7-1. 蝦夷(えみし)の抵抗 ――ナガスネヒコの誓い
天岩戸の自作自演を経て、
アマテラスは「意志を持たぬ絶対的な太陽」へと昇華された。
泰氏(秦氏)はこの抽象的な神威を地に降ろし、
永続的な支配を確立するために、
一人の青年を「天孫の継承者」として選び出した。
後の**神武天皇**である。
泰氏は彼に『八咫鏡』のスペアを授け、こう命じた。
「東へ向かいなさい。
そこには、光を拒む野蛮な『エラー』たちが巣食っています。
彼らを討ち、この国を唯一の太陽の下で統合するのです」
その頃、
東の果て――
大和の鳥見の地を
奪還せんとする地底の王国では、
ニギハヤヒの意志を継ぐ者たちが
牙を研いでいた。
その中心に立つのが、
剛勇無双の戦士、
ナガスネヒコである。
「ニギハヤヒ様、
天孫を名乗る軍勢が、瀬戸内を越え、
こちらへ向かっております」
ナガスネヒコの声は、地底の岩肌を震わせた。
彼の傍らには、
年老いてもなお澄んだ瞳を
持つニギハヤヒがいた。
ニギハヤヒは、蝦夷の民に「月の知恵」を授け、
自然と共生しながらも、略奪に抗うための
強靭な体躯と戦術を叩き込んでいた。
「ナガスネヒコよ。
彼らもまた、泰氏の鏡に映る
『偽りの正解』に踊らされている犠牲者だ。
だが、この国を鏡の監獄にはさせぬ。
戦わねばならぬ時が来た」__。




