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密室殺人に対する考察  作者: 守屋亭 混沌
第二部:解決編
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約束の時刻

私達が遊戯室に入ると、優奈さんと碓氷さんがチェスを始めていた。


「あっ、来てくれてありがとー!

すぐ終わらせるから、ちょっと待っててね!」


私達に気付いた優奈さんが、楽しそうに手を振りながらそう言う。


その挑発とも言える一言で、碓氷さんの闘志に更に火がついた様だった。


私達は、軽く優奈さん達に会釈しながら、別のテーブル席に座った。


中央にビリヤード台がある他、古今東西の様々なボードゲームが置いてある...!

ワクワクするなぁ♪


「華凛ちゃん達はビリヤードとか出来ないよね?」


美月さんが聞いてきた。


「そうですね、全然やった事ないです」


私が答える。


「私も...」


お姉ちゃんも答えた。


「そっか...教えてあげるのも良いけど、このプロのハスラー美月さんが少し本気を出すと、二人を絶望させちゃうかもしれないからな~」


...いつ転職したんだろう。

大体、"ハスラー"って、実力を隠して、賭けビリヤードで金銭を巻き上げる詐欺師っぽい人の事じゃなかったっけ?


多分、美月さんも詳しくは知らないんだろうなと思ったので


「美月さん!ボードゲームでRPGでもやりませんか?」


と提案してみる。

そう!こう言っておけば、あそこに見えている、あのRPGの元祖を皆でプレイでき...


「RPG...?...おお!人生を生きるあのゲームね!」


確かにそれもRPGではあるけどっ!!

私は綺麗にズッコケそうになった。


結局、優奈さんと碓氷さんの対局が終わるまで、ルーレットを回して、億万長者を目指す事になった。


...と言っても、結果はお姉ちゃんの圧勝で、私と美月さんは醜い最下位争いをする事になったのだが。


結局美月さんが最下位だった。


「ゲームの中でも貧乏、か...ふっ...」


美月さんがニヒルに笑う。

格好つけてはいるが、ちょっと涙目だった。


...まぁ、これはこれで楽しかった...かも。


こちらのゲームが終わると同時に、どうやらあちらも決着がついた様で、笑顔の優奈さんと凹んだ表情の碓氷さんという、なんとも対照的な図になっていた。


碓氷さんが席を立つ。

...落ち込んで帰るのかな...?


...と思っていたら、近くの席に座り直した。

...観戦するんかい!


でも、本当に好きなんだな、チェス。


「よろしくお願いします!」


と、緊張した声で言いつつ、お姉ちゃんが席につく。


「よろしく!

ふふふ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ、華澄ちゃん!」


優奈さんが楽しそうに目を細める。


...と、そのタイミングで光織さんも遊戯室にやって来た。


「ごめーん、待ったー?」


「いえ全然!むしろグッドタイミングです!」


なんかドラマとかでたまに見る、デートのやり取りみたいだな。


美月さんが席を外すか目で聞いて来たので、美月さんにも立ち会って欲しいという事を目で知らせた。


「それでそれで?どんな話が聞きたいの?」


「今日って、麗華さんのお誕生日パーティーだったんですよね?」


「うん、そうだよ!各界の色んな有名人が来ててね~!ああ、ほんとサイン貰っとくんだったなぁ。

...あっ!そういえば、まだ陽介さんにサイン見せて貰ってないや!」


どんどん話してくれるので、こちらとしては有り難い。


「そうだったんですね...

ところで、麗華さんのご友人は、あちらの優奈さんと碓氷さん、あと華菜さんですよね。

...でも、こう言ったらなんですけど、食事中も全然話してなかったっていうか、えっと...溝みたいなのを感じたんですよ。

どうして麗華さんは、ご友人を泊まりがけで呼ばれたりしたんですか?」


「あー、それは...」


何か言いかけて、光織さんが少し言い澱む。


優奈さんや碓氷さんがいる手前、言えないという事か、それとも......


「...ここじゃ、なんだし、隣に応接室があるから、そっちで話さない?」


と、光織さんが私に提案した。


「お姉ちゃん、ちょっと席外しても大丈夫?」


私はテレパシーでお姉ちゃんに聞いた。


「うん、大丈夫だよ。

結構気になること多いもんね」


流石にお姉ちゃんも気付いてたか。


「うん、じゃあ、ちょっと行ってくるね」


テレパシーを終え、私は


「こっちの...美月さんも一緒で大丈夫ですか?」


と、念の為、光織さんに聞いといた。


「そっちの綺麗なお姉さんの事?

...うん、もちろん!

っていうか、モデルさんか何か?」


今の所、忠徳さんと神守さん以外には、美月さんが刑事だと知ってる人はいない。


「あっ...やっぱ、分かっちゃいます?

これは参った...スターのオーラ、出ちゃってたかな~?」


誰もそこまで言ってない気がするけど、今刑事だと分かると動きづらくなるかもしれないし、まあ、そういう事にしておこう。


「...あっ、後で、サイン下さい!」


光織さんが目を輝かせる。


えっ...?


「もちろん構いませんよ。

ファンの期待に応えるのもスターの義務...ですからね」


美月さんがキメ顔でそう言うと、光織さんが頬を赤らめた。


......。


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