

 ただ流石に皇妃として此処にいるのに、食べてばかりでは居られない。

 ただじーっと、並べられている料理に視線を向けてしまったりは当然していた。




「ランジネット、ひと悶着あったみたいだけど大丈夫かしら? 私の手助けはいる?」



 何か小腹を満たそうかと考えていると、少し側を離れていたミドロールがいつの間にか傍に来ていた。

 先ほどまでランジネットの身に起きていたことをすっかり把握しているらしかった。



「問題ないわ。私の方で対処するから手出しは無用よ」

「そう、ならいいわ。でももし一人ではどうにか出来なさそうなら、私やお兄様に遠慮なく言ってね?」




 ミドロールはそう言いながら、微笑んでいる。

 ミドロールは義理の姉となったランジネットのことを心配してならない様子だ。



(きっとミドロールは私が助けを求めたらすぐに報復の手伝いもしてくれるでしょうね。でも出来る限りは私でどうにかしたい。誰かの助けを求めて、それしか当てにしていない皇妃には正直いってなりたくない。何かあった時に、私が皇妃として動けるような体制は作っておきたい)



 誰かの助けを借りることを悪いとは、ランジネットは思わない。今の状況では、ヴィダディかミドロールなどが居なくなったら、彼女の立場は悪くなるだろう。今の状況を維持していくことなど出来ないかもしれない。

 ランジネットは、そのことをきちんと理解している。

 だからこそ先の未来のことを考えると、自分の立場を確立することが第一であると彼女はそう思っている。




「じゃあ、ひとまずこの話はこれぐらいにして食事でもとりましょう? ランジネットは食べたいものが沢山あるでしょう?」


 ミドロールがそう言って誘うと、ランジネットは頷くのであった。




 ――それから彼女達はパーティーを楽しんだ。その後は特に大きな問題は起こらなかった。


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