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帰り道

「お前はなんでまた俺の太ももで寝てるんだ?」


「きもちよくて〜、、つい〜、、」


今日も今日とて綿谷は校庭に来ていた。そして来るやいなや青嶋の太ももの上に頭を乗せ始めた。


「ちっ、、もう好きにしろ。俺は飯食うから」


そう言って青嶋はおもむろに弁当を取り出した。


「ちょっ、、動くな!食いずれえだろ!」


「ポジションが決まらないんだも〜ん、、」


「知らねえよてめえのポジショニング事情は」


何とか綿谷の止まってるタイミングを見計らって弁当を食べ進める青嶋である。


「あ〜〜〜」


「、、、、、、口開けてるけどもしかして食べさせてもらえると思ってる??」


青嶋が箸で卵焼きを取ると、途端に綿谷は口を開き始めた。


「てかお前自分の弁当は?」


「忘れた〜〜、、」


「だからって人の弁当食おうとすんな!」


どうやら綿谷は自分の弁当を忘れたらしく、お腹がすいているようだ。


「お願いだよ〜、、、なにかちょうだ〜い、、」


「ちっ、、、ダメに決まってんだろ」


「、、、、、、」


「ああもうしょうがねえな!!」


「やった〜」


青嶋は永遠と感じる綿谷の視線に耐えきれず、根負けして卵焼きを綿谷に献上した。


「これやるからもう大人しくしてろ、、」


「おいしい〜!天才だね青嶋くん!」


「褒めてももうやらねえからな?」


「タコさんウインナーもおいしい〜」


「勝手に食うな!!」


気づけば他のものもつままれており、怒りと呆れがきている青嶋である。


「今度私のいっぱいあげるから許して〜」


「いらんわ」


「む〜食べたいくせに〜」


「自分で作ったやつの方がうまい」


「青嶋くんって女子力あるよね〜」


「男子にそれ言うのあんま褒め言葉にならねえからな」


人によると思うが、青嶋は女子力があると言われても嬉しいと思わない方である。弁当も仕方なく自分で作っているため、女子力を意識したものではない。


「食い終わったから寝たいんだけど」


「どうぞ〜」


「いやお前が俺の太ももで寝てるせいで俺が寝れねえんだよ!」


「あれ〜」


青嶋はベンチに寝転がって寝ようと思ったが、綿谷を膝枕しているせいで身動きが取れないのである。


「しょうがないな〜、はい!どうぞ〜」


「いや、は?」


「私の太ももに頭をどうぞ〜」


綿谷は起き上がり、青嶋の隣に座って自分の太ももを指さした。


「いやいらんわ!普通に寝るからそこどけてくれ!」


「お弁当分けてくれたお礼だよ〜!ほら、怜奈ちゃんからも結構好評だよ〜?」


「あのチビこいつに膝枕してもらってんのかよ、、じゃなくて、邪魔だって言ってんの」


青嶋はどっか行けといわんばかりに綿谷をベンチから押し出そうとした。


「はい、いらっしゃ〜い」


「ちょ!?おい!!」


青嶋が綿谷に近づくと、肩を掴まれそのまま頭を太ももまで持っていかれた。


「寝心地どうですか〜」


「知らん、、、もういい寝る、、」


抵抗するのもめんどくさくなった青嶋は諦めてそのまま綿谷の膝枕で昼寝をすることにした。


(くそ、、、意外と寝心地いいな、、、)


綿谷の太ももはとても柔らかくふわふわしており、まるで本当の枕で寝ているようだった。


「ねんね〜、ねんね〜、おてんばぼうや〜、今日はもう閉じちゃおうそのひとみ〜」


「、、、、、、」


綿谷は青嶋の頭を撫でながら、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、子守唄を歌い始めた。


「ふふ、寝ちゃった〜、可愛い〜」


綿谷は完全に眠りについた青嶋の寝顔を、昼休みが終わるまで覗き込むように眺めていた。




「なぜお前がここにいるんだ??」


「さあ〜どうしてでしょ〜」


放課後。そそくさと下校しようとした青嶋だが、何故かそこに綿谷の姿もあった。


「たまには一緒に帰ろうかな〜って!」


「いや、嫌だわどっか行け」

どうやら綿谷は青嶋と一緒に下校しようとしているらしい。


「お前絶対帰り道こっちじゃないだろ、着いてくんな」


「う〜んちょっと遠回りだけど全然大丈夫だよ〜」


「お前が大丈夫でも俺が大丈夫じゃねえんだよ」


青嶋は綿谷に追いつかれないように早歩きで道を進んでいるが、それに合わせて綿谷も早歩きで追いついてくる。


「ああもう!俺急いでっから走って帰るからな??お前も早く帰れ」


そうして青嶋は綿谷から逃げるように走って道を駆け抜けた。


「はあ、はあ、、ここまで来ればさすがに、、」


「見て見て〜!あそこに猫ちゃんいるよ〜」


「びっくりした!!なんでいんだよ!!」


綿谷を撒けるようなるべく曲がり角を利用していたのだが、普通に追いつかれていた。


「もしかしてお前足はええのか?」


青嶋は自慢ではないが足は早い方である。女子にはそうそう追いつかれることはないはずだった。


「私の隠れた才能がバレちゃった〜」


「まじか、、って、、後ろに自転車隠してんじゃねえか!」


「えへへ、バレちゃった〜」


どうやら隠していたのは才能ではなく、ただの電動自転車だった。


「ああもう好きにしろ、、別に着いてきてもなんもねえぞ?」


「一緒に帰るだけで楽しいよ〜」


「あっそ」


話を聞かない綿谷に呆れた青嶋は、無視してそのまま歩き続けることにした。


「綺麗なお花ある〜」


「、、、」


「すずめがいっぱいいるよ〜」


「、、、、、」


「ちょっと曇ってきたね〜」


「うるせえなあ!静かにしろよ!」


「やった〜しゃべった〜」


「はあ、、、」


青嶋が黙ると綿谷の1人トークが始まってしまい、耐えきれず言葉を発してしまった。


「んじゃ俺ここだから、じゃあな早く帰れよ」


「うん!ばいば〜い!」


そうして青嶋は綿谷との帰り道の旅を終え、無事自宅に帰ることができた。


「はあ、、まじ散々だ、、、なんなんだあいつは、、」


「お〜やっぱりお部屋結構綺麗だね〜」


「いやなんでいんだよ!!!」


何故か青嶋の家に綿谷がひっそりと忍び込んできていた。


「へへ、ちょっとやり過ぎちゃった」


「お前はずっとやり過ぎなんだよ」


「それじゃあ帰るね〜」


「はよ帰れ」


そうして綿谷がドアを開けると、突然の土砂降りのにわか雨が降っていた。





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