ゲーム 2
ショーグンはくるりと前に向き直る。
旅ゲーム。
ビジネスで世界中を飛び回っている彼にとっては得意分野であり、実際、自身が旅好きでもあったのだろう。ショーグンは血色豊かに、隠すことなく、どころか大げさに、興奮に身を震わせたのだった。
「――地図を所望する!」その、競争意識全開の張りのある声だ。
『もうゲームは始まっています。ノーコメント』
僕も口添えしてみる。「そこをなんとか」
笑っていいのか分からない。譲歩を引き出せたのだった。交渉はしてみるものだ!
『――では、ヒントです』
とたん――
僕たちの周囲に、何千という住民の、そう、“ムー星の人々”が、出現したのだった。
老若男女、見慣れぬ衣装をまとった、地球人そっくりな顔かたちの、別の人類。それが、普段的な様子で広大なターミナルを往来している。
「フフン……」
ショーグンが笑う。僕もすぐに理解した。
要するにこの人たちはモブ。村人A、村人B、そのような役割を担った写し絵なのだろう。そして、中には有益な情報を保有する者もいるのでしょう。そいつを探し出して、聞け、ということだ。
こちらが考えているうちに。モブな彼、彼女らに。しだいに、何十人、何百人と。僕たちは注目され始めたのだった。
それはそうだろう。僕らは裸(同然)なのだから。また一つ理解する。ムーは常識的道徳が支配している世界、ということだ。中には口笛を吹いたり、ニヤけた顔する男性住人もいたが、ほとんどは顔を赤らめたり、顰めたりしていた。
嘘っコとはいえ、そこは表現の力というもので、マリーが何とか肌を隠そうとモジモジし始めた。ささやき声で僕に訴える。
「これは旅ゲーということよね? だとしたら、地元住民に不快感を与えたら、マイナスポイントになるかもしれないよ――」
僕は落ち着いて答える。
「ルールを思い出して。単純に、先にゴールした者が勝ちなんだ。ポイント制じゃない」
「でも、住民の協力を得るときとか……」
自信なさげに彼女は言いよどんでしまった。




