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スライム運用実験


テイムをしたことで俺とスライムの間に何か経路(パス)のようなものが繋がったのか、簡単な指示なら出すことが可能になった。

ではここで、めでたくテイムモンスター第1号となったスライムくんの健闘の一部を皆様にご覧いただこう。


1戦目 角兎


栄えある初戦は額から短い角を生やした兎──角兎だ。ぽよんぽよんと跳ねながら敵に突撃を試みるも地力(スピード)の差であっさりと避けられる。

なんとか核に当たらぬようにはしているが相手の反撃を受け続けるジリ貧状態になってしまったので石ころと木の棒の黄金コンビによって事なきを得た。


2戦目 角兎


先の教訓を踏まえて後方より奇襲。少々危ういシーンはあったものの見事に窒息させることに成功。そのシーンの描写は……かなりリアルな感じだったとだけ言っておこう。どうやらスライムは結構形を自由に変えることが出来るようで、ゼリーというよりは水飴のような粘った水となって獲物を捕食する様はスライムではなく粘獣(ウーズ)という呼称の方が近い。

同等以上の質量が跡形も残らず粘液の中で沈み溶けてゆく様を見て『Fantasica Frontier』のパッケージに書いてある筈の対象年齢15歳以上という表記をログアウトして確認しようかと思ったほどだ。


3戦目 スライム


スライム同士の戦闘というものにイメージは湧かなかったが、お互いが混ざり合って1個の塊になるとは予想出来なかった。しばらく観察していると核の部分が統合されたのか1つになっていた。不規則に揺らめいていた身体が元のゼリー状に戻ったところで決着がついたのだと分かった。改めてステータスを確認してみるとスライムのスキルに「合体」が追加されていた。

「合体」と「分裂」で繁殖のようなことを行っているのだろうか。ギルドでもらった情報は実戦向きなもので学術的なものではなかったので、近々その手の施設に足を運ぶべきだろう。


10戦目 ゴブリン


森の入り口とはいえ今までとは違う環境、待ち伏せに気付かず木立に隠れていたゴブリン(緑肌の小人)の奇襲を食らってしまった。暢気に指示だしというわけにもいかず俺も戦う羽目になった。

幸いにも1匹だけだったため、鞭で牽制しながら回避に専念。石ころを投げつけて距離を保ち、突っ込んでくれば足下の土ごと蹴り上げて目眩まし。スライムには何度もゴブリンの身体にまとわりついて窒息を狙わせる。

激戦の末に窒息が成功して決着がついた。長時間の戦いだと思っていたが、実際には僅か15分ほどだった。やっぱりこんな命を削るような戦いは自分には向いていないと再確認し、狩り場を草原へと戻した。



「おっと、そろそろインベントリが限界か」


スライムが同種を再び取り込んだところでドロップした粘液を保管しようとしたところでインベントリが一杯になった事に気付いた。この異世界のようなゲームで最もゲームらしいのがドロップアイテムだ。戦闘に勝利すると毛皮や肉、瓶にはいった粘液などがインベントリに自動で収納される。剥ぎ取りシステムのあるゲームもあったようだが、リアルにしすぎて問題になるよりマシと考えたのだろう。こちらとしても面倒が無くてありがたい。

フンスフンスと鼻を高くしているスライムを掴み上げて街へ足を向ける。出会ったときより少し大きくなった気もするが……成長なのか食べ過ぎなのか。いやそもそもスライムって太るとかあるのか?


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