血碧玉(ヘリオトロープ) 20
直接的な、言葉は伏せておりますが、どうしようもないくらい、下ネタの多い話となっております。
苦手な方はお控え頂いた方がよいです。
どうかよろしくお願い致します。
「どうして・・・なんで、ココなんだ!?」
クロウと、そしてシオンが消えた転移門の前で、エッダが必死に座標軸を整える。
魔力操作による転移門には、座標軸調整という手技が必要になる。
エッダが作り上げた転移門は自らの魔力をながしこみ、座標軸を合わせるようにしていた。
しかし、目の前の転移門は、多かれ少なかれその場所に流れている自然魔力を検知して、座標軸を合わせる。
膨大な魔力に反して微調整が苦手なエッダにとっては、座標軸の調整が非常に難しい。
そして何よりも・・・
シオンが潜ったとされた時の座標軸は、旧レグラリア国の東、未開の地のある一箇所を示している。オークションで、売買されたとされるなら、門の先はその販売相手の元であるべきだ。
それが、何故全く予定外の場所に繋がっているのかがわからない。
「クロウさんは、誰に買われたの!?なんで未開の地なの!?」
止まらない涙を拭いながら、エッダがどうにかクロウの魔力痕を追って行き先が探れないかと、自身の持ちうる技術と魔力を使いながら必死に二人の行方を探す。
そんなエッダの眼前に、赤馬車の男の鎖が迫る――のを、ハルオミがその間に身体を滑らせ、間髪入れずに抑えた。
リシリィのレイピアがその鎖を巻きとり、剥ぐ。
「このままじゃ!」
「ジリ貧だよ!」
田貫と班田が叫ぶ。
「代理!」
「僕らの印の、使用許可を!」
「ダメだ!」
田貫と班田に、ハルオミが叫ぶ。
確かにクロウはおろか、シオンまでいなくなったこの状況では、田貫と班田を温存しておく理由が乏しい。
それでも、ハルオミはまだ一抹の希望を捨て切れずにいた。
「ボスが、シオンさんが帰って来た時に飛べないのは致命的になる!」
それは、田貫と班田自身もわかっていた。ただ、それだと、いつ帰るかわからない二人の前に、リシリィと、慣れない前線に立つハルオミが限界を迎える方が早い。
それでも、と。ハルオミは力なく笑う。
「・・・僕たちが倒れたら、使用許可としていいから。そうしたら、エッダ連れて逃げて?転移で。」
「それだと──・・・」
「生きている以上、僕は・・・。」
その背に、とん、と。リシリィが触れる。
その手に、ハルオミが泣きそうに、顔を歪める。
「僕たちは、ボスを諦めるって、ことは、できないから・・・。」
(あぁ、やっぱ僕には大隊長なんて無理だ・・・。)
あの人はどれだけの事を割り切り、切り捨ててきたんだろう、と。ハルオミはドゥールに斬られた肩の痛みを、刃を食いしばって抑える。
唯の一人すら切り捨てられない、自分には、こんな役職到底荷が重い。
そんな彼等を目の前で眺めながら、ヴェラドンナが唇を吊り上げる。
「ワタシは魔族専門、だけど?『人』の売買先にツテもあるのよ。」
「・・・・。」
「ただ、そのお相手さん?ちょっと過激なのよねぇ。」
「・・・・・。」
「あの、白銀の直下の部下二人、なんて、聞いたら、滾っちゃうわぁ。」
ペロリと唇を舐めるヴェラドンナに、ハルオミとリシリィが油断なく構えたまま、冷静に嫌悪してみせる。
「品が無い。」
「クソったれ野郎が。」
ニヤニヤと笑うヴェラドンナの前で、オディウスとドゥールの兄妹が引きずる様な剣を持ち上げては、
二人を最低限の傷で捕らえようと、
地面を蹴った──瞬間
「な・・・!」
「───・・・っ!」
「やだ、ナニ?」
