第24話 とある報告にて
「……こんな感じですかね」
「ありがとうレイちゃん。にしても困ったものねぇ……」
はぁ、とため息をつく学園長。ネイルが長すぎて頬杖をついたときにネイルが首に刺さってしまっている。なのに筋肉のせいか本人は気づいていない。いつものことなのでレイモンドもシャーロットも特に突っ込んだりはしないが。
「たかが協会、と思ってたけど甘く見ちゃだめね」
「今回のことではっきりしたことが2つ」
「なぁにシャルちゃん」
シャーロットはまっすぐ学園長を見つめる。
「まず1つは誰も傷つかない完全仮想空間で殺戮を起こしたこと。あの場には3校のエリートたちが出そろっていた。目的はまず間違いなく今の学生のレベルを把握すること、あるいは危機的状況下に置くことで学生に何かしらの覚醒が起こることを期待していたか。なんのためかはわかりかねるけど」
「まぁ実際に目覚めちゃった子がいるものね。それに若い芽を摘んでおきたいだけならわざわざこんな死なない場面では事件を起こさないでしょうから目的はそのあたりでしょう。本格的なテロというよりはお遊びって感じかしら。誰かを炙り出して探しているようにも見えるけど」
「もう1つは、聖騎士団からの回答でキラーはどれも持ち出されていないそうよ。レッドだけでなくすべてのキラーが持ち出された記録はないって」
「つまり……」
いつもはニコニコとした表情を保っている学園長の表情が凍る。
「聖騎士団以外にキラーを製造、保有できる個人もしくは団体がいる」
キラーは聖騎士団の誇る重要機密兵器。
その製造方法を含めた詳細は厳重に管理されている。
いわば聖騎士になるための3校が集まる場でそれを見せびらかしてきた。キラーの情報が洩れているなら、それ以外の国家機密だってどこまで漏れているかわからない。
太陽王直属の騎士団に対する挑発とも取れるそれは。
「太陽王に反逆する強力な団体が現れたのだと認識します」




