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第018話 決め球狙い打ちとファインプレイ

アクセス、ブクマ、評価、感想などありがとうございます。励みになっております。

本日三回目の更新分になります。

チーム名にルビを振るのを忘れていたので初出の第四話に振っておきました。

ここにも記しておきますと、「春日野東(かすがのひがし)リトルシニア」です。

 勢い付いて迎えた三回表の攻撃は九番から始まり、五番までに二点を加えてツーアウト一、三塁で私の打順になった。

 本当によくチャンスで回ってくるね。皆に感謝だよ!


 現在十一点差とはいえ、チームの雰囲気とピッチャーのことを考えると三塁ランナーは返したい。ここは無理に長打を狙わず、確実にシングルヒットを狙おう。


 シングルでオッケーと決めたからには、多少強引になってもチェンジアップにも手を出していくよ。コンパクトサイズのこの腕が届かないコースじゃなければ、ボール球でもすくってヒットにする自信はあるからね!


 思考を整理してから、一礼して打席に入る。

 サイン交換で一度ピッチャーが首を横に振り、次に頷いた。その時点で私の頭の中は初球攻撃すべきだという考えで一杯になった。


 おそらく嫌がったのはストレート。私は第一打席も第二打席もストレートをタイムリーにしている。インハイのストレートとアウトローのチェンジアップで攻めたいというキャッチャーの考えと、ピッチャー心理が合致しなかったのだろう。


 初球、投じられたのは真ん中低目のストライクからボールになるチェンジアップ。良いコースだけど、届く!


 私はしっかりとグリップの初動を我慢して遅らせ、身体を開くことなくタイミングを合わせて、センター前に弾き返した。三塁ランナーが生還してタイムリーヒットとなり、十三点目が入る。ここでもきっちりと役割を果たすことが出来た。


 ちょっとはチェンジアップを投げ辛くなったかな?

 これで次の打者が楽になるといいんだけど。


 しかし七番は初球のストレートを打ち上げてセンターフライに倒れてしまった。三回表の攻撃が終了する。


 三回裏の守備、相手打線は二番からの好打順だ。先頭を初球でサードゴロに打ち取ったものの、三、四番に二者連続ツーベースを打たれてしまい、二失点目を喫する。


 ワンアウト二塁のピンチで五番を迎えたものの、ここはボテボテのセカンドゴロでアウト。しかしその間にランナーは三塁へ進塁した。


 ツーアウト三塁と変わり、バッターは六番。スピードのあるストレートと緩いカーブが良いコースに決まり、あっという間に追い込むと、最後は少しコントロールを重視したストレートがアウトローにズバッと決まり見逃し三振。


 ピンチを最小失点で乗り切ったものの、このピッチャーは守っていてハラハラするタイプだね。調子の波が打者ごと、投球ごとに激しい。その点やはりエースの貴大くんは安定感があった。


 四回表に相手のピッチャー交代が告げられ、ベンチから投球を見る限りでは先発と遜色のない二番手の左ピッチャーが出てきた。


 八、九番はこのピッチャーのフレッシュなストレートに押されて凡退。一番は粘ったのだが、最後に際どいコースの変化球をストライクに取られ、無念の見逃し三振に倒れた。


 さあ、四回裏の守備だ。コールドゲームを成立させる為にも、一失点以内で乗り切ろうね!

 皆もそれを分かっているので、先頭打者を迎える段階から声を張り上げる。当然私もだ。

 幸い下位打線だし、しっかり守って無失点が理想だね。


 先頭の七番は平行カウントからショートゴロ。私が軽快に捌いてワンアウト。


 皆でピッチャーを更に盛り立てる。ピッチャーはそれを意気に感じたのか、八番から三振を奪った。あと一人だ!


 相手は前の打席で三振を奪っている九番。しかしまたも突然コントロールが乱れ、フォアボール。最後のワンアウトを意識し過ぎたのかもしれない。


 すかさずキャッチャーがタイムを取って、内野陣がマウンドに集まる。


「しっかり守るから打たせていこう」


 由香さんが言う。


「うん、守備は任せて! リラックスして投げてね」


 続けて私。


「一点取られてもまだコールドだし、落ち着いていこう」


 キャッチャーがピッチャーの背中を励ますように軽く叩きながら声を掛ける。


「オッケー。でもここは無失点で終わらせるからな!」


 ピッチャーが気合いを入れ直したように言った。


 そして私達は定位置に戻った。

 打順が巡って一番に回る。


 初球、全力投球のスピードが乗ったストレートでファウルを奪い、ストライク先攻。


 二球目もストレート。カーブを意識していたのか、バッターは着払いの空振り。


 バッテリーは強気に三球目もストレートを続けたが、それは流石に捉えられた。


 三遊間ややショート寄りを、私から見て右に、左バッターの流し打ちで切れていくハーフライナーの打球。

 バットが打球に当たる一瞬前から三遊間へ全力で走っていた私は、最後の一歩で全身のバネを利用して飛んだ。斜めにジャンプした最高到達点でグラブにボールが収まる。勢いを殺す為にグラウンドを軽く転がった私は、ボールが入ったグラブを持ち上げて審判に見せた。


「アウト!」


 三塁塁審のそのコールで、主審がゲームセットを告げた。


「紗友ちゃん、ナイスキャッチ!」


「ナイスショート!」


 整列に向かう途中で皆に褒められる。我ながらファインプレイだったよ。一歩目のスタートも素早く切れたし、ジャンプのタイミングもバッチリだった。


 試合が終わって専用グラウンドへ戻ってからのミーティングで、今回もコーチに褒めてもらえた。


 さて、明日は午前中に祐一の家に行くんだよね。私も祐一と一緒にプレイしたいし、説得の力になれたらいいな!


お読み頂きありがとうございました。

文章は努力するので、サブタイトルセンスとネーミングセンスが欲しい今日この頃です。

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