第78話 ガルワーラー
ガルワーラーは昨日のモンスター討伐タスクで一緒になった律動師だった。
「ごめん、一緒にやりたいんだけど、昨日ずいぶん疲れちゃって…もうモンスタータスクはいいかなって」
「そうか、お前なかなか見所あったのになあ
確かに午後はへたれちゃってたけど、午前中はすごかったじゃないか」
薬によって大きく強化されていたんだよ、とはさすがに言えないセムだが、それでも褒められるとちょっと嬉しい。
「あれが続けられれば良いのですが、なかなかコントロールが難しくて」
「いやいや、少しずつでいいんじゃないか?お前はまだ入ったばかりだろ
ところで、今日は何をやるんだ?一緒にやろうじゃないか」
「え?いや、この薬草の採集をやろうとしてたのだけど、ガルワーラーにはちょっと楽すぎるんじゃないかな?」
「え、俺もちょうど薬草取りをやろうと思ってたんだよ
奇遇じゃないか、一緒に行こう」
セムにとっては、この律動連盟の中で自分に対しそんなことを言ってくれる人間は初めてだった。
タスクの内容が簡単すぎて少し気恥ずかしかったが、そんなことは関係ないほど嬉しかった。
二人はすぐに意気投合し、タスクへ出かけた。
「みんなはこの任務の大切さを全くわかってないよな
薬草の採集をやるものがいなかったら、モンスタータスクで負った怪我を、どうやって治療する?
治療院だって、いつも薬草が欲しいから律動連盟にタスクを依頼しているんだろう?
セム、普段君はこのタスクばかりやってくれている
立派なことだ」
ガルワーラーは嬉しいことを言ってくれる。
「そこまで褒められた事はしてないよ
何か他のこともできて、それなのに薬草をとっているのなら偉いかもしれない
でも、ぼくは他のことがあんまりできないから…」
確かにセムは他のことでは大して役に立たない。
だが、ガルワーラーはそんなセムをここぞとばかりに持ち上げる。
「謙遜するなよ、実際君は俺より薬草を見つけるのがうまいじゃないか
君の行いの正しさは、きっと女神様も見てくださっているさ
俺はそう信じている」
「女神様…?」




