#1971 生産職LV100の実力!これ以上ない最強数値!
「いくで、マリー姉」
「いよいよやな。抜かるんやないでアルル!」
「誰に言うてんねん! うちはLV100やで!」
「うちもや!」
「「わはははは!」」
おうおう、アルル、マリー先輩、2人のテンションが高い。ハイテンションってやつだ。寝不足? いや、きっとこれからできてしまうものに胸を躍らせまくってしまった結果、テンションが天井を突破して旅立っていってしまったに違いない。
俺もよくなるから分かるのだ。俺も笑っておこう。ふはははははは!!
そして、その時はくる。
「着けたでマリー姉。頼むわ」
「いくで――『魔錬結合』や!」
ピカッと2人の前にあったものが光ったのだ。
マリー先輩が調えた衣装、それにアルルが作ってきたうっすら青く淡く光っているアーマーを付け、マリー先輩がスキルを使った瞬間。
全てのパーツが光って結合し。1つの装備に仕上がったのだ。
「…………」
「…………」
それが出来た瞬間、2人とも息を飲み、しばらく声も出せずにその完成品を見る。
しばらく動けなくなるほど――その装備が出来た瞬間の光が神秘的すぎたのだ。
「はっ! アルル、『解析』や!」
「おわっと! うちとしたことが、すぐに用意するで!」
たっぷり10秒、もしくはもっと掛かったのかもしれない。
マリー先輩が先に気が付き、アルルに促すと、ようやく時間が動き出す。
俺も思わず前に出てしまったよ。マリー先輩からは「見学しててもええが、作業中に作業場には入らんようにな」と言われて壁際に控えていたのだが、一瞬で消し飛んだ。
「マリー先輩、出来たのか?」
「まあ待ちや兄さん。すぐに分かるで」
マリー先輩も装備から目を離さずにそう言うが、その横顔は、とても自信に満ちていたんだ。その表情だけで俺は全てを察したよ。
「マリー姉、持ってきたで! 〈幼若竜〉や!」
「ナイスやアルル。うちらの最高傑作第一号、鑑定したってや!」
「! 分かったで。行くでマリー姉、ゼフィルス兄さん! ――『解析』!」
「「!」」
ピカッとアルルが持ってきた〈幼若竜〉の目が光る。
そして、ジョブ一覧のようなホログラムの表みたいなものが表れ、そこに能力値が書かれていたんだ。
それはかつてマリー先輩とアルルが挑み、最初に仕上げたレイドボス素材を用いた全集装備。その名も――〈森界狼新王シリーズ装備全集〉。
そう、3月の上旬にクイナダに贈った、あの装備全集だ。
―――――――――――
・頭装備 〈森界狼新王の羽根飾り〉
〈防御力265、魔防力208〉
〈『「狼人」全属性大耐性LV10』〉〈『「狼人」毒火麻拘氷睡大耐性LV10』〉
〈『「狼人」HP+350』〉〈『「狼人」AGI+150』〉
・体装備①〈森界狼新王の黒衣〉(女性用)
〈防御力406、魔防力244〉
〈『「狼人」斬・打・突大耐性LV10』〉〈『「狼人」暗盲鈍束恐呪大耐性LV10』〉
〈『「狼人」STR+150』〉〈『「狼人」AGI+150』〉
・体装備②〈森界狼新王の王着〉
〈防御力338、魔防力227〉
〈『「狼人」デバフ無効』〉『「狼人」状態異常貫通大耐性LV10』
〈『「狼人」氷属性ダメージ40%カット』〉〈『「狼人」AGI+150』〉
・腕装備 〈森界狼新王の手甲〉
〈防御力251、魔防力228〉
〈『「狼人」物理大耐性LV10』〉〈『「狼人」魅混石気即死大耐性LV10』〉
〈『「狼人」雷属性ダメージ40%カット』〉〈『「狼人」AGI+150』〉
・足装備 〈森界狼新王の命鉄靴〉
〈防御力240、魔防力252〉
〈『「狼人」100%食いしばり』〉〈『「狼人」誰も追いつけない最速の神狼LV10』〉
〈『「狼人」罠無効』〉〈『「狼人」AGI+150』〉
―――――――――――
「お、おお、おおおお?」
「ちょ!!」
「おお!」
それを見て三者三様の反応。
マリー先輩は前に作った時と性能を比べて、なんだか目を丸くしポカンとした顔をして。
アルルは驚きヤバすぎて驚愕の表情に。
俺は喜びと素晴らしさと感激に満ち溢れた表情になった。
「とんでもないもんができたわぁ」
「いやいやいや、とんでもなさ過ぎるやろ! なんやこれ! なんやこれ! いやマジなんやこれ! 前に作ったもんよりも性能段違いやん!」
「数値すっげぇ! スキルつっよい! 全部LV10! 完璧だ! 超が付くほど完璧な完成度だぜマリー先輩! アルル!」
ちなみに前に作った時の性能がこちらだ。
つまり今クイナダが使っているやつな。
―――――――――――
・頭装備 〈森界狼新王の羽根飾り〉
〈防御力208、魔防力158〉
〈『「狼人」全属性耐性LV8』〉〈『「狼人」毒火麻拘氷睡大耐性LV10』〉
〈『「狼人」HP+300』〉〈『「狼人」AGI+120』〉
