↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
密室殺人に対する考察  作者: 守屋亭 混沌
第一部:一日目
7/35

祝いの席

会場に着いた。


先ず目に入るのは、正面の大きな窓から見える素晴らしい中庭だ。

ここから見るのが、今までで一番綺麗だと感じた。


...が、いつの間にか雨が降って来ていた。

時刻はまだ15時位だというのに、かなり暗くなっている。


ああ、やっぱ予報通り降って来たか......

ほんと、大丈夫かな......

今更ながら心配になって来た。


天を仰ぐ様に、開放感のある天井を見上げると、一部ガラスの天窓になっていて、晴れた時なんかは日差しが気持ち良さそうだなと思う。


部屋の東側──多目的ホール側には、登壇台の様な物まである。

あそこでスピーチをするっていう事で、麗華はあんな必死に練習していたのだろう。


...はぁ......唯一の楽しみは料理位だろうか......


...あっ、結構...いや、かなり美味しそう!


少しずつテンションが回復して来た私は、その後始まった麗華のスピーチをスルーし、料理を堪能した。


途中、友人がとか、そんな話になって、こっちの方に視線が集まる事があったので、ちょっとドキッとしたが、特に問題は無かった。


ふぅー、食った食った!

...はぁ、それにしても、あんな感じでダシに使う為に私達を呼んだのかな。


...まっ、良いけどね。料理も美味しかったし。


「お疲れ~!料理、美味しかったよね!」


陽介さんだ。


「ほんと~!わたし、いつもよりたくさん食べちゃいましたー!」


優奈ちゃんのテンションが高い。


...改めて見ると、今日のパーティー用の優奈ちゃんの格好は、優奈ちゃんらしい柔らかな雰囲気だなと思う。


髪型は、いつもの明るいブラウン色の内巻きレイヤーボブ。


服装は、袖口の広い淡いブルーのブラウスに、アイボリーのブリーツスカート、ベージュのローヒールパンプスという感じだ。


因みに身長は、私と同じ位かちょっと高い位だと思う。


「ええ、お陰で楽しいパーティーでした」


逆に料理が無かったら最悪な気分だったけど。


「ははは!

...あっ、叔父さん...!」


えっ...?


陽介さんの視線の先を追うと、そこには、白髪混じりの短めのオールバックで、服装はチャコールグレーのスリーピーススーツにボルドー色のネクタイをつけた、目付きの鋭い男性が立っていた。


背は...175cm位...かな。

陽介さんよりも少し高い。


「ああ、陽介、ご苦労様。

......君達が麗華の友人の......?」


「は...はい、私、月宮華菜と申します」


「わたしは、姫宮優奈でーす」


私と優奈ちゃんは挨拶する。


「......そうか......

...私は日神美(ひがみ) 忠徳(ただのり)。

麗華の誕生日パーティーにお越し下さり、心より感謝申し上げます。

今日はゆっくりしていって下さい。

それでは」


軽く一礼した後、麗華のお父さん──忠徳さんは足早に去って行った。


「はぁ~、なんか緊張しちゃいました、わたし...!」


優奈ちゃんが、大きく溜め息をつく。

私も同感だった。


「あはは、うん!

叔父さんの前だと皆大体そうなるよ~!


......あっ、あそこに叔父さんみたいな白髪混じりのオールバックの、如何にも執事さんって感じの人が居るでしょ?

あの人が神守さんだよ」


見ると、空いた食器の後片付けをしている、年齢は忠徳さんと同じ──多分50歳前後の男性がいた。


ベスト付きの黒スーツを身に纏い、白のコットンシャツに黒の蝶ネクタイをつけた、確かに"如何にも執事"という格好をしている。


距離があるので正確には分からないが、身長は多分陽介さんと同じ位じゃないだろうか。


「皆さん、ご機嫌よう」


突然聞き慣れない挨拶をされ、何事かと思っていたら、目の前に麗華が立っていた。


ハイヒールを履いているからか、元々私よりも高い麗華の身長が、一層高く見える。


髪型はいつも通り、ロングのくびれレイヤー。


服装はマーメイドラインのワインレッド色のドレスに、赤いハイヒールを履き、首にはダイヤモンドドロップのネックレスをかけていて、それが違和感なく自然に馴染んでいた。


人前だからか、いつもより感じ良く振る舞っている。

こういう場所に慣れているのだろう。


麗華の横には見知らぬ若い男性も立っていた。

かなりのイケメンで身長は180cm近くありそう。


短めの髪で、サイドは少し刈り上げている。


服装は、コットンの白いシャツに、グレーのスラックスを履いており、靴は黒いローファーの革靴という感じだった。


雰囲気だけだと、だいぶ年が離れている様に感じるけど、年齢は多分私達と同じ位だろうか。


「ごきげんようセンパイ!

えへへ、なんか女子校の頃の事、思い出しちゃいました~」


優奈ちゃんが少し照れ臭そうに話す。


...ああ、そういえば、同じ女子校に通ってて、その時からの仲...だったんだっけ。


「ふふっ...ええ、そうね優奈。

...ああ、紹介するわ。

この人は碓氷(うすい) 蒼夜(そうや)さん。

私達とは違う大学に通っている医大生で、今はインターンをやってるの」


...やっぱり、この人が話に聞いていた碓氷さんか。


「碓氷蒼夜です。よろしくお願いします」


碓氷さんが丁寧にお辞儀をする。


私達も慌てて自己紹介しつつ、お辞儀をした。


「...それじゃあ、私達はこれで...

行きましょう、蒼夜さん」


「ええ」


そう言って私達に軽く会釈した後、二人は去っていった。


碓氷さんを見つめる麗華の雰囲気から察するに、もしかしたら二人は、友人以上の関係なのではないかと感じたが、麗華の片想いという事もあるかもしれない。


「うわ~、イッケメンでしたね~、碓氷さん!」


優奈ちゃんがはしゃぐ。

アイドルの追っかけみたいな感じだろうか。


「...ぼ、僕も、こう見えて、やるときゃやるよ!」


何をやるんだかサッパリ見えてこないけど、陽介さんなりに対抗心を燃やしているのだろう。


「ふふふ、そうなんですか~?」


優奈ちゃんが屈託なく笑う。


そんな会話で盛り上がっていると、突然───


ドォーン!!


と、いきなり大きな音がして、参加者の多くが窓の方を見つめる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。