真打
「ちょっ...ちょっと美月さん、さっきからスピード出し過ぎてません?」
さっきから結構ヒヤヒヤしてるし、少し酔って来てる。
「ああ...ごめん華凛ちゃん...峠を走ってるとね、騒ぐんだよ...走り屋の血ってヤツが、さ...」
いや、騒いだら駄目だろう、警察なんだし。
お姉ちゃんはこんな状況だというのに、読書に集中し切っている。
「まあ、でも確かに雨も強くなって来たし、安全運転で行かないとだね」
うんうん、分かってくれれば...あれ...?
なんか車...停まって来てる?
「美月さん、幾ら安全運転って言ったって、こういうベタな事はしなくても...」
私がツッコミを入れるが、美月さんの顔が青ざめる。
...ま、まさか......
「ど、どうしよ......エンストしちゃった......」
「えぇ~!さっきまで、あんな乱暴な運転してるからですよ~!
と、取りあえず、電話してレッカー車に来て貰いましょう!」
「おっ、おう!」
美月さんがスマホを取り出す...と同時に、更に顔が青ざめる。
...えっ...もっ、もしかして...!
私も咄嗟に自分のスマホを見ると、電波の表示が圏外になっていた。
...あっ、詰んだわ、これ......
私達が、こんな山奥で美月さんの車に乗っていたのは、捜査の協力で他の地域との境ギリギリにある場所まで来ていたからだ。
因みに事件はもう解決した。
ここの峠道は特殊で、美月さんの管轄と隣の地域の管轄が入り雑じっている。
この辺りは恐らく、美月さんの管轄ではないだろうか。
「...ごめん...華凛ちゃん、華澄ちゃん......」
美月さんがガチ凹みして、涙目になっている。
「そんな...お気になさらないで下さい...」
お姉ちゃんが、美月さんを気遣う。
「そ...そうですよ~」
私も お姉ちゃんに合わせるが、これは今日中に帰宅するのは絶望的だろう。
...ああ、積みゲー沢山あるのに......
「あっ...ありがとう二人とも...」
美月さんがしくしく泣き出す。
「...あっ、そういえば、ちょっと前になんかやたらと車とすれ違うなって思って、地図アプリで確認したんですけど、近くに大きなお屋敷があるみたいでしたよ」
...っていうか、車に乗ってるのに、迂闊にもスマホの画面を見ちゃって、あの辺りから、ちょっと酔っちゃったんだっけ...
あの時は電波が通じてたのにな...
ただ、来た道を引き返そうにも、どれ位歩いたら電話が通じるかも分からない。
直線距離だったら早いかもしれないけど、山の中を突っ切る訳にもいかないだろう。
それだったらここから比較的近場のお屋敷に行った方が、少なくとも電波が通じる可能性が高いのではないか。
「えっ、ほんとに!?
さっすが華凛ちゃん!
よっし、じゃあ、お屋敷にレッツゴー!」
...立ち直り早っ!
お姉ちゃんは楽しそうにニコニコする。
「なんかキャンプみたいでワクワクするね!」
お姉ちゃんがテレパシーで語りかけて来る。
「そっ、そう...かな?」
私はインドア派だから、正直アウトドアはちょっと...虫嫌いだし...
そういえば山って大きな虫いるよね...今、雨降ってて良かった~。
私達は、美月さんの車に積んであった傘をそれぞれ手に取り、山奥の屋敷に向かって歩き出した...
○あ~、やっぱり良いわぁ、華凛ちゃんと華澄ちゃん......むふふふ...
...あっ、すみません取り乱しました!
先程から心の声が漏れている女の子は月代 華凛ちゃん!
身長156cm、髪型は左の耳前髪が長いアシンメトリーのショートヘア。
推理が得意な高校一年生の可愛い子です!
そして、その華凛ちゃんのお姉さんが月代 華澄ちゃん!
身長178cm、髪型はロングで、編み込んだ髪を両側頭部から後ろに回して、後頭部で合わせるフレンチブレイド!
法医学や科学捜査に詳しい、高校2年生の綺麗な子です!
二人とも、今は...というか大体いつも、高校の制服を着てるみたいです。
ところで、実は先ほど使用していたテレパシー以外にも、華澄ちゃんにはものすんごい能力があるんですけど、それは後々華凛ちゃんの方から語っていただきましょう♫
...あっ、あと、車をエンストさせた綺麗なお姉さんは竜華 美月さん!
身長175cm、ロングの髪を後ろで束ね、スーツ姿が良く似合う、華澄ちゃんの能力の事を知っている刑事さんです!
...えっ、「いつまで喋ってんだ、とっとと失せろ」?
...ウッ...いつもの事とは言え、もっと喋らせて下さいよ...シクシクシク......
...という事で解決編、本格的にスタートです♬○




