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密室殺人に対する考察  作者: 守屋亭 混沌
第一部:一日目
3/35

機械嫌い

部屋に入ると、頑丈で高級感のある木製のドアが勝手に閉まる。


オートロック式の扉に良くあるバネ式とかなのだろう。

今の時間は鍵が掛からないが。


うわ~、やっぱホテルみたい!

テレビが無い位で、どうもバストイレ別っぽいし、クローゼットも洗面所もある。


私はクローゼットに荷物を入れ、そのままベッドにダイブする。


うっわ~!ベッドふかふか!!


......って、思わず童心に帰って、ベッドの上ではしゃいでしまった......


少し恥ずかしくなり、入り口正面にある窓の方へ向かう。


窓の前には、机と椅子が置いてあり、机の上には、大理石製の重そうな電気スタンドが置いてあった。


窓から景色を眺める。


一面に森と山が広がっている。


さっきの陽介さんの話だと、こっちは東側か。


山に遮られて、日の出は見れそうにないけど、まあ私、朝は弱いしな。


...そろそろ10分か......


ベッドに後ろ髪を引かれつつ、私は部屋を出た。



「おお!どうだった?凄かったでしょ?」


陽介さんが自慢気に聞いて来る。


いつから屋敷の主になったのだろうか。


「あっ...は、はい、なんかホテルみたいで凄いですよね。

テレビとか無いのは、ちょっと気になりましたけど」


陽介さんのテンションに戸惑いながらも、私は率直な感想を述べる。


「それ分かる~!

僕も見たい番組あるからね。

まあ、予約録画してるけど!

叔父さんが、結構アナログな人でさ。

テレビとかそういうの、全然置きたがらないんだよね~」


「えっ、そうだったんですか?

それにしてはカードキーとかありますけど......」


「うん、そこは叔父さんにとって、苦渋の決断?みたいな感じだったんだろなあ。

やっぱゲストの事とか考えると、鍵の管理とか、セキュリティ面が不安だったんじゃないかな」


「でも、ここでわざわざ、その...泥棒したりとかって人が居るとは、ちょっと考えにくくないですか?」


一時期、大学で盗難が続いて大変だったりした事はあったけど......


「まあね。でも叔父さん、割と心配性な所あるんだよ。

変なところ拘るっていうか。

...ああ、因みに西棟の部屋の鍵は、普通の鍵なんだよ」


「へぇ~」


自分の身近な所に、あんまり機械を置きたくない...とかかな。


「カードキーとかって、何処で発行してるんですか?」


気になったので、何気に聞いてみる。


「うーん、それが僕にも良く分からないんだよねえ。

...ただ、西棟にある麗華ちゃんの部屋の隣に、予備室って呼ばれてる部屋があってね。

広そうだし、どうせだったらそこに泊まらせてよって頼んだんだけど、断られた事があったんだ。

他に怪しい部屋は無かったし、あるとしたらあそこかなあ」


...予備室......か。


セキュリティの関係で名称を誤魔化してるとも考えられるけど、もしかしたら麗華のお父さんの拘りというか、意地みたいなものなのかも。


「すみませ~ん!

ちょっとウトウトして、遅れちゃいました~!」


私が予備室の事に思いを巡らせている最中に、部屋から優奈ちゃんが慌てて飛び出して来た。


「ううん、全然待ってないよ~!

...ところで大丈夫?疲れてるんなら、部屋で休んでた方が......」


陽介さんがそう提案すると


「あっ、いえ、疲れとかは全然です!

寧ろ、寝てるのがもったいない位で...!」


優奈ちゃんが、珍しく慌てて両手を振る。


「そう...?

......んじゃ、お屋敷探検にレッツゴー!!」


「れっつごー♪」


陽介さんの掛け声に、優奈ちゃんも合わせて手を振り上げる。


なんなんだ、このテンションは......


......げっ!!

なんで私だけやらないの?みたいな視線で、こっち見てるし!!


こっ...これは...かなり、恥ずかしいぞ......!


「...ご...ごぉー」


私は恥ずかしさのあまり、震えながら手を上げる。

顔はきっと真っ赤だったに違いない。


それを見届けて、二人は満足そうに微笑む。


...新手の拷問か何かだろうか。


「よーっし、じゃあ、せっかく2階にいる事だし、先ずは2階をご案内しまーす!」


陽介さんの後に続き、私達は西棟へと向かった。


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