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Lapis-landiA ─黒曜秘石恋闘譚─  作者: 八広まこと
Season2

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血碧玉(ヘリオトロープ) 21







 少しだけ、時間が遡って・・・





「・・・・・。」


 やっと見つけて

 やっと目を空けてくれて

 ようやく取り戻した、と。


 シオンが、そう、安堵したのも束の間。


 想定された通り、アイファの投与を申告された。


 今この場にはカートリッジはない。エッダもいない。ただ、万が一の時は、自身が何をすべきか、シオンはとっくに決めていた。


 それは当然であった。


 不意に問答無用で口付けられ、貪るような行為に、それでも嬉しさと暖かさがこみ上がった。拙いながらも首に腕を回し、必死に応えようとすれば。

 シオンを抱きしめていた手に、より強く抱き寄せられる。


 あとは、と。


 シオンが覚悟を決めて、下へと手を伸ばせば、それよりも先に、ぐっと身体を抱え上げられた。

 そのまま、籠の縁に乗せられて、驚くほどの手際の良さで、ズボンも下着も剥ぎ取られた。


 正直、シオンには一瞬何が起こったか、わからなかったけれど、大きく広げられた自身の見慣れた素足が見えて。


 思わず赤面し、その足を閉じようとすれば、


 太腿に、ふわりと、柔らかくくすぐったい感触が触れる。


 同時にありえない箇所に、滑った感触。

 腰が戦慄く感覚に、悲鳴を上げた。

 思わずその足を閉じようとして、『あいだ』へとうずめられた頭を、思わず挟み込む。


 そのまま丁寧に丁寧に、与えられる感覚に、思いっきり否定して。


 吐き出すべきはこちらではなく、お前だと。


 その髪を引っ張って主張するのに、一向に聞かれることはなく。


 その内、与えられる快感に、腰を震わせながら、必死で声を殺して。息をのみ込んで。


 不意に真摯な目を向けられて、告げられた言葉に思わず目を見張った。


 恥ずかしくて

 口元を押さえて

 目を伏せて


 だけど、ココロに灯った本心を、答えとしてきちんと伝えれば、



 目に見えてクロウの表情が、変わった。



 強く強引に引き寄せられたと思えば、そのまま、熱いナニかを、穿たれた。



 目の前が弾ける様な感覚と、衝撃。 

 自身の中で他人の熱が脈打ち主張してくる感覚に頭が真っ白になった。


 同時に、焼ける様な、痛み。


 反射的にぼろぼろと零れてしまう涙を、丁寧に舐め取られながら、どこもかしこも優しく撫でられる。

 それなのに凶悪なまでにどんどん膨張していくものに、訳がわからなくなりながらと必死に目の前の身体へとしがみついた。


 痛みは一向に止む気配はないけれど、


 求めていた繋がりを得られたのだと。


 込み上がる想いのまま、その頬に手を伸ばせば、


 これ以上なく見開かれた赤い眼と、瞬間、初めて見るような、歯を食いしばって何かを堪える様な、余裕の無い表情。


 何かあったのかと尋ねるよりも先に、キツくキツく抱き締められた。

 深く大きく、熱い吐息が、首筋に吐き出されて、ぎゅうぎゅうと、まるで押し付け合う様な、仕草。

 ふるふると震えて、そして。



 そのまま、後は、もう、無我夢中で愛された。



 出すべきは向こうであって、こちらではない、と。

 伝えるよりも先に、どんどん言葉が意味をなさなくなっていく。

 荒い呼吸と、ギラギラした赤い眼に射抜かれて、何故かこちらばかりが高められては痴態を晒すばかりの状況に、泣きながら懇願するけれど。

 それすら、相手の手管を更に激しくさせる要因にしかならなくて。


 何故か全く抜かれる気配も、動かされる気配もない、穿たれたモノ。


 何とか相手を吐き出させなくてはいけないと思うのに、何故か向こうは、夢中でこちらの身体を弄ってくるから。


 圧倒的な手技の差に、ただただ翻弄されて。

 悶えて。


 熱と、荒い息と。

 抱き締める腕の強さと、時々どうしようもなく、切なく呼ばれる名前と、求める言葉。