・体装備①〈森界狼新王の黒衣〉(女性用)
〈防御力345、魔防力202〉
〈『「狼人」斬・打・突大耐性LV9』〉〈『「狼人」暗盲鈍束恐呪大耐性LV10』〉
〈『「狼人」STR+100』〉〈『「狼人」AGI+120』〉
・体装備②〈森界狼新王の王着〉
〈防御力288、魔防力180〉
〈『「狼人」デバフ無効』〉〈『「狼人」AGI+120』〉
〈『「狼人」氷属性ダメージ40%カット』〉
・腕装備 〈森界狼新王の手甲〉
〈防御力199、魔防力188〉
〈『「狼人」物理大耐性LV8』〉〈『「狼人」魅混石気即死大耐性LV10』〉
〈『「狼人」雷属性ダメージ40%カット』〉〈『「狼人」AGI+120』〉
・足装備 〈森界狼新王の命鉄靴〉
〈防御力190、魔防力200〉
〈『「狼人」100%食いしばり』〉〈『「狼人」誰も追いつけない最速の神狼LV8』〉
〈『「狼人」罠無効』〉〈『「狼人」AGI+120』〉
―――――――――――
お分かりいただけるだろうか? この数値の違いに。
今回マリー先輩とアルルは、自分たちが最強装備に仕上げるにあたり、どれくらいの性能差が出るのか。自分たちがLV70前後のときに作ったこれと比較したかった目的で再度作ったんだ。
いったいLV100で、しかも最上級の生産アイテムを使い最高の出来で作った時。
装備はいったいどんな数値になり、どれくらいの差が生まれるのか。
そして答えは出た。
防御力を見てみよう。
以前の、というか現在進行形でクイナダが着ている装備の防御力は――1230だ。
対して今回仕上げたマリー先輩たちの最高傑作はなんと――1500だ。
5で割れば過去作が平均246なのに対し、今回作ったのは300!
1つの装備でこれだけの差が生まれている。2割以上性能が上がっていた。
これ、同じ装備なんだぜ? 同じ装備を同じ人たちが作ったんだぜ?
あの時からLV30上げ、LVカンストに届き、さらに最上級の生産アイテムを使った結果が、これだ。
LV100になるまで待った甲斐があるってものだよ!!
さらにAGIの補正も大変な事になってる。
過去作が合計+600上昇だったのに対し、いや、これ十分凄い数値だからな?
今回はなんと+750上昇。
750? はい、750です。AGIだけで750上がります。
さすがは「狼人」専用装備。
前にも言ったが、フェンラが就いているのが〈ダン活〉最速の職業だ。「狼人」は速度で勝負した時、最も速い。
その性能をさらに伸ばしちゃうのが、この装備。いや、最高です。
もちろんフェンラが就いている【雷速空戦雷狼】だけじゃなく、クイナダの【大軍一将之真神】でも十分速度は活かせる。
また強くなってしまったな。
ちなみにこの「狼人」というのは文字通り「狼人」が装備したとき効果を発揮する装備、という意味だ。故にこれは専用装備という扱いになる。他のキャラでも装備できないことはないが、装備効果が得られない形だな。
その専用装備効果はすさまじく、最上級の専用装備からは『毒火麻拘氷睡大耐性LV10』という『大耐性』系スキルが登場する。これは頭文字を取り、〈毒〉〈火傷〉〈麻痺〉〈拘束〉〈氷結〉〈睡眠〉に『大耐性』を得る。という意味だ。
今までの〈金箱〉級では『火傷猛毒耐性LV10』など、〈毒〉〈火傷〉という2つの状態異常に対する『耐性』しか得られなかったのに、レジェンド級で専用装備のこの破格の性能よ。
1つのスキルで3倍防げちゃうよ! いや、『大耐性』だからもっとだな。
さらに属性や打撃に対する『大耐性』や、一部ダメージカット。『食いしばり』まである。
あと、〈『「狼人」誰も追いつけない最速の神狼LV10』〉は『移動速度上昇』の上位スキルと考えてほしい。AGIだけでも大変なのに、まだ移動速度が上がるのだ。しかも今回は最初からスキルLVは10。いや、オールLV10だった。
つまりこれは、誰がなんと言おうと最高傑作であるという証明だ。
「マリー先輩、アルル! 間違いなくこれは最高傑作品だ! 俺が認める。世界最高の最強装備であることを!」
「前作ったもんでも十分凄かったのに、それを遥かに超える高性能装備を作り出してしもうたわ! わはははは!」
「もうこんなん笑うしかないで! いや、予想を遥かに超えるもんができたわ! わははははは! わははははは!!」
俺がグッと握り拳を作って熱く宣言すると。
マリー先輩は腰に手を当てて自信満々に高らかに笑いだし、アルルも、いや、アルルはなんかヤケクソ気味に笑い出したな。やや受け入れがたかった様子だ。
こうして最強装備、第一号が完成した。
だがこれは序章。
最強装備は、まだまだこれから生まれまくるぞ! ふはははは!
これでコツを掴んだマリー先輩とアルルは、早速次に取り掛かる。