不意に、転移門が起動する。
エッダの手の中で、座標軸がオートで合い、その門の間の空間が大きく歪む。
ハルオミがヴェラドンナを見れば、彼女も怪訝そうな顔で見るから、
(向こうの意図、ではない、か・・・。)
それでも、ハルオミが油断なく人災二人を牽制しながら、転移門に目を向ければ
ごとり、と。
押し出される様にして出てきたのは、
木で編まれた、人一人は余裕で入りそうな、大きな籠であった。
「あら?ナニ、これ?」
ヴェラドンナの視線が木の籠に注がれる。
すれば、
籠が、ぎしりと軋む。
「・・・・・!?」
「な、に・・・?」
そんな、数多の視線が注がれる中で、
「・・・待、て。」
押し殺す様にして漏れ出た、聞き覚えのある声に
「シオンさん!?」
「シオン!?」
二人が反応する。
エッダが飛びつく様にして籠の上に厚く絡む木のツタを剥がしにかかる。
「シオンさん!」
「やっ、待って!だめ、だ・・・っ」
待ってくれ、と。懇願する様なシオンの声に、エッダは思わず手をとめる。
止めながら、ナニかおかしい、と。
籠の中へと目を凝らす。
「・・・シオン、さん?」
「───・・・っ!」
木のツタを剥がしながら、その先に見える黒と。
ソコにしっかりと寄り添うような、絡むような、相反する色、に・・・
エッダの目が驚愕に見開かれる。
「・・・クロウ、さんも?」
「ボス!?」
すれば、籠がぎしりと、軋む。
瞬間、焦ったような慌てるような、シオンの声。
「ちょ、待って、お願・・・っ、これ、以上は・・・!開けな・・・で」
「・・・・・。」
「お、ち、つけ!ばか・・・っ!だから、少、・・・、待て!」
「・・・・・。」
途切れ途切れ、吐息交じりの声。
「あァ・・・」
不意に、ヴェラドンナが嗤ってみせた。唇を、吊り上げる。
「もう二十四時間超えてるから、ねぇ?そりゃあ、大変なコトになってるんじゃない?」
クスクスと、ナニかを含ませる様な物言いに、ハルオミが奥歯を噛み締める。
ずっとずっと、あの人が大切に思っていたのに。それを、こんな形で奪わせてしまうなんて、と。
「エッダ。」
「は、はい!」
「開けて。」
「え!?」
「開いて。その籠。シオンさんをボスから離す。」
「で、でも!」
「こんな理不尽なコト!ボスは望んでいない!」
ハルオミが、叫ぶ様に言い切ってみせれば
「え・・・。」
瞬間、ぴくりと籠が揺れる。
ついで、
ちょっと我に返った様な、
焦った、様な・・・
「・・・いや、あの。」
「・・・・・。」
「えと、・・・待ってハル。ホント、待って・・・。」
「・・・・・。」
瞬間、鬼の、般若の、形相になったハルオミとリシリィが木の箱を、睨んだ。
「・・・今、腐れ外道の声がした。」
「・・・あ、いや。」
「気の所為か?オレも聞こえた。」
「・・・あの。」
別の意味で、籠が更に跳ねる。
エッダがハルオミの顔をみては、竦み上がってベソをかく。
その、あまりの剣幕に、仲間はおろか、ヴェラドンナ達も、目を見開いて一度ぴたりと動きを止めてみた。
コツコツと、足音を立てて。
ハルオミが木の籠のそばへと近付いた。
鬼のその目が、籠を、見下ろす。
「・・・てめぇ、今ナニしてやがる。」
「・・・・・。」
「ナニしてる、と、聞いている、が?」
「・・・いや、あの。」
籠のなかのクロウが言葉を濁せば、リシリィが徐に籠の上部を覆い隠すツタを二本三本剝いでいくから、
「シオン、今助ける。」
「わー!!待って待って!ホント待って!」
「・・・・・。」
焦ったようなクロウの、声と、ガタガタと揺れる箱。それと、少しの、間の後・・・
