24/27
7-4. 天皇という名の十字架
イワレビコは、
初代・神武天皇として即位することを決意する。
だがそれは、
泰氏が望んだ「栄光の王」としてではない。
「私は天皇となり、
この国のすべての哀しみを背負おう。
泰氏が塗り潰した過去、
殺された神々、追放された民。
そのすべての記憶を、我が血の中に封印し、
いつか真実が語られるその日まで、
この国を守り抜く『盾』となろう」
神武天皇は、泰氏の支配を容認する振りをしながら、
密かにニギハヤヒの血脈(物部氏など)を重用し、
歴史の裏側に「真実の種」を隠した。
彼は知っていた。
いつか二千年後、
この「守るための嘘」が限界を迎える時、
再び三つの星が重なり合うことを。
ナガスネヒコは、
その神武の決断を見届け、
静かに大地へと還った。
彼の怒りは、東北の、
そして地底の奥深くへと受け継がれ、
歴史の「ノイズ」として永劫に生き続けることになる__。




