↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚士が召喚した召喚士 ~基礎から始める召喚マネジメント講座~  作者: KEI
第13話 竜の印鑑証明

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
61/77

(六)書類は整う

◆ 六 書類は整う


 手続きは、しばらく続いた。


 竜籍仮登録。


 代筆同意。


 竜爪印登録。


 旧契約写しの確認。


 財宝目録別紙。


 守護対象整理表。


 新契約草案。


 休眠期除外条項。


 赤竜、登録名ヴァルグの活動領域案。


 人間側の義務。


 苦情窓口。


 非常時の連絡方法。


 リオルは途中で、書類の数を数えるのを諦めた。


 赤竜も、途中から明らかに黙る時間が増えた。


 怒りではない。


 書類に疲れている。


 赤竜が書類に疲れている。


 その事実が、リオルには少し面白かった。


「必要書類は、旧契約写し、存在確認記録、竜籍仮登録、竜爪印登録、代筆同意、再契約草案、守護対象整理表です」


 ミレイユが確認した。


 赤竜は短く言った。


「多い」


 リオルは思わず言う。


「赤竜が一言で負けた」


「負けていません」


 メルセナは言った。


「処理します」


「人間は、契約を紙で囲うのだな」


 赤竜が言う。


「囲わないと後で燃えます」


 メルセナは淡々と返した。


 リオルは小さく言う。


「実際に燃えましたしね……」


 赤竜は、リオルを見た。


 リオルは慌てて口を閉じる。


 だが、赤竜は怒らなかった。


 ただ、低く言った。


「だから、紙にするのか」


「はい」


 メルセナが答える。


「燃えた後で、誰が何を守るべきだったか分からなくならないように」


 赤竜は、しばらく黙った。


「面倒だ」


「はい」


「だが、必要なのだな」


「はい」


 ミレイユが最後の確認欄へ筆を置く。


「必要条件は、ほぼ揃いました。あとは竜爪印登録証明の正式保管、旧契約写しの照合、そして最終意思確認です」


 カイルが頷く。


「再契約は可能と見てよいでしょう」


「制度上は、進められます」


 メルセナが言った。


 リオルはその言葉を繰り返す。


「制度上は」


「はい」


 メルセナは頷いた。


「次は、赤竜本人の最終意思確認です」


 リオルは、登録名の欄を見た。


 そこには、もう赤竜ではなく、ヴァルグと書かれていた。


 黒い文字で。


 人間の書類の中に。


「ヴァルグ……」


 リオルが呟く。


 赤竜は、少しだけ目を細めた。


「まだ慣れぬ」


「そうでしょうね」


 メルセナは言った。


「ですが、記録には残りました」


 ヴァルグは、書類の文字を見た。


「記録とは、先に形になるものなのだな」


「はい」


 メルセナは頷いた。


「だからこそ、後で間違えにくくなります」


 リオルは、そのやり取りを聞きながら、もう一度書類を見る。


 竜籍。


 代筆。


 竜爪印。


 旧契約の読み替え。


 そして、登録名ヴァルグ。


 人間たちは、古い契約を現在の形へ直そうとしていた。


 書類は整っていく。


 契約も、名前も、印も、形になっていく。


 赤竜は、現代制度上の一個体として認め直されようとしている。


 あとは、赤竜自身がそれを受け入れるかどうかだった。



作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/summoning-management-course-basic-top/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。