「・・・ちょ、直行排出、中。」
「は?」
直行とは、直接行為の略として軍では使われている。直接行為とは即ち、アイファ汚染対象への、研究魔人達がクロウに提示した一次処置のやり方でもあって・・・。
その言葉が示す事は一つ。
ハルオミが、僅かに目を細める。
「アンタ、アイファを・・・?」
「うん、打たれてる。打たれてるから、ホント、がっつり反応してるんで。股間が。この子に対して。」
「それ、いつものコトだろ。」
「うん。でももうどうしようもないんで、うん、直行排出。出し切ろうと頑張ってる。」
「・・・それにしちゃあ思考能力クリアじゃねぇか?」
通常アイファに汚染され、二十四時間経過すると、思考能力が著しくおちる。会話もままならないことが多い。
だが、クロウはまだ会話が可能だ。
「・・・でも、打ったわよ?」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
二人の会話に、ヴェラドンナが一応、とばかりに口を出す。
それにハルオミが無言で返せば、籠の中から、姿の見えないクロウの、敵方からの、助け舟に嬉々としたような声が聞こえた。
「ほら、打たれてる。打たれてるから、ね?排出頑張る。あと四十八時間全力で出し切るって決めてるから。」
「ちょ、待て。それなんの話に?」
「え?だから耐久セッ───・・・」
「違ェだろうがぁぁあああああ─ッ!!!」
クロウの本音に、
ハルオミが、キレた・・・。
そのあまりの剣幕に、敵味方問わず、その場にいた全員が身体を強張らせた。
鬼の形相、ではなく。
鬼そのものと化したハルオミは、クロウが入っているであろう籠をガンガンと容赦無く足蹴にしながら、
「こっちは死ぬ気でアンタが戻ってくるための転移門死守してたんだよ!!それなのになんだこのオチは!?てめぇは必死で迎えに来た彼女に、おっ勃てて襲ってお楽しみか!?あァ!?」
「い、いやいやいや!だって無理でしょ?諦めて死ぬ気満々だったのに、このコが死ぬ程可愛い顔で『まだお前のモノにされてない。』とか、『最後までシて。』とか言われたオレの身にもなれ!!奮い勃つわ!!地獄の底からでも戻ってくるよ!!」
「そらてめぇがアイファ汚染されてるとなったら、シオンさんならカラダ張るだろうなァおい!!情けねぇのは、それ幸いとばかりに自制効かせられてねぇてめぇの不甲斐なさだ。」
「だからアイファ汚染されてるって言ってんじゃん!!出さなきゃ廃人になんの!この子のために出し切るの!だから或る意味不可抗力!不可抗力、だけど、もう!頑張る、この子のナカで。」
「何を頑張るってんだ!ふざけんな!ナカじゃなくてイイだろうが!彼女オカズに勝手に自己処理してろやクソったれ!」
吐き捨てるながらハルオミが、その木の箱にがんっと足を乗せる。
すれば暫しの沈黙の後、
酷く真面目な、クロウの、声。
「それは、絶対ぇ、嫌だ。」
「やだ、じゃねぇよ、ド畜生が。」
ハルオミの米神に青筋が浮かぶ。
「アンタいい加減にしろよ?コッチはいい加減キレそうだよド腐れ変態が。」
「む、無理無理無理。目の前にいるのに!抱かないとか無理!この子と死ぬ程シたかったもん!この子に◯で☓☓☓突っ込んで昼夜問わず(ピー音)言わせながら子作りすんのオレの一番の夢──・・・」
「一つ聞くが・・・」
どうしようもないクロウの夢語りを、ドス効いた声で一蹴して、
「今、どういう状況だ?」
「・・・え?それ、聞く?」
ハルオミが、問う。
「聞く。状況を正しく把握する必要がある。」
「・・・・・。」
