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輝け我が右腕よ


本日も元気にやっていきましょうか。昨日は街に戻った後にドロップアイテムの大半を納品&売却。ログアウトに使用した宿屋の一室で身体をほぐしながらステータスを眺める。


────


名前:ゼントー

種族:ヒト種

スキル:テイムLv.1 交渉術Lv.1 鑑定 投擲Lv.2 回避の心得

従魔:[名称未設定] スライム


────


投擲と回避の心得はゴブリンとの戦いで入手した。効果はどちらも若干の補正がかかるというもの。石ころを投げまくってたせいかおかげか投擲のレベルは2に上がっていた。


────


名前:

種族:スライム

スキル:消化吸収 分裂 合体


────


今後の方針としてはこのままクエストをこなしながらユニーク、若しくはネームドモンスターの情報探し。見込みのあるモンスターの確保。モンスターの研究データの入手。最優先は特殊モンスターの情報だが、リリースからまだ早いこと序盤の街という事情を考慮するとまだ無いと言ってもいいだろう。掲示板でもそのような話題は確認できなかったしな。研究データに関しては単なる興味でしかないので当面はよし。


「それじゃ、今日も適当な依頼を見繕ってのんびりいきますか」


未だに夢心地な相棒(スライム)を肩に乗せて宿屋を後にした。




再び草原へ出向き昨日のように狩りと採取を進めていくが、本日は森のごく浅いところを中心に探索している。お、この辺には痺れ草も生えているのか。たしか解毒薬の素材が必要ってクエストがあったなと思いだし、()()()を労う。


「よくやったぞ、兎くんや」


「ぷぅ~」


フワフワの毛並みを撫でると心地よさそうな声を上げながらすり寄る角兎。ついさっきうちのスライムくんに殺されかけたことすらまるで忘れているかのような甘えっぷりだ。


────


名前:

種族:角兎

スキル:瞬発力 気配察知


────


テイムの理由は別にコイツの見込みがありそうだからとかではなく、このスキル"気配察知"だ。草食動物の本能というやつなのか、コイツら結構な頻度で近づききる前にこちらを発見してくるのだ。昨日のように奇襲を受けることがないよう、1匹は周囲の警戒、もう1匹は斥候役として活躍してもらっている。そのおかげでテイムのレベルが2に上がった。スライムくんはというとまた同族を取り込んでいた。……やっぱり確実に大きくなってるよな?1.5倍くらいに大きくなったら流石に見間違うわけがない。


「きゅ!」


「…スライム!」


木立の向こうから響く角兎の短い鳴き声。斥候役のそれは敵の接近を知らせる合図だ。大きく下がって声のする方に目をやると3匹のゴブリンがギャアギャアと角兎を追いかけながらこちらへ接近してくるところだった。しかも─


「くっそ、アーチャーか。俺って運悪ィのか?」


ゴブリンアーチャー。文字通り弓を武器としたゴブリンだ。上位種というワケではないが、手前の棍棒を振り回しているゴブリン2匹よりかは知能のある厄介なモンスターだ。


「兎達、アーチャーを攪乱しろ。スライムはこっちだ」


頭を戦闘用のそれに切り替えて脚を伝って這い上がってきたスライムを掴んで大きく振りかぶる。


「い、……ってこぉぉぉい!!」


スキル"投擲"を発動。こちとら鞭振り回すより石ころ投げてる方が長いんだよぉ!!見事に狙い通り最前にいたゴブリンAの頭にヒット。目前を走っている仲間が突然もがきだした事に混乱しつつもゴブリンBはその脇をすり抜けるように前進。


「分裂。拘束」


その瞬間、スライムのスキルを発動。

ゴブリンAの顔面をパックのように覆っていたスライムから分離した一部がゴブリンB目掛けて飛びかかる。その流動する身体を駆使して四肢をガッチリと拘束させる。


「ギャ?グ、ガァァ!!」


これでゴブリンABは無力化に成功した、が。


「ふっ!」


インベントリを探り2つのアイテムを取り出す。その内の1つ、先を尖らせた木杭をゴブリンBの心臓─ではなく胸の中心に深く突き立てる。ヒュー、ヒュー、とまだ息があるのを確認し半身を隠すようにゴブリンを掲げる。ちょこまかと動く角兎を捌きながらも忌々しげな顔で睨みつけるゴブリンアーチャーに口角を上げて答える。


(実はそこまで余裕は無い、んだけど…)


Fantasica Frontierでは死亡状態と判定されることで死体が消失するのだが、言葉を返せば指一本動かすことも出来ないレベルの致命傷だとしても死亡判定が下されない限り肉体は残り続けるのだ。これを思いついたときは自分の脳細胞はまだまだ黄金色に輝いていると思っていたが、どうやら鍍金だったようだ。子供1人分の重さのものをただの木杭で支えるのは中々しんどいものがあるのでさっさとケリをつけさせてもらおう。

木杭と同時に取り出していたもう1つの武器─投石紐。かのダビデ王がゴリアテを倒したとされる武器でその歴史は深く、故にシンプル。遠心力によって増加した運動エネルギーはスキルの効果でゴブリンアーチャーの鳩尾に吸い込まれ──


「これじゃあ指揮官じゃなくて投石兵だな」


炸裂した。



「……ふぅー」


死体の消失に伴い役目を終えた木杭と投石紐をインベントリに戻し、仲間を呼び寄せる。スライムはどちらも異常なし。角兎は…片方、駄目だな。命に別状があるわけでは無いが矢が1本腿に深く食い込んでいる。これでは自慢のスピードを活かすことはもう出来ないだろう。そして()()1()()


「んー、弓自体は粗悪品ってところで、問題は矢の方か」


横たわるゴブリンアーチャーの矢筒に残った矢は品質にかなりのばらつきがあった。鏃が石や骨だったり矢羽根のないものだったり。中には鉄の鏃のものがあったが、大方冒険者が撃ち損じたものを再利用しているのだろう。テイマーはこうやって出費が嵩むのだろうな。

今後のゴブリン・スライムの運用方針を考えつつ角兎2匹の契約を解除。……本当は怪我した方は肉にしてしまいたいところだが、それをスライム達の前で行うと忠誠心的なサムシングが減りそうで怖かったのでポーションで治療してから放した。


「グガァ」


戦果(リザルト)を確認しているとゴブリンアーチャーが目を覚ましたようで、俺に頭を垂れている。これでもう石ころを投げなくてもよくなるな!!……まぁ、もうしばらくスライム投げは続けるけど。超便利なんだもん。




主人公は割とドライな性格です。使えるものは使うが信条ですが、外道になりきれず、かといって聖人にもなれない普通の小市民。


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スキルの取得条件について

鑑定や交渉術などの一部スキルは職種に関係しない共通スキルとなっており、比較的楽に取得可能


テイムについて

テイムと呪文を唱えることで発動。発動者と対象との間で対抗判定が行われ、成功するとテイム出来る。「力を示す(相手の体力を削る)」「餌付けする」ことで対抗判定の難易度が下がる。


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