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ダンジョンはお好きですか?〜祝福され呪われた俺達は迷宮を彷徨う〜  作者:


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4/14

作戦通りですか?

 浅層を歩く。


 今はまだ、実地授業で来ている範囲だ。

 皆にも余裕がある。


 先頭に。皆から離れて数メートル先を行く斥候役、静寂さん。

 次いで魔物からみんなを護る盾役、木嶋くん。

 前後左右に対応できる様チームの中心に、攻撃兼指揮をとるリーダー役の佐藤くん。

 その後ろ。魔法で遠距離攻撃を担当する、ミリアさん。


 そして最後方に、僕。

 援護役。


 それと試験が終わる迄の間。

 僕らの見守り兼動向チェックをしている迷宮探索者の人も、僕等の後方、見えない場所にいる。


 けれど、カウントには含めない。


 卒業認定試験だから、いないと思って行動しないといけない。


 僕はダンジョンに入って直ぐ、背負った鞄の中からノートとペンを取り出した。

 最初から、マッピングをしながら進んでいく。


 来た事がある場所でも、初めて来た場所のつもりで挑んでいるからだ。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 6時間が経ち。


 特に問題もなく、上層に行けそうな下り坂へと無事に到着した。

 下り坂の入口は大きい楕円形の洞穴の様で、坂の周囲はずっと先まで壁に囲まれている形状になっている。


 斥候役の静寂さんのおかげで浅層での魔物との戦闘は、ここまでで二度だけ。


 極力戦闘は回避する。


 佐藤くんが立てた作戦通り。


 チームリーダーの佐藤くんはダンジョンに入る直前、静寂さん・木嶋くんの情報を元に立てた作戦を皆の前で発表していた。


「今回の探索は皆の目標である[卒業認定試験の合格]、これを第一優先とする。だから、上層までの戦闘は極力避けていこう。静寂さんが魔物の少ない道を、ある程度は把握してくれているみたいだし。木嶋くんが以前の授業で人気のない場所に行った時、上層にいけそうな坂を見つけている。二人の話を照らし合わせてみると、運が良い事に道が一致していてね。試験を受ける皆は大体が慣れている方向に向かうだろうから、多少不慣れになるかもしれないけれど人気のない方へ向かうのは得策になると思うんだ。ダンジョンの魔物は人に寄ってくる習性が強いから。だから、そちらの方が安全だと思うんだ。上層で魔物を一匹倒し、魔石を回収したら即時撤退。いきなり初めて見る魔物と出くわす可能性だってあるだろうから、万全の状態で上層の魔物に挑みたい。と、思うんだけど。どうかな?」

「良いと思う」

「うん」


 ミリアさんの返事の後、僕も頷く。

 静寂さんと木嶋くんは佐藤くんの作戦を知っていただろうから、特に返事はしていなかった。


 ここまで本当に、予定通りに来ている。


「よし。行こうか」


 下り坂の前で、佐藤くんが皆に声をかけた。


 僕も下り坂の前に立つ。


 坂の先から、今の場所よりも少し濃い魔素が漂っているのが感じられる。


 いよいよ上層だ。


「皆、ポーション使う?」

「いや、大丈夫だ」

「俺も」

「私も」

「問題ないので、大丈夫ですよ」


 戦闘は避けていたし、二回の戦闘も楽勝だった。

 けれど、ここに来る迄だけでも結構歩いている。


 念の為にと思い聞いてみたけれど、全員問題がなさそうで良かった。


 戦闘に参加するのが難しい僕も、体力だけには自信がある。

 勿論、問題はなし。


「解った。でも、疲労に効く薬草飴は渡しておくよ」


 僕は鞄から薬草飴を取り出し、皆に手渡していく。


 鞄の中には皆を援護する為にと、しっかり準備した数々のアイテム(道具)が入っている。

 様々な用途の回復ポーション、装備をメンテナンスする道具、野営道具やらなんやら。

 色々な物を入れてきた。


 卒業認定試験に合わせて新調した鞄はリュック型の魔法鞄で、中身が見た目の3倍近く入る。

 値段はかかったけれど、貯めてたお金の半分を使ったけれど、この試験に受かった後も使用していく事を考えたら。きっと、そこ迄高くはないだろう。


 それに……。


 何かあった時、皆の足を引っ張りたくなかった。


 援護の面ですら役に立てなかったら、サポートすらしっかり出来なかったら……。

 そう思うと怖かったから、値段なんて気にしていられなかった。


 気づけば、いつの間にか購入していた。


 1つの鞄で重さは3個分だけれど、【強化】で対応できるから問題なし。

 1分置きにスキルのせいで全身が一瞬淡く光るけれど、問題なし。


 皆にも最初は大丈夫かと心配されたけれど、僕のスキルについて説明してからは気にしないでいてくれている。

 それに戦闘になったら魔物の目に止まりやすいだろうから、鞄を降ろして待機する様に忠告までしてくれた。


 立花先生にも、注意されていた事だ。


 皆、本当に優しい人達だ。

 大体の人は目障りだと煙たがる。


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