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天命録に、俺の死は三十日後と刻まれている  作者: asnt2026


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第43話 十二の鍵

十二勇士。


王国中では、


魔王を討つ者として知られている。


歌。


伝説。


英雄。


でも。


古い記録は違った。


「保守管理者」


ミレイアが読む。


「非常時外部判断者」


「生命炉の運用監査」


俺。


「勇者って書いてない?」


「一度も」


レオンの顔。


複雑。


「俺は」


少し間。


「魔王を倒すために選ばれたと」


「俺も」


ユリウス。


「同じです」


ノア。


「騙されてた?」


俺。


「たぶん」


「王国に?」


ミレイア。


「王国自身も、元の意味を失っていた可能性があります」


五百年。


長い。


制度。


名前。


目的。


変わる。


会社でも。


昔からある会議。


昔からある帳票。


何のためか。


誰も知らない。


でも。


「決まりだから」


残る。


五百年なら。


もっとひどい。


          ◇


古文書。


十二勇士。


生命炉創設時。


十二人。


役割。


生命炉の判断が、


一人の管理者へ集中しないように。


外部の人間が停止できる。


十二人の合意。


つまり。


最初から。


暴走を想定していた。


「じゃあ」


俺。


「作った人も生命炉が危険って分かってた?」


ミレイア。


「そう見えます」


「作った人は誰」


古文書。


名前。


欠けている。


でも。


一部。


残る。


初代勇者――エルディオ・レイン


「勇者」


レオン。


「ここで初めて」


ミレイア。


「はい」


初代勇者。


生命炉を作った人物。


そして。


十二人の管理者制度。


何か。


近づいている。


          ◇


問題。


現在の十二勇士。


全員そろっていない。


俺たち。


高城修一。


レオン。


ミレイア。


ガイル。


フィーネ。


ユリウス。


六人。


残り六人。


「どこ?」


俺。


ユリウスが地図。


「各地」


一人。


東部要塞。


一人。


南方治癒院。


二人。


北境。


一人。


王都。


一人。


行方不明。


「行方不明?」


嫌な。


ユリウス。


「任命後、魔王軍との戦闘で消息不明」


アベル側に確認。


すぐ。


リゼルから魔導通信。


「捕虜?」


俺。


映像のリゼル。


『違う』


「じゃあ?」


『こちらで保護している』


ユリウス。


「なぜ報告しなかった!」


『王国へ返せば処刑される可能性があった』


「何したの?」


『王国の命令を拒否した』


ガイル。


「仲間じゃねえか」


ユリウスが睨む。


「笑うところではない」


でも。


十二人。


いる。


          ◇


「集める」


俺。


ユリウス。


「一日もありません」


「魔導通信」


ミレイア。


「権限鍵の遠隔同期が可能なら」


「本人がここへ来なくても?」


「理論上は」


また。


理論上。


最近こればっかり。


「試そう」


          ◇


連絡。


六人。


最初。


東部。


女性槍兵。


エレナ。


通信。


「生命炉?」


そこから説明。


長い。


「信じられない」


当然。


「証拠送る」


記憶晶。


古文書。


王命。


国王の非常時指示。


十五分。


返答。


「参加する」


一人。


次。


南方。


治癒師。


参加。


北境。


双子。


最初。


拒否。


「王都の陰謀だ」


ガイルが通信へ顔を出す。


「俺もそう思った」


「誰だお前」


「ガイル・バルド」


「知ってる」


そこから。


なぜか喧嘩。


最後。


参加。


王都。


魔導技師。


参加。


残り。


王国を離反した勇士。


名前。


サイラス・メルン。


通信。


魔王領。


男。


三十代。


片目に傷。


「高城修一?」


「はい」


「噂は聞いてる」


「どんな」


「面倒な異邦人」


誰が広めた。


アベル?


「生命炉止める?」


サイラス。


「ああ」


「王国が許した?」


「許してない」


「魔王は?」


「壊したい」


「じゃあ誰の案」


全員。


俺を見る。


「俺たち」


サイラスが笑った。


「いいね」


軽い。


「参加する」


早い。


ユリウス。


「理由を聞かないのか」


サイラス。


「王国に殺されかけて魔王領で匿われてる俺に、それ聞く?」


なるほど。


          ◇


十二人。


つながる。


古い管理鍵。


ミレイアが中央。


魔法陣。


俺たち六人。


遠隔の六人。


紋章。


一つずつ。


光る。


一。


二。


三。


四。


十二。


その瞬間。


王城地下。


床全体。


震えた。


遠く。


巨大な何か。


鼓動。


ドン。


一度。


ドン。


二度。


俺の胸まで。


響く。


「生命炉?」


フィーネ。


ミレイア。


「反応しています」


そして。


俺の手帳。


勝手に開いた。


赤い文字。


変わる。


高城修一


死刻――十二刻後


「……早まった」


また。


一日。


だった。


今。


半日。


レオン。


「修一さん」


「大丈夫」


言って。


すぐ訂正。


「じゃない」


フィーネが、


少し笑いそうになる。


こういうとき。


正直になると決めた。


「かなり怖い」


「はい」


フィーネ。


「でも」


俺は地下の奥を見る。


生命炉。


反応。


俺たちが、


触れられることを。


向こうも。


知った。


          ◇


その瞬間。


古文書の最後の部分。


光る。


今まで読めなかった文字。


十二勇士の紋章に反応。


ミレイアが読む。


声。


止まる。


「何」


俺。


「生命炉の」


彼女の顔。


青ざめる。


「第一管理者」


「誰?」


一行。


五百年間。


変更なし。


ELDIO RAIN


エルディオ・レイン。


初代勇者。


生命炉を作った男。


そして。


その名前は。


過去形ではなかった。


現在も管理者として登録されている。


五百年前の人間が。


今も。


生命炉の中にいる。

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