第43話 とある再会にて
とりあえず作戦は相手が発表になってから、という結論で第1回図書館会議は幕を閉じた。
「まさか一緒に戦うことになるとはな」
「思いもしなかった?」
「あぁ。そもそもこんな所でまた会うとは思いませんでしたよ」
寮の門限があると帰ったルカとアドラーを見送ったシャーロットはレイと共に片付けを済ませて寮へ戻る準備をする。その最中、皮肉たっぷりに言うエドワードにシャーロットは眉をひそめた。
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3校戦が終わった後のある夜。
シャーロットとルカは人気のない廊下を歩いていた。
「あぁもう最悪。制服汚れちゃった」
「魔法使えば良かっただろ」
「だって……誰?」
廊下の曲がり角を見てシャーロットが立ち止まる。
「寮の門限はとっくに過ぎてるぜ」
「私たちの寮は門限がないので」
「元第4寮生のくせによく言う」
「まさか貴方……」
「魔法が解けてるみたいだな」
「いつから?」
第0寮にアーサーを招待した日。たまたまアーサーを呼び出す所を見たのだという。
「そもそもお前らの行動は新入生らしくなかったしな。他寮の寮長を呼び出し、それも協会と絡んでる奴って段階で変だと思った。誰かと似てるなって思っただけだよ」
「その程度で解けるものじゃないんだがな」
とある童話の中にも出てくる魔法。意地悪な継母に自分の正体を明かさないために魔法使いが掛けたそれは、単純に見えてとても高度な認識阻害魔法だ。童話が先か魔法が先かは定かではないくらい魔法師が生まれた直後に生まれたこの魔法は古代魔法に分類される。古代魔法は術者の能力に大きく左右される魔法であるが故に現代では扱いの難しい魔法とされている。
この魔法は12時で解けない代わりに、周囲の人間がその人である事に気が付けば解けてしまう。本来確信が無ければ解けることはないが、それだけエドワードの魔法干渉力が強いということだろう。
「何かの任務か?」
「まぁそんなところだ。他言無用でお願いする」
「言われなくとも」
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「どうして留年なんかしてるわけ?」
「だから言っただろ」
「お前ほどの人間がそれだけの為に留年するとは思えないな」
「どれほど過大評価していただけているのかは存じませんが、私は貴方方が思うよりずっと幼稚ですよ」
魔法でさっと机の上を片付けると、エドワードは自分の寮へと戻って行った。
「いつも都合が悪くなると王子っぽい喋り方するのよね」
「ははっ、まぁ王子様ではあるからな」
「まぁエドワードのことは置いておくにしても、今回の試験は都合がいいわね」
「あぁ、ルカだな」
「これを機に目覚めるかしら」
「さぁどうだろうな」




