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命の輪(サークル・オブ・ライフ)  作者: 此花 陽
エピローグ:重なり合う刻(とき)

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E2. 三人の別れ、あるいは始まり


 光の波が収まった代々木公園の森の中で、

 凪、ヨハン、迅は互いに向き合っていた。


 その瞳には、

 もはや使命感による悲壮感はなく、

 ただ清々しい充足感だけが宿っている。



「私の耳に届く風の声が変わったわ」



 と、凪は空を見上げて微笑んだ。



「かつての悲鳴は消え、

 今は大地が深く呼吸している音がする。

 

 神々は消えたんじゃない、

 私たちの意識の中に溶け込んだのね」



 ヨハンは、

 懐から古びた羅針盤を取り出し、

 北の空を指した。



「僕たちの旅も、これで一区切りだ。

 泰氏が独占していた月のアーカイブは、

 今やクラウドを通じて全世界に共有された。


 技術はもう誰かの独占物じゃない。


 これからは、個々人が『星の知恵』を

 どう使うかが問われる時代になる」



 迅は拳を握り、

 自らの内側に流れる熱い血の

 昂ぶりを感じていた。



「俺たちのルーツはバラバラだ。

 

 奪い、奪われ、追い出された歴史がある。


 でも、この瞬間、俺たちは一つの星の下にいる。

 

 それがすべてだろ?」__。



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