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密室殺人に対する考察  作者: 守屋亭 混沌
第二部:解決編
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組合わさっていくパズル

そんなこんなで、私達は応接間へとやって来て、部屋の中央にあった2台のソファの内の一つに私と美月さんが座り、テーブルを挟んで向かい側のソファに光織さんが座った。


他の部屋よりも狭めだが、ソファがふかふかで気持ち良いし、何やら、小型の冷蔵庫や製氷機まである。

ここで飲み物でも飲みながら談話するという感じなのだろう。


他にも高そうな壺や絵画が飾ってあった。


「それでさっきの話の続きなんだけど...」


光織さんが切り出した。


「お嬢様の碓氷さんへの気持ち...にはなんとなく気づいてるよね?」


私は頷いたが、美月さんは「そうだったの?」という表情になる。


「だよね。結構露骨だし...

だから私も、泊まるとしたら碓氷さん位かなって思ってたんだ...そしたら...」


「優奈さんや華菜さんもお泊まりする事になった...」


私が光織さんの言葉を続けると、光織さんが頷いた。


「...まあ、でもそれだけだったら、カモフラージュで誘ったんじゃないかって思うよね。

ご主人様───忠徳さんは娘に甘いけど、そういう恋愛関係については厳しいところあるから。

...でもね、噂によると、どうもあの二人───優奈ちゃんと華菜ちゃんは忠徳さんの指示で呼ばれた...みたいなんだよね」


光織さんの声のトーンが下がる。


「忠徳さんが、お二人の事をご存知だったのって、麗華さんから話を聞いていたから...とかですか?」


私は質問した。


「...ううん、お嬢様はそういう事、あんまり話したがらないから。

私、実は日神美家に仕える様になってから日が浅いから、詳しくは知らないんだけど、確か、優奈ちゃんのお父さんは忠徳さんと仕事上で交流があって、やっぱり何処かの社長。

華菜ちゃんの方は...良く知らないんだけど、聞いた話だと日神美系列の中小企業でお父さんが働いてた...みたいだね。数年前に倒産しちゃったらしいけど」


少しずつ、見えてきた気がする。


「麗華さんにご兄弟はいらっしゃるんですか?」


「ううん、一人っ子だよ。

...あっ、そういえば...

昔、忠徳さんに浮いた噂があったりした事もあったって、もう使用人を辞めちゃった先輩から聞いた事はあるけど......」


...ああ、なるほどね。


完璧にではないが、ここに来てから感じていた、様々な違和感が氷解していくのが分かる。


「光織さん、忠徳さんの私室の近くに、誰も使ってない部屋ってあります?」


「ん~、誰も寝泊まりしてないっていう意味では、あるにはあるんだけど、セキュリティ上大切な所だから関係者以外立ち入り禁止...て感じかな。

...どうして?」


「私の思い過ごしだったら良いんですけど、もしそうじゃなかったら、今夜辺り事件が起こるんじゃないかなって。

だから出来れば今日明日位は、張り込んでた方が良いかなって思ったんです。」


正直な所、現段階では何も起こらないという可能性も十分にあるのだが、私は率直に言った。


光織さんと美月さんが驚いた表情をする。


「...えっ、華凛ちゃん、それって...どういう事…?」


光織さんの質問に答える為、私はここまでの情報から導かれた推論を二人に話した。


「...なるほど...言われてみれば確かにそうかも!凄いね華凛ちゃん!

でも、華凛ちゃんって本当に普通の高校生なの?」


「あー、実は...」


私の代わりに美月さんが、警察手帳を見せつつ説明してくれた。


「えぇ~!刑事さんと探偵さんだったの~!?

あっ...でもそう言われたら納得だわ...

うん、分かった!

神守さんも事情を知ったら許してくれるだろうし、良いよ中に入っても!

...あっ、これ鍵ね!」


そう言って、光織さんがポケットから鍵を取り出し私に手渡してくれた。


「あっ...鍵と言えばこっちも...」


そう言って、光織さんが私達にカードキーを手渡す。


「お姉ちゃんの分は、後で私が渡しておきます」


「ありがとー!

それにしても、刑事の上に大スターなんて、美月さんカッコいい!

私、ずっと推し続けます!!」


…えっ?なんでそうなるの??


「ははは、これは困ったな...

また可愛いファンが一人増えてしまった...

しかしこれも星の導き......

私を推しにした事、絶対に後悔させないよ...」


うわ~、なんか成りきっちゃってるし!


「キャー、ミツキサーン!!」


えっ?えっ?こんなんで良いの?


ツッコミ不在の状態に、物凄くモヤモヤする...

やっぱり前にもあったな、こんな事...


「今日はお話を聞かせて下さって、ありがとうございました!」


気を取り直して、私は光織さんにお礼を言った。


「ふふ、どういたしまして!

もし本当に事件が起こって解決出来たら、私が事件解決の功労者って事にしてね!」


ちゃっかりしてるなぁ。

なんか光織さんらしくて良いけど。


「あはは!はい、分かりました!」


私の言葉に光織さんが喜んだ...が、何処かソワソワしている。


...もっ、もしかして...


「...あっ...サイン...だったね...何処に書けば良いんだい?」


美月さんが、これ以上ない位のキメ顔でそう言う。


「キャー、覚えて下さってて光栄です!

実はこういう事もあろうかと、色紙を持って来てるんです!」


と、光織さんが背中から色紙を突然取り出す。


えぇ!ずっと背中に入れてたの!?


...あ~、それもメイドさんの嗜み...って、んな訳あるか!!


私が一人ボケツッコミをしてる内に、美月さんがなんとも言えない、独特なサインを色紙に書く。


流石にあれは......


「すっ、すごい...!サインのセンスも抜群なんですね、美月さん!」


目を輝かせた光織さんにそう言われ、美月さんが嬉しさを堪えつつも、髪をかき上げ澄まし顔になる。


......。


その後は私が二人の記念写真を撮影し、満足顔の光織さんと別れ、再び遊戯室へと戻った。


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