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第42話 とある準備にて

「……ブ、ブラックだぁぁぁぁ!!!」


誰かがそう叫ぶ。


「うぉぉぉぉぉ!!!」


今までとは桁違いの歓声に驚いて周囲を見渡すと、教師までも目を見開いてこちらを見ていた。


「完全に終わったな」


所変わって図書室。ここは個室になっていて、今はチームの5人が試験対策のために集まっている。


「ブラックってなんなんだ?」


ルカが尋ねるとシャーロットが紅茶片手に答える。ブラックとは何千個もあるとされているくじのうち1つだけ用意されているもので、難易度は最高難度とされるパープルのさらに上。最後にブラックを引いたのは10年前でしばらく出ていないどころが今では都市伝説のような扱いになっていたのだとか。


「ということは、ウィンナイト先輩はブラックを引いたチームを知ってるってことですか?」


アドラーがエドワードに尋ねる。


「あぁ知ってる。そのチームは余裕でクリアしてた」


どこか嬉しそうに答えるエドワードにルカは疑問を覚える。


「あの……ウィンナイト先輩が4年生で8留してたのって」

「あぁ、どうしてもブラックを引いて合格しないと気が済まなくてな」

「アホらしい」


エドワードの言葉をシャーロットが一蹴する。流石に先輩だぞとルカが止めるがシャーロットはその静止を振り切って続ける。


「だってそうでしょう?大国の王子様で聖騎士になるわけでもないのにそのためだけに卒業もせず国にも貢献しないなんて」

「……お前みたいなやつにはわからないだろうな?」

「ストップ!作戦考えましょうよ!先輩も今年は合格したいってことですよね!?」


空気が悪くなったことを察してアドラーが2人の間に割って入る。


「レイ、あの2人知り合いなのか?仲悪そうだけど……」

「仲悪いって訳じゃないんだけど……このままじゃ試験はマズイかもな」


ルカと横で聞き耳を立てていたアドラーは絶望した。だけどそうも言ってられない。だって自分たちの進級がかかっているのだから。


「具体的な作戦は詳細設定のくじ引きが終わってからですかね?」

「そんなもんねぇよ」

「そうなんですか?」

「ブラックを引いたチームは課題が決まってるのよ」


ルカとアドラーは仲が良いのか悪いのかよく分からない2人のことは放っておくことにした。合格する気はあるようだし、課題について喋っている間は喧嘩しないようなので。


「課題っていうのは……」


アドラーはブルブルと震えながらシャーロットに尋ねた。最高難易度のさらに上。ドラゴン倒してこいとか?流石に甘いかな?どうしよう5人で殺し合えとかだったら……


「決闘よ」

「いやだ僕死にたくない!!!!」


やっぱ殺し合いだ!とアドラーは膝から崩れ落ちた。


「私たち同士じゃないわ」

「え?」


アドラーの目に希望が宿る。


「5人で現役の聖騎士相手に戦うの」


クリア条件もシンプルよ。

勝てばクリア。


アドラーの顔から表情が抜け落ちた。


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