#1988 巨大ロボットボス――〈スペシャ郎君〉戦!
「チョイジャー!」
「エリアボス、数値は2です!」
「〈スペシャ郎君〉と呼称する! やってみたい人ー!」
「「「「「はい!」」」」」
2パーティ推奨ボスだったので募集してみたところ、たくさんの女子たちの手が挙がる。〈スペシャ郎君〉、女子から大人気じゃん! なお、その女子たちはぶっ倒す気満々だけど。
「ゼフィルス、そろそろ攻撃を受け止めてみたいわ」
「よし、2班と8班で行ってみようか!」
シエラから要望が入ったので2班を組み込み、さらにサチ、エミ、ユウカ、エリサ、フィナの8班も一緒に出撃してもらう。
「たは! メルト様もああいうの好きなのかな?」
「知らん。まあ、ちょっと心動かされる姿ではある」
「もう~、メルト様ったらそんなナリして男の子なんだから~きゅぴ!?」
「やかましいぞミサト!」
「ようやく私たちの番ですわ! クラリス、飛ぶ剣でフォローをお願いしますわね!」
「フォローはしますけれどわざと当たりには行かないでくださいねお嬢様?」
「そこは約束できませんわー!」
2班はヒーラーのミサトにメルト、そして強い要望でノーアとクラリスが入っている。ミサトはメルトの男の子部分を刺激してウサ耳クローを喰らっているな。なんだか久しぶりに見たぜ。
ノーアはどうやら、シエラと一緒だとやりやすいというか、たくさん戦う機会があると思っているようで、最近は2班に組み込まれることが多い。というか組み込んでほしいとよく頼まれるのだ。故に2班は、この5人で組むことが多いな。
ただ、今回はそれが裏目に出て、ノーアはせっかく『霊キラー』付きの〈智天使・ケルビムの回炎剣〉を持ってきたのに6層では偶数班待機のせいで振るえず、ちょっと鬱憤が溜まっているようだ。ここで解消していってもらおう。
「チョイジャー!」
「『天空飛翔』!」
「フィナ、タンクは私が引き受けるわ」
「では、私はアタッカーに回らせてもらいます」
タンク役が素早く役割分担を決め、今回はシエラがタンク、フィナがアタッカーに回ることに決まったようだ。
2パーティ戦の場合、2人のタンクが交代で受け持ち、片方がもし崩れた場合フォローする役割を担っているが、シエラなら崩れる心配がないのでフィナがアタッカーに回っても問題ないということだな。
「『四聖操盾』! 『完全魅了盾』!」
「「「『神装武装』!」」」
「チョイジャー!」
「腕を向けた?」
「身長差がありすぎてパンチが届いてないんじゃ? ――って、ええ!?」
「手が吹っ飛んだ!?」
「あれは、ロケットパンチだ!」
「知ってるのメルト様!?」
早速シエラが自分にタゲを強制的に向けさせる『完全魅了盾』で引きつけると、〈スペシャ郎君〉はすぐに反応。巨大なこぶしで――なんとロケットパンチをシエラに放ってきたんだ。
まさか腕が吹っ飛んでくるとは思っておらず、シエラは素受けで受け止める。
「シエラさん!? 『ダークハイヒール』!」
「大丈夫よ」
すぐにエリサが『ハイヒール』級を送るが、それは過剰だったようだ。
シエラは崩れず、普通に盾で受け止めていたからだ。
さすがはシエラ!
「チョイジャー!」
ギュイーンと巻き取るような音と共に有線で繋がったパンチが腕に戻る。
と思ったら。
「チョイジャー!」
「2発目!?」
「連続だ!?」
「戻ったと見せかけてのもう1回!?」
サチ、エミ、ユウカの言う通り、なんと腕がガチャンと嵌まった瞬間またもロケットパンチを放って来たのである! もし最初の1発で崩されていたり、腕が戻るギミックに目を奪われたりして油断していると、タンクがダウンさえさせられかねない連続攻撃だ。
え? なんか詳しくないかって? 俺もこれにやられたことがあるのさ。男の子だもん。――しかし、
「私には同じ手は効かないわ」
シエラは普通に受け止める――だけじゃなく、なんとそのまま受け流してしまったのだ。つ、強ぇ~! 受け流されたロケットパンチが吹っ飛んでいったぞ!?
「チョイジャー!」
〈スペシャ郎君〉はしかし、なんともう片方の腕も発射。なんと三段重ねのロケットパンチを繰り出した。もちろんシエラには効かなかった。
またも受け流されてしまったからだ。
「チョイジャー!?」
まるで「嘘でしょ!?」と言わんばかりの反応。どうやら自分のロケットパンチに自信を持っていたらしい。その気持ち、なぜかわかってしまう気がする……!