一瞬の間。
そして、困惑したように
「この子の状況、あんまり伝えたくないんだけど。取り敢えずエロくて可愛くてヤバ──・・・」
「シオンさんのじゃねぇ、てめぇだクソったれ。」
「え?オレ?」
「何回イッた?」
「・・・いや、あの。」
「おい?」
「・・・・・。」
「・・・あぁ?」
「・・・さん、かい。」
「直行排出にしちゃあ、十二分過ぎる回数じゃねぇかぁ?オイ。」
「・・・・・。」
「まさか、まだINしてんじゃねぇだろうな?」
「・・・・・。」
「セッ◯スじゃねぇんだ、抜け。直行排出っていう緊急処理──・・・。」
不意に、ハルオミの言葉が止まる。
カチャリと、自身愛用の短剣を、弄びながら、再び籠を、ガンッと足蹴にすれば、
「まさかアンタ・・・」
「・・・・・。」
「緊急避妊薬飲ませてない、とか・・・」
「・・・・・ッ!!」
木の箱が、再び大きく、一つ、跳ねる。
答えと言わんばかりの反応に、ハルオミの、瞳孔が引き絞られる。
「言わねぇ、よなぁ・・・?」
「・・・・・。」
無言の返答に、再度ハルオミが籠を蹴る。
「・・・・・。」
「・・・まさか、天下の第四大隊長殿が?大いに浮かれて忘れてた、とかじゃあ、ねぇ、だろうよ?」
「・・・・・。」
「あァ!?」
「・・・く、黒髪の・・・」
ハルオミの、あまりの剣幕に
目の前の相手を、ぎゅっと抱き締めながら、
我慢、しきれず、
クロウが、本音を、ぽろり・・・
「・・・この子に、似た、オンナノコが、欲しい、なぁ・・・とか、まぁ・・・。」
「・・・・・。」
「・・・心底!本気で!思ってました!」
「死に晒せド外道!!」
ガンッ!
と、ハルオミが怒りに任せて箱を蹴り上げた。
「ほんっと、てめぇは!アレだけマトモにアイファの初期対応やってたクセに!シオンさん絡むと一気に唯のポンコツドスケベど変態に陥るなァオイ!」
「・・・あ、あんまり蹴ると、あの!ちょ!?ハル!?ハルオミさん!?」
「アイファ汚染を理由に、直に☓☓☓突っ込むわ、普通に子作りに勤しんで緊急避妊薬飲ませないわ・・・!」
「・・・だ、だって、あの、ほんとっ!」
「てか・・・」
「てめぇ、本当に、アイファに汚染されてんのか?あァ?」
「・・・・・。」
ハルオミの、疑う様な、伺う様な言葉に。
クロウが、こくりと、喉を鳴らす。
本音を、いうなれば。
なんか、汚染されてる割には、色々考えられる、なぁ、とかは、思っていた。
シオンを抱きながら、脳内が彼女との行為に全集中している。
むしろ、その中において、直接的な性器の挿入を、まだ痛みとしか捉えられないシオンに対して、どうすれば自身を咥え込んだまま、キモチ良く、イかせられるかに、全フリできる程、には。
そんなコトができる段階で、アイファ汚染は考え難い。
考え難い、が・・・。
すれば、今まで静観していたヴェラドンナが、さも愉しげに肩を震わせながら、二人の様子を眺めては、
「・・・やだ、別の方向で清々しいほどイッちゃってない?打ったわよね?アイファ、打ったわよね?」
「・・・いや、打ったかどうかくらい、そっちがちゃんと把握してよ。」
あまりにあんまりなクロウの様子に、段々不安になったのかヴェラドンナの声にも含み笑いの中に疑念が混じる。
思わずそれに、籠の中からクロウが文句を言えば、
「だってアナタ、捕まえた当初の暴れっぷりが酷かったから、まず魔獣用の麻酔薬使ったのよ?」
ため息交じりのヴェラドンナが唇を尖らせた。
「・・・そうだったねぇ、急に意識が飛びそうになったしねぇ。」
