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第84話 一発

「あの、いいですか?

これから見るものは内緒にして欲しいのですが…」


シュンがフィリップに言う。


「はあ、何をする気ですかな?

危ないことでなければいいですが」


シュンは目を瞑る。

たちまち、彼の体から黄金に輝く光が浮き出てくる。


ブゥン…。


スネアドラムだ。

白く輝く、ラメ入りの美しいドラムが顕現される。両手にはドラムスティックが握られていた。

フィリップとサビアラは目を丸くしている。


「行きます」


スタン!!!


すごい音がした。

ドゥンバやラトローシュでは、とても再現できないような大きい音であり、実が詰まったような締まった音がする。

裏側に貼られた響線も効果的に倍音を均一にしてくれた。





ガチャ。




「開いた!」


「錠前が開いたぞ!やった!」


さすがのジルも、これほど美しいサウンドがこの世界に生まれることは想定していなかったと見える。

まさに21世紀の技術が集結されたこのスネアドラム。

しっかりと脱力できて、倍音を生み出せたシュンも見事だった。


「どうですかフィリップさん?

宝物庫、見せてもらえますよね?」


フィリップは唖然とした様子で眺めていたが、慌てて返事をする。


「ああ、もちろんです!いくらでも見ていってください

ただ、そのより、あなたは一体… 」


「内緒でお願いしますよ」


人差し指を立てて、にこりと笑うシュン。

その時、


ガバッ!!


「すごいわ!あなたって一体何者なの?

カッコ良すぎるわ!絶対わたしの旦那様になってもらわなきゃ!」


挿絵(By みてみん)


サビアラはシュンに思いっきり抱きついていた。

あまりのことに顔を真っ赤にして照れるシュン。


「あらあら、宝物庫より嬉しいプレゼントじゃん」


アミリアはニヤニヤしながら二人の様子を眺めていた。

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