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5-3. 「国譲り」という名の魂の幽閉
戦いは壮絶を極めた。
スサノオの十拳剣は、
かつての教えとは真逆に、
命を断ち切るための
非情な道具として振るわれた。
出雲の美しい砂浜は、
同胞たちの流した血によって、
見るも無惨に汚されていく。
泰氏は戦火の陰で、
冷徹に「戦後処理」の
コードを書き進めていた。
「スサノオ様。
ただ滅ぼすだけでは
怨念がデータとして残り続けます。
彼らに『神としての地位』を形だけ保証し、
巨大な社(大社)という名の
『記憶の檻』に閉じ込めるのです。
現世の政治からは永久に切断し、
死後の世界だけを司る
象徴として幽閉する……。
これが、我々が用意した
『国譲り』の最終スクリプトです」
大国主は、力尽き、
同胞の骸に囲まれながら天を仰いだ。
民をこれ以上の虐殺から守るため、
彼は泰氏の突きつけた
冷酷な条約を呑まざるを得なかった。
「……わかった。国を譲ろう。
だが、泰氏よ、アマテラスよ。
お前たちが築くのは光の国ではない。
巨大な『虚飾』で
塗り固められた、魂の監獄だ」__。