「で、魔獣用の鎖でこれでもかって雁字搦めにして、さぁアイファ打つわよって、時に・・・」
「リュウシン、が・・・。」
「・・・・・。」
ヴェラドンナの手のなかのアイファを、リュウシン=シキジマが奪ったのだ。
そして、彼が嬉々としてヴェラドンナの前で、クロウにアイファを打った様に見せる。
見せた、が・・・
「・・・・・。」
「まさかあのジジイ・・・。」
例えば、ほんの一瞬のスキを付いて、アイファをすり替え、クロウにアイファを打ち込んだように見せたダケにすることは
「・・・なるほど。」
「・・・・・。」
「あの、リュウシン=シキジマなら、全然ありえます、よねぇ・・・?」
ハルオミが、ベリッと音を立てて、クロウとシオンを抱く木の籠の上部を剥がす。
問答無用で剥がす様を、そもそも止めることも、問答することすらも、クロウは行う事ができす。
僅かにゴトゴトと、物音を立てている間に、ようやく籠の上部が引き剥がされて、
「そもそも、この、籠、なんです?」
「・・・転移門で送られた先でユージーンとオレの死んだ婆さんに会って?目が覚めなくなったオレを、エロ可愛く起こしに来てくれたこの子に我慢できなくなって行為に勤しんでたら、いい加減出てけってこの籠に詰め込まれて追い出された。」
「・・・全くわからないですが、移動した先でも大変ご迷惑をかけたことだけはわかりました。」
「・・・・・。」
「・・・で、追い出されたわけも、今見てわかりますわ。」
「・・・・・。」
蛇蝎を見る目でハルオミとリシリィが見下す先、で・・・
剥き出しの両足と、絶妙な上半身のはだけ具合のシオンを。その背後から覆い被さるようにして、イタズラ三昧に明け暮れていたであろう、その体勢。
「・・・・・。」
そして、ココまで言われ続けてもなお、彼女の胸元と下半身から、弄る左右の手を退けようという発想すらなかった、無駄に息の荒い、自身等の上司に
「・・・ちっ。」
「・・・下種が。」
二人の、絶対零度の視線が突き刺さる。
「ひ、ひどくない!?やっと会えてその顔!?」
「・・・助けに来た挙句、その状況だったこっちの身にもなれや。」
「・・・あ、はい。スミマセン。」
「・・・も、無理矢理素っ裸で、ふんじばって連れてこう。」
呆れてものもいえないリシリィが、深くため息を吐いて、顎でクロウをさせば、
「・・・・・。」
「・・・なんで嬉しそうなの?この変態。」
「こ、このまま、一緒に縛ってくれるなら。それ、イイかも──・・・」
「分離させるに決まってんだろうがこのド変態が!」
今度はリシリィが籠を蹴り
「い・・・っ」
不意に、シオンが、くっと奥歯を噛み締める。瞬間、ひくりと反応するクロウに、二人の米神に、追加の青筋が浮かぶ。
浮かぶ、が・・・
「ご、め。リシ、リィ・・・」
「・・・・・。」
「蹴ら、ないで・・・」
「・・・ほんっとに、ごめんなさい。」
スッと視線をそらして、リシリィが珍しく、心底申し訳無さそうに呟くのを聞いたクロウが、ニマニマと笑いながら、
「だから言ってんじゃん。さっきから容赦無くガンガン蹴る度にさ?」
「・・・・・。」
「跳ねて、揺れて、きゅんきゅんきゅんきゅん締め付けられて・・・っ!もう、最高です!」
「ナニ勝手にご褒美にしたてあげてんだクソったれ!!」
「・・・どうするんで?」
「なんか、見てて面白いからもう少し見てるわ。」
どうにも困った様な、『赤馬車』の面々。
それでも、ただ一人ヴェラドンナは、その両膝にオディウスとドゥールの頭を乗せながら、目の前で繰り広げられる喜劇に、地面に座り込みながら、ケラケラと笑っていた。