「今だよ! 行くよエミちゃん、ユウカちゃん!」
「おけ! 『神宝本・終末のディストラクション』!」
「大量パワー攻撃ー! 『神宝弓・フルパワーダートストリーム』!」
ここでアタッカーたちが攻撃を開始。
先に攻撃に移ったのはエミとユウカ。
エミの強力な単体〈六ツリ〉魔法がロボットの足に直撃し、ユウカの108発もの大量のパワーアローが胸と肩に大量ヒットしていく。腕が無い状態の〈スペシャ郎君〉はガードすることもできない。
「そして私が――『メディカルアップ』! からの~~『神宝剣・神の一太刀』!」
「チョ!?」
ズドンと衝撃。
相手は腕が無くて隙だらけ。そこへ見事に攻撃に移ったサチが20メートルを大きく超える光の太刀を叩き込んだのだ。
「わわ、なにこれ! というか、すっごいダメージなんだけど! これが〈真・天聖剣〉の威力!?」
サチの武器はレジェンド級、〈真・天聖剣〉。
アルルがLV100になって3番目に作った武器だ。
その威力を確かめてサチがキラッキラな目をして剣を見つめていた。
「『グラビティ・ボール・エクス』! 『グラビティ・メテオ・エクスボール』! 『ジェネシス・ヘクサ・アポカリプス』!
「チョイジャー!?」
「なんというか、隙だらけですねこのボス。『神炎天罰』! 『天界の一撃・スペリオールジェネシス』!」
「チョイ!?」
「カウンター全然とれないのですが!?」
「これならお嬢様でも安心ですね――『ホーリーレイソード』!」
あ、ボコボコだ。
〈スペシャ郎君〉は「ちょ、ちょっと待って! タンマタンマ! タイム!」と言わんばかりに腕を巻き取っているが、その間にノーガードでとても攻撃を喰らっていた。ボス戦にタイムなんてないのだ。形態変化以外はな。
あのロケットパンチ、受け止められたら反動ですぐに巻き取れるんだけど、受け流されたらどこまでも飛んでいってしまって回収に時間が掛かってしまうのだ。
シエラがタンクだったばかりに、〈スペシャ郎君〉の両腕はどこかに吹っ飛んでしまい回収する間にかなりのHPを削られてしまったんだ。
そして、ようやく両腕がガチャンと嵌まる。
「チョイジャー!」
まるで「ここからが本番だー!」と言わんばかりに背中に差してあった巨大なハルバードを取り出す〈スペシャ郎君〉。いつかの〈竹割太郎〉の時のように二斧流ではなく、1本の巨大なハルバードを振るうスタイルだ。
おお! 頭の上でクルクル回転させて決めポーズまでしてるぞ! ロボットの姿でそれは反則的なかっこよさ――。
「『トリリオン・レイソード・イグニッション』!」
「『エル・バランレード・ラグナロク』!」
「「「『三柱神授神器・ジャストメイトジャッジメント』!」」」
「チョイジャー!?」
反則でもなかった。
男なら見惚れてしまうその動作も、女子たちから見れば隙だらけ。
またも大技が炸裂しまくったのだ。
「チョイジャー!」
「もう許さない!」と言わんばかりに振るわれるハルバードの一撃。しかし。
「それもらいですわーー! 『神代わりカウンターストライク』!」
「チョ!?」
しかし、ようやくまともな攻撃を繰り出したはずなのに、その前に回り込んでいたのはノーア。シエラの『完全魅了盾』はタゲを固定するので攻撃が読みやすいらしく、こうして先回りしてカウンターを取ることも多いのがノーアである。
せっかくのハルバードの一撃は無力化され、カウンターの特大の斬撃が脇腹に突き刺さる。ス、〈スペシャ郎君〉ーーー!!
「今だよ!」
「うん!」
「チャンスだね!」
「「「『女神化』!」」」
「私も行きましょう――『大天使フォーム』!」
あ、パワーアップするそうです。
「『完全魅了盾』!」
「チョ、チョイジャー!」
「『カウンター・レイ・ストリーム』!」
「『ミョルニル』!」
「チョ――!」
振るわれたハルバードは、今度はシエラとノーア、両方にカウンターを取られてしまい光の光線とハンマーがズドン。
大きくノックバックする〈スペシャ郎君〉。そこへ。
「『神宝剣・セツナ』!」
「『神宝本・ダイイングユーゼロ』!」
「『神宝弓・アルテミス』!」
「『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』! 『エル・バランレード・ラグナロク』!」
「チョ!?」
再びタンマと言おうとしたのかもしれない。
だが猛烈に強力な攻撃をノックバック中に与えられた〈スペシャ郎君〉は、なすすべ無くダウンした。
「総攻撃よ!」
シエラの総攻撃の合図によってボコボコに。
さらには。
「チョ、チョイ! ヤー!」
ダウン復帰直後、〈スペシャ郎君〉が起死回生の一撃、ハルバードを持った状態のロケットパンチをシエラに発射! ――しかし。
「効かないわ――『シールド・テラ・クワトロ』!」
シエラはあっさりと受け流してしまい、腕とハルバードはどこかへ飛んで行ってしまった。
あ、ノーガード。
「もう一度、総攻撃よ」
「チョ、チョイジャー!?」
「『ドロップ革命』ですわー!」
こうして再度ボコボコにされてしまった〈スペシャ郎君〉は、腕を回収する前にHPをゼロにされてしまい、そのままエフェクトの海に沈んで消えてしまったのだった。
ス、スペシャ郎くーん!!