 必死になってしがみついている間   





 変化した、周囲の環境に


 ようやく、気付いて・・・




「・・・・・。」


 籠の外の空気間と、匂い。

 聞き馴染みのある声と会話と、すぐ後ろの相手の、


 それでも止まない不埒な手付きと、ちょっと興奮気味な荒い呼吸に・・・





(・・・なんで、こうなってんだろ。)






 もう、別の意味で・・・


 シオンは泣きたかった。















「・・・やだ。ホント、可愛くて、無理。止まらないデス。ほら、やっぱアイファ打たれてっから──・・・」

「アンタ、ココ何処だと思ってんの?」

「あの子のとなり、っーか、ナカ。」

「それはてめぇだけな?実際は戦場真っ只中だわクソったれが。」

「溜まってんなら、あっちで腰じゃなくて拳振って来い。」

「・・・・・。」


 やっと・・・、

 やっとデキたのに・・・。


 なんて。


 もぞもぞと動きながら、クロウが、背後からぎゅうぎゅうとシオンを抱き締めてはぁっと深いため息を吐く。

 それに、シオンが思わずびくりと反応すれば、すりすりとその首筋に頬を寄せて、止まらない手がさわさわと軽いタッチで胸元を撫で回すから


「───・・・っ!」

 その手を止めさせるために、シオンがぐっと掴めば、何を勘違いしたのか、その手をまた包むように、二度三度と握り締められ、その首筋に一つ唇を押し付けられる。


「・・・丸二日は絶対に離すつもりはなかったのに。」

「それ、ただの最低だからな?なんの愛も感じないから。」

「えー・・・だめ?」

「キショい。」

「・・・・・。」

 容赦無く切り捨てられる、四十八時間耐久レースの野望に、クロウはジトッとした目を二人にむけた。


「・・・ホント、辛辣。ウチの副隊長サン達は。」

「常識外れよりマシだバカヤロー。」

「・・・わかったわかった。」

「あ?」

「ちゃんと抜きますぅ!働きますから、ね?流石にアッチ向いててくんない?別にオレのはどうでも良いけど、この子のかわいいとこ見られんの、ヤダ。」

「・・・散々人前で揺さぶってた奴が言う台詞じゃねぇよ。」

「それはそれ。これはこれで。」

「・・・コイツ絶対素だ。せん妄とかじゃない。」

 舌打ち交じりのハルオミに、いざ分離、ともぞもぞ身体を動かしながら

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「・・・・・っ。」




「あ、ヤバい。ちょっと、もう一回だけイカせ──・・・」

「オイ、いい加減に──・・・」


 懲りないクロウの鼻息が、再び荒くなっては、呆れを通り越して面倒くさくなってきた、ハルオミが彼をどつくよりも、先に




「・・・・・。」



「「あ・・・。」」



 明らかに全てを理解したシオンが、ふるふると震えながら、振り向く。

 涙目の、どうしようもなく真っ赤になった顔に、それでもリシリィとハルオミは彼女を慮っては、流れる様な仕草で視線を逸らす。


 なのに


「あ・・・。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「・・・うん、無理。抜くなんて絶対無理。」

「・・・・・。」

「あー、可愛い、好き、ちゅーしたい。ちゅーしながら、一緒にイキ──・・・」


   







「・・・・・。」 

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」






(うん、コレ。絶対ダメなヤツ・・・。)








 このまま続けたら、確実に以降全ての行為に置いて実行不可能になる状況だと、 





 忠実な駄犬は、無言のまま、圧力をかけてくる主人の命令を、十二分に、理解して・・・


















 






「今、すぐ、抜け。そして、どけ。」

「・・・はい。スミマセン。」










 流石に、怖くなって、


 ちょっとだけ、縮んだ、





